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公益財団法人日本ユニセフ協会
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エボラ出血熱緊急募金 第18報
エボラ出血熱・リベリア
保健・衛生物資68トンが首都に到着
1週間で最大の感染者約300名を確認

【2014年8月23日 モンロビア(リベリア)発】

エボラ出血熱に対する支援を行うための緊急支援物資68トンが到着。(リベリア)
© UNICEF Liberia/2014
エボラ出血熱に対する支援を行うための緊急支援物資68トンが到着

8月23日(土) 早朝、ユニセフ物資供給センターのあるデンマークのコペンハーゲンから、リベリアの首都モンロビアに、保健・衛生用品68トンを積んだ貨物便が到着。これらの物資は、史上最大の感染が広がるエボラ出血熱の対応に役立てられます。

緊急支援物資68トンが到着

今回空輸された物資には、最前線で治療にあたる医療従事者を感染から守り、感染拡大を防ぐための基本的な緊急アイテムが含まれます。また、消毒用の高濃度塩素と浄水剤27トンや防護用のゴム手袋45万セット、点滴溶液、経口補水塩、治療を受けている患者用のすぐに口にできる栄養治療食もあわせて空輸されました。

ユニセフ・リベリア事務所代表とリベリア保健社会福祉省大臣は、空港で支援物資が積まれた貨物便を出迎えました。これらの物資は、国内の保健センターに配布されます。保健センターの多くは、基本的な保健ケアに必要な物資が不足しています。人員不足とあいまって、多くのリベリアの方々は、治療や必要不可欠な保健ケアを受けられない状況にあります。

リベリア保健社会福祉省の副大臣で、エボラ対応にもあたるトルベルト・ニェンスァ副大臣は「ユニセフは、何十年にわたり、リベリアの良き友人でパートナーであり、リベリアの最も厳しい時代にも力を尽くしてくれました。今回届いたエボラ対応の物資に深く感謝しています。これらの物資を使って消毒を行い、診療所や病院に物資を供給し、診断を再開させます。そうすれば、リベリアの人々に不可欠な保健サービスが再び提供できるようになります」と述べました。

リベリアでの死亡者613名に

防護服を着てエボラ治療ユニットで治療にあたる保健員。(リベリア)
© UNICEF/NYHQ2014-1027/Jallanzo
防護服を着てエボラ治療ユニットで治療にあたる保健員。

8月22日金曜日時点で、リベリアで感染が確認または疑われる人は1,000人を超え、うち613名が死亡しました。リベリアの保健ケアシステムは長年にわたる内戦の影響で脆弱であったため、エボラ出血熱の感染拡大が急速に広がっています。

ユニセフ・リベリア事務所代表のシェルドン・イエッテは「基本的な保健ケアを、エボラの次なる犠牲者にしてはいけません。ユニセフは、感染発生後からさまざまな面での取り組みを行っています。対応に必要な物資を提供し、感染拡大防止のために必要な情報をコミュニティに提供し、警鐘を鳴らしてきました。今回到着した物資が各地の保健センターに供給されれば、感染のコントロールを後押しし、最前線にいる医療従事者を保護し、これまでの取り組みを補完することができます」と述べました。

23日朝に到着した物資は、米国国際開発庁エボラ支援対応チームの支援を受けて調達・輸送されたものです。

米国国際開発庁エボラ支援対応チームリーダーのティム・カラガンは「史上最大規模のエボラ感染に直面しています。エボラをコントロールするには、国際的に協調した取り組みが必要です。この数カ月、我々はユニセフとともに、医療品や重要なメッセージを届けてきました」と述べました。

来週、ユニセフはリベリア政府に代わり、世界銀行からの資金よって可能となった追加の保健物資を空輸します。また、エボラによって脆弱化している物資供給能力の調査を、リベリア政府を支援しながら行う予定です。

ユニセフは、これまで に200万米ドル相当の物資と技術支援を行っています。

  • 保健用品の提供
  • 医療従事者のための防護用のゴーグルの提供
  • 感染コントロール支援ための塩素、スプレー、その他の水と衛生用品の提供
  • コミュニティの医療従事者やその他のパートナーが移動できるように オートバイやその他の移動手段の提供

ユニセフは、リベリア全土のコミュニティにエボラ予防のメッセージを届けるために、地元に根付いているコミュニケーションを行う人たちとのチームも結成。また、啓発用の印刷物の製作や、感染への公衆意識を高めるためのラジオプログラムも作っています。

* * *

8月22日発表のユニセフ・リベリア事務所による情勢レポート報告書(SitRep#48)の一部をご紹介します。なお、本報告書の統計は、リベリア保健社会福祉省の報告書(8月20日時点)に基づくものです。

概要

エボラに感染した際の対処法が描かれたポスターを配るスタッフ。(リベリア)
© UNICEF/UNI167513/Jallanzo
エボラに感染した際の対処法が描かれたポスターを配るスタッフ。
  • 前週(8月13日からの1週間)と比べ、新たに感染を確認または疑われる人は297名。3月に、この流行の最初の感染が始まって以降、最大の感染者数。
  • 8月20日時点で、エボラ出血熱第2フェーズ(5月29日以降)におけるリベリア国内でのエボラ出血熱の累計患者数は1,074名(確認263名・推定552名・疑い259名)、うち613名が死亡(確認216名・推定265名・疑い132名)
  • エボラ出血熱と保健システムの崩壊により、医療従事者への感染も広がる、これまでの医療従事者の感染者(確認、推定、疑い)は累計115名(前週より27名増加)、うち61名(前週より25名増加)が死亡
  • リベリア全土15県のうち、感染が確認されているのは12県、新たに1県で感染の疑い
  • 感染拡大防止のために、8月19日、無期限での8月20日からの夜間(21時〜6時)外出禁止令を発令
  • さらに、西部のモントセラド県のウェスト・ポイントと、隣接する西部のマルギビ県のドロ・タウンの無期限での隔離も宣言、隔離政策を受け、治安部隊によって両地区への出入りはすべて制限
  • 先週、ユニセフはリベリア保健社会福祉省の保健促進部や主要なパートナーとともに、エボラの啓発や予防メッセージの改定を実施、新たに啓発ツールを作り、トレーニングも開発、また消毒用の塩素や水と衛生用品などを提供(前述)
  • ユニセフはエボラ対策支援活動を拡大、7月から12月の活動費に600万米ドル(6億1,200万円 ※1米ドル=102円で換算)を要請しているが、現在500万米ドルが不足している状態

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