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公益財団法人日本ユニセフ協会

ユニセフ事務局長とローマ法王が会談
5年間のパートナーシップを発表
若者のための教育ネットワーク強化へ

【2015年4月21日 バチカン/ニューヨーク発】

ローマで会談したローマ法王フランシスコ聖下とユニセフ事務局長 アンソニー・レーク。
© UNICEF/NYHQ2015-0963/Diffidenti
4月21日、ローマで会談したローマ法王フランシスコ聖下とユニセフ事務局長 アンソニー・レーク。

ローマ法王フランシスコ聖下とユニセフ事務局長 アンソニー・レークは21日にローマで会談し、弱い立場にある若者たちが、自分たちの社会、そして世界の市民として参加するために必要なスキル、情報、知識を得られるよう支援する新しいパートナーシップを結ぶことを発表しました。

ユニセフ事務局長とローマ法王が会談

法王フランシスコが設立した教育機関「Scholas Occurrentes(スコラス オクレンテス)」とユニセフとの新しいパートナーシップは、若者たちが持っている力や可能性についての共通の理念の上に結ばれました。

今後5年間の協力の中で焦点を当てるのは、より多くの若者たち、特に最も弱い立場にある若者たちの、技術やスポーツ、芸術に触れる機会の拡大です。それらは若者たちに、自分自身や他者、彼らを取り巻く世界について共に学ぶ機会を提供し、教育や参加、そして平和構築の基盤を作ります。

「スコラスでは、教育に関するさまざまな取り組みを、なんとかしてうまく結び付けたいと考えているのです」と法王フランシスコは語りました。「つまり教育の平和的改革です。もし、子どもや若者の教育に携わる者たちがみな力を合わせることができれば、教育は変えられるのです」

弱い立場にある若者を支援

ユニセフとスコラスは、最も厳しい状況にある子どもたちのためのデジタルキャンペーンや社会運動を共に支援していきます。具体的には、子どもと若者が参加するユニセフのオンラインスペース「Voices of Youth(ヴォイス・オブ・ユース)」を通じて、スコラスのネットワークと連携することなどを計画しています。またユニセフは、既に50万人の若者が参加しているSMSを基盤としたシステム「U-report」に、スコラスのメンバーも参加できるような仕組みを作る予定です。

ユニセフとスコラスはまた、若者に焦点を当てたさまざまなイベントと協同する機会を作っていきます。2015年には、ロサンゼルス開催のスペシャルオリンピック夏季世界大会の会期中に行われる「スペシャルオリンピック ソーシャル・インパクト・サミット」。そして2016年には、多くの若者が直面する問題の啓発活動やアドボカシー活動など、地域や国、コミュニティにおいて、さまざまな取り組みを共に実施していきます。

若者たちの将来と、世界の未来のために

世界の人口のおよそ20%を占めるのは、10歳から19歳の若者です。そしてその12億人の若者の圧倒的多数は、開発途上国で暮らしています。最も弱い立場にある若者たちに参加の機会やお互いにつながり、学び合う新しい方法を提供することで、若者たちは自分たちが持っている力を発揮し、地域社会に貢献することができるようになります。こうした取り組みは、紛争下にある国々では特に重要です。なぜなら、若者たちが民族、人種、宗教を越えて共に活動することは、世代から世代へ続いてきた暴力のサイクルを断ち切り、社会構造の強化を実現することができるからです。

ユニセフ事務局長のアンソニー・レークは、「ユニセフはスコラスと協力し、若者たちの生活をよくするために共に活動できることを嬉しく思っています。青年期というのは、きわめて重要な時期です。リスクが多い一方で、たくさんのチャンスがある年代です。協力して、共通の問題を解決することを学んだ若者たちは、自身のよりよい将来を築くことができるようになるばかりでなく、世界のよりよい未来に貢献できる市民として成長できるのです」と述べています。

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■Scholas Occurrentes(スコラス オクレンテス)について

Scholas Occurrentes(スコラス オクレンテス)は、ラテン語で「出会いの学校」を意味する、法王フランシスが支持する教育ネットワークです。教育を通して、人々の間の融合と平和を促進することを目的とした世界的な取り組みです。このネットワークは、宗教に関わらず、また公立・私立に関わらず、世界で40万の学校および教育ネットワークとつながっています。
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