メニューをスキップ
財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたちは今 報告会レポート

TAP PROJECT 2010 実施中!
マダガスカル支援活動学習会 開催

【2010年3月25日 東京発】

© 日本ユニセフ協会

「TAP PROJECTって何?」「現地の活動の様子をもっと知りたい!」というユニセフハウスで活躍するボランティアの皆さんの声にお答えして、24日(水)、2008年度のTAPPROJECTの支援先、マダガスカルでの支援活動学習会が開催されました。

TAP PROJECTとは、「清潔で安全な水」が世界中で使えるよう、ユニセフの活動を支援するプロジェクトです。2007年ニューヨークで始まり、世界各地で展開されています。日本では、2009年から開始され、レストランやオンラインで寄せられた募金は、マダガスカルでのユニセフの水と衛生事業に役立てられています。2009年11月に、日本ユニセフ協会のスタッフが現地を視察し、その時の現地の様子やプロジェクトの実施状況が報告されました。

マダガスカルでの支援

マダガスカルは、清潔で安全な水が利用できる人は全体で41%、トイレを利用できる人は12%ときわめて低く、このままでは国連ミレニアム開発目標の達成が極めて困難な状況にあり、TAP PROJECTの支援先となりました。マダガスカルでは、下痢性疾患は子どもの死亡原因の20%を占め、年間13000人以上の5歳未満の子どもたちの命を奪っています。

 支援先となった東南部は、稲作が行える「水」はありますが、清潔で安全な水が利用できる人はわずか19%、トイレが利用できる人は1%未満です。また、ほぼ毎年、サイクロンの被害を受けています。

 今回の支援活動では、小学校に井戸と男女別のトイレを建設し、衛生習慣を教え、広めるための授業を行います。小学校が支援対象となったのは、マダガスカルの半数以上の子どもたちは、水や衛生に関係する病気を日常的に抱えているといわれ、年間でのべ350万日も欠席となっていることがあげられます。つまり、水や衛生の問題は、命や健康の問題のみならず、教育の問題にもなっているのです。

清潔で安全な水の供給

 井戸がない村や学校では、この写真(左下)のようなわき水や、田んぼの水を飲用、生活用水全般に使っています。透明に見えたとしても、このような水の中には、微生物やごみ、不純物が混ざっています。

 支援活動で建設された井戸の水は、地下深いところから汲み上げる清潔な水です。ポンプを取り付ける前には、水質や水量の確認も行います。井戸の水が使えるようになったら「飲むことはもちろん、手や果物を洗うのにも使いたい。そうすれば、お腹が痛くなることは減るから。」と話してくれた生徒もいました。

© 日本ユニセフ協会/2009/satomi matsui
© 日本ユニセフ協会/2009/satomi matsui

小学校へのトイレの設置

 水の支援活動を行うときには、衛生環境を整備することもとても大切です。ひとつは、男女別のトイレを設置すること。人目をはばかることなく、用を足せることは、思春期で体の変化を迎える子どもたちと親にとっては「安心して学校に通える」後押しになります。

© 日本ユニセフ協会/2009

 支援対象となった地域では、ほとんどの小学校にトイレがない、または、あっても使われていない状況で、子どもたちは、木陰や草むらで用を足していました。このような状況だと、排泄物(特にうんち)があちらこちらに、散らばることになります。このような排泄物にハエがとまり、そのハエが食べ物にとまる。村の人たちが意識していなくとも、排泄物が私たちの体に取り込まれる可能性が高くなります。そして、これらの排泄物が、下痢などを引き起こすことになります。ですから、排泄物を適切に処理することは、衛生的な環境をつくる上で、欠かせないのです。

 トイレには、必ず手洗い場を設けます。トイレのあとに、石けんを使って正しく手を洗うことは、下痢や肺炎などの病気の予防にとても役立つのです。トイレの屋根には雨どいがつけられ、雨が手洗い用のタンクにうまく貯まるように工夫がされています。

鍵となる衛生習慣

© 日本ユニセフ協会/2009/satomi matsui

 井戸やトイレなどの設備が整うことはとても大切ですが、同様に「正しい使い方」を学び、実践することが重要です。石けんを使った正しい手洗いや、水を保管する容器を清潔に保つこと、自分の体や家をきれいにし、生活環境を衛生的にすることも、病気の予防に役立ちます。学校で習ったことを子どもたちが家族に伝え、実践した結果、「水の保管に対する意識が高まり、結果として、子どもたちの生活圏内で、不衛生な水に卵を産む蚊が減り、マラリアにかかって学校を休む生徒が大幅に減ったようだ」といった話を、小学校の先生から聞くこともできました。

ボランティアの皆さんは、メモを取りながら熱心に耳を傾けていました。ユニセフハウスでは、約160名のボランティアの方々が活躍されています。展示のボランティア、外貨の仕分けボランティア、カードとギフト関連のボランティア、広報室でのボランティアとその内容は多岐にわたりますが、こうした皆さんがユニセフの活動を支えてくださり、またユニセフハウスを明るく楽しい雰囲気にしてくださっています。

© 日本ユニセフ協会
展示のボランティアさん
© 日本ユニセフ協会
外貨、カード&ギフト関連のボランティアの皆さん
© 日本ユニセフ協会
広報室のボランティアさん

日本では蛇口をひねれば当たり前のように流れ出てくる「きれいな水」。わたしたちが毎日飲んでいるコップ1杯の水で、世界の子どもたちを1人でも多く守れたら。TAPPROJECT 2010に皆様もぜひご参加ください!

トップページへコーナートップへ戻る先頭に戻る