メニューをスキップ
公益財団法人日本ユニセフ協会

ウクライナ東部:
子ども1,000人以上が防空壕に
水や食糧、衛生設備の備えなく

【2015年1月27日 キエフ/ニューヨーク/ジュネーブ発】

ウクライナ東部で続く戦闘で、多くの子どもが影響を受けている。
© UNICEF/Ukraine/2014/Francesca Volpi
ウクライナ東部で続く戦闘で、多くの子どもが影響を受けている。

ユニセフ(国連児童基金)は本日、ウクライナ東部で続く戦闘により、ドネツク市では1,000人を超える子どもたちが地下にある防空壕への避難を余儀なくされていると発表しました。

子ども1,000人以上が防空壕に

ユニセフ・ウクライナ事務所のジオバンナ・バルベリス代表は、「戦闘の影響下にある地域で暮らす子どもたちは、今なお続く戦闘によって、計り知れないほどの酷い緊張状態に置かれています。不衛生な状態で、人で溢れかえり、凍えるほど寒い地下室や防空壕に避難している子どもや、路上で暮らす子ども、貧困家庭出身の子ども、あるいは自宅が深刻な被害を受けた子どもが、最も苦しい立場に置かれています」と訴えます。

9月以降、戦闘が続く地域で暮らす何千もの人々は、日中のほとんどの時間と夜間を防空壕で過ごしています。少なくとも12カ所ある防空壕には、水や食糧、衛生設備はほとんど、あるいは全く備わっていません。防空壕の大きさや状態はそれぞれ異なるものの、ドネツク市だけでも1,000人の子どもたちが、激しい爆撃の度に、これらの防空壕へ避難しているとみられています。

「ユニセフはウクライナの戦闘に関わるすべての関係者に、子どもたちに危害を及ぼさないよう、繰り返し求めます。また、国際社会に向けて、危機に直面している何千人もの子どもたちが必要としている支援を早急に実施するよう求めます」(バルベリス代表)

ユニセフは衛生キットなどの必要不可欠な支援物資を地下室や防空壕に避難している子どもや家族に配布。(ウクライナ)
© UNICEF/Ukraine/2014/Francesca Volpi
ユニセフは衛生キットなどの必要不可欠な支援物資を地下室や防空壕に避難している子どもや家族に配布。

衛生キットなどの支援物資を配布

ユニセフは、避難所や地下室で生活する1,100人(おとなを含む)に衛生キットを提供。戦闘地域で暮らす少なくとも1万人の子どもに、冬服セットの提供を間もなく開始する予定です。

2014年3月以降、この戦闘地域から避難した人は150万人(ウクライナ国内に避難したおよそ100万人を含む)。このうち、13万人以上が子どもたちです。

ユニセフは2014年12月、ウクライナの戦闘地域で暮らす子どもと家族が緊急に必要とする人道支援を届けるための活動資金として、3,240万米ドル(約38億700万円/1米ドル=117.5円で換算)を要請。これまでに、1,016万米ドル(約11億9,380万円/同レート)が寄せられています。

トップページへ先頭に戻る