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公益財団法人日本ユニセフ協会

ガザ地区:
50日間の戦闘、無期限停戦へ
心のケアを必要とする子ども 37万3,000人以上

【2014年8月28日 エルサレム発】

激しい戦闘から無期限の停戦へ入ったガザ地区。ユニセフ情勢レポートから、最新の状況とユニセフの活動についてお伝えします。

数字で見る情勢

瓦礫の中で、おもちゃを片手に座る男の子。(ガザ)
© UNICEF/NYHQ2014-1123/El Baba
瓦礫の中で、おもちゃを片手に座る男の子。
  • 殺害された子ども 494人(Protection Cluster, 25 August 2014)
  • 殺害された人 2,104人(うち、女性253人、Protection Cluster, 25 August 2014)
  • 自宅を失った子ども 5万4,000人(OCHA, 24 August 2014)
  • 負傷した子ども 3,106人(Protection Cluster, 25 August 2014)
    うち、生涯にわたる障がいを負った子ども 最大1,000人
  • 負傷した人 1万224人(うち、女性1,970人、Protection Cluster, 25 August 2014)
  • 親が生涯にわたる障がいを負った子ども 6,000人
  • 孤児となった子ども 1,500人(Protection Cluster, 25 August 2014)
  • 心のケアを必要とする子ども 37万3,000人以上
  • 全員が殺害された家庭 89世帯(OCHA, 24 August 2014)

ハイライト

ユニセフはガザの子どもたちや家族に安全な飲み水を提供。水の供給所で水を汲むために列に並ぶ子どもたち。(ガザ)
© UNICEF/2014/Eyad El Baba
ユニセフはガザの子どもたちや家族に安全な飲み水を提供。水の供給所で水を汲むために列に並ぶ子どもたち。
  • 50日間の戦闘の末、8月26日に、無期限での停戦に合意
  • 今回の戦闘は、1967年のイスラエルによる占領以降、最も長く、死者が多く、破壊が行われた戦闘に
  • 戦闘は、停戦合意の19時直前まで続いた
    26日13時15分、ベート・ラヒヤでは、修理にあたっていた電気工事士2人が車に空爆を受けて死亡、今回の戦闘で電気や上下水の修理にあたっていた技術者14人が殺害
    合意直前の18時30分、ベート・ラヒヤの6階建ての住居がイスラエル軍に空爆され、約60人が自宅を失う
  • 避難民数万人は、避難所を出て自宅に戻っているが、10万8,000人以上は自宅の破損壊のため戻れず
    8月27日時点で、78の避難所に5万4,261人が避難
  • 空爆や攻撃を集中的に受けた地域では、爆発性戦争残存物(ERW)の危険があり、特に子どもへの注意が必要
  • 修理が行われたものの、ガザの大部分では1日18時間の停電、特に水と衛生サービスの供給に支障
  • 8月24日から新学年が始まったものの、ガザでは50万人の子どもが始業式を迎えられず(ヨルダン川西岸では新学年開始)

ユニセフの取り組み

無期限の停戦で、子どもたちが外で遊べるように。ユニセフとパートナー団体が避難所で行う心のケアのためのレクレーション活動に参加する子ども。(ガザ)
© UNICEF/2014/ Loulou d'Aki
無期限の停戦で、子どもたちが外で遊べるように。ユニセフとパートナー団体が避難所で行う心のケアのためのレクレーション活動に参加する子ども。
  • 緊急支援を拡大
    対象:5歳未満の子どもとその母親、公立学校に通っている子どもたち、最も厳しい状況にある家庭
  • 停戦によって情勢が安定すれば、戦闘が起きた地域の支援を拡大
  • 現在は、避難所や親戚宅などに避難している人などを中心に支援

<水と衛生>

  • 地元水道局を支援し、給水・下水システムの緊急修復
  • トラックにて家庭用水や飲料水を運搬、給水所の設置など
  • WFP(国連世界食糧計画)と共に、水や衛生用品、食糧の購入に使用できる電子配給券を配布、受給者の多くは自宅を失った家庭で1万3,000世帯(7万8,000人)、これまでの分析で配給券の40%以上は衛生用品の購入に使用
  • しらみや疥癬の予防や手洗い、水の処理などを記したポスター3,000枚を避難所に配布

<保健・栄養>

  • 病院や保健施設に薬や備品、ワクチンを供給、8月31日には90トンの物資がガザに入る予定
  • ユニセフが資金提供をし、避難所での保健活動を実施、感染症予防のための啓発活動など
  • 避難所などを訪問し、妊産婦499人と新生児752人にケアとアドバイスを行う

<子どもの保護>

  • 子どもの死亡全件に関し、状況の確認と文書化を支援
  • また、子どもの負傷や子どもの権利侵害についても、同様に報告をまとめている
  • これまでに心のケアを受けた子どもと青少年は、1万2,000人以上(自宅または病院にて)
  • ラジオを通じて、不発弾の危険性について啓発
  • 7月20日以降、地元の携帯電話会社の協力を得て、心のケアや虐待の予防などのテキストメッセージを配信、またヘルプライン(121、24時間開設)も開設、これまでに2,812件のカウンセリングを実施

<教育>

  • 教育省と共に「学校へ戻ろう(Back To School)」プログラムを準備中
  • 文具や教材、教具などの物資を用意
  • 学校の備品の調達
  • 厳しい環境にある子どもたちへの制服の支給
  • 学校の給水・トイレ設備の緊急修理など
  • 対象となる学校で、新学年スタート前に、不発弾をとり除くこと
  • 教員向けに子どもの心のケアを支援
  • 負傷した子どもたちの補習授業の支援

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