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公益財団法人日本ユニセフ協会

世界子供白書2011「青少年期 (10代) 可能性に満ちた世代」

幼い子どもたちへの支援はこれまで多くの成果を挙げてきましたが、10代の青少年への影響が大きい分野に対しては、投資がまだ充分でないのが実情です。今年のタイトルは、「青少年期<10代>可能性に満ちた世代 (Adolescence An Age of Opportunity)」。青少年期は人生で極めて重要な時期ですが、貧困と不公正はこの青少年期に際立ちます。私たちはそれが固定化するサイクルを断ち切る必要があります。

世界に12億人といわれる青少年。教育がなければ、10代でもっとも高まる搾取・虐待・暴力のリスクを乗り越えるために必要な知識やスキルを発達させることができません。貧しく取り残された子どもたちは中等教育へ進める可能性が低く、家事労働や児童婚などを余儀なくされる場合もあります。特に早婚をする女子は、未成熟なままの妊娠や、妊産婦の死亡、低栄養の子どもの出産につながるような悪循環に入り込む可能性が高いのです。

世界的にはこの世代は、傷害、摂食障害、薬物乱用、メンタルヘルス等での問題を抱えているのも特徴です。また世界経済の停滞によって8100万人(2009年)の若者が失業しています。ますます技術が高度化する労働市場での教育・技術不足は、若者自身とその社会にとって機会の損失になります。

このほかにも今日の若い人々は、非常に大きな地球規模の課題である経済的な混乱、気候変動、環境破壊、爆発的な都市化、国際移住、高齢化社会、高まる保健ケアのコスト、増え続ける人道危機にも直面しています。

若い世代が、こうした課題に効果的に対処できるように、白書では、青少年を取り巻く状況の理解を深め、自らの権利を活かせるように必要なデータを一層整備することや、青少年の機会を増やし、声を受け止めること、困難を乗り越え必要なサービスを得られるように法・政策・プログラムを促進すること、おとなになることを急がせず、子どもたちに配慮したプログラムを通じて貧困と不公正と闘うこと等が、主たる投資の分野だとしています。

彼らに自らの人生と社会のために必要なツールを提供していくことが、私たちすべての責務なのです。

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巻末統計

 

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