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公益財団法人日本ユニセフ協会

ユニセフ・WHO
イラク・ポリオ予防接種キャンペーン終了
戦闘が続く中、375万人の子どもへ接種

【2014年9月1日 エルビル(イラク)/アンマン(ヨルダン)発】

避難所でポリオの予防接種を受ける、ヤズディ教徒の男の子(イラク・2014年8月9日撮影
© UNICEF/NYHQ2014-1114/Khuzaie
避難所でポリオの予防接種を受ける、ヤズディ教徒の男の子(2014年8月9日撮影)

イラク国内各地で戦闘が続く中、大規模なポリオ予防接種キャンペーンが終了。同国の5歳未満の子ども400万人のうち、375万人がポリオの予防接種を受けました。

ユニセフとWHO(世界保健機関)の支援を受け、イラク保健省は、8月10日〜14日の5日間にわたり、ポリオ予防接種キャンペーンを実施。本キャンペーンは、今年はじめにイラクで根絶されていたポリオウイルスが確認されたことへの対応の一環です。キャンペーン期間中も、国内で避難をする子どもたちの数は増え続けましたが、クルド自治区だけでも、およそ6万5,000人の避難中の子どもたちがポリオ予防接種を受けられました。

避難民の子どもを含む、375万人に実施

ユニセフ・イラク事務所代表のマルツィオ・バビルは「本キャンペーンで多くの子どもたちが予防接種を受けられたことを、とてもうれしく思います。予防接種は、時に非常に厳しい環境下で行わざるを得ません。今回、これだけの子どもたちへの予防接種を可能とした保健チームの活躍に、心より敬意を表します」と述べました。

本キャンペーンは、イラクの12の州にある14の保健行政区の子どもたちを対象にしていました。イラク国内では、今年はじめから180万人近くが国内で避難生活を送っており、その半数を占めるのは子どもたちです。このため、予防接種の実施は極めて困難でしたが、保健当局が備蓄していたワクチンや医療品を使い、今回、375万人もの子どもたちへ予防接種が実現しました。

WHOイラク事務所のシド・ジャファル・フセイン代表は「紛争が相次いで起きている国で、ポリオ予防接種キャンペーンを成功させたことは、人道支援を実現することは可能であるとの希望を広めてくれます」と述べました。

これまで14年にわたってポリオの感染が確認されていなかったイラク。しかし、今年2月と4月に計2件の感染が確認されました。その原因には、スラムや紛争地域へのアクセスが困難なことから、予防接種を受けられない子どもたちの数が比較的多いことが挙げられます。ポリオは手足に生涯にわたる麻痺をもたらします。専門家は、現在のイラクは、ポリオ感染が広がる恐れがあると警鐘を鳴らしています。

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