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公益財団法人日本ユニセフ協会
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東日本大震災復興支援 第257報
福島の子ども、のべ7万人が参加
『外遊びプロジェクト』 新たな一歩へ

【2015年6月28日 福島発】

東日本大震災発生直後から続けてきた福島の子どもたちに“外遊び”の機会を提供する活動が、中長期的に継続されていくため、“拠点”となる「こども遊び塾」が、6月28日、猪苗代町の沼尻県有林で開校しました。

思いっきり外遊び、のべ7万人が参加

© 日本ユニセフ協会/2015

2011年5月、日本ユニセフ協会は、福島県ユニセフ協会が主体となって企画した、幼稚園や保育園の子どもたちに放射線の心配がない場所での“外遊び”の機会を提供する、バス遠足=『思いっきり外遊び』の支援をスタート。その後、福島県生活協同組合連合会や福島大学災害復興研究所が参加し、全国各地の生活協同組合連合会などの協力も得て、「福島の子ども保養プロジェクト(愛称:コヨット!)」として、未就学児親子の週末保養や学齢児を対象にした長期休暇中の県外滞在企画、日帰りの外遊び企画も含め、多様な年齢層の子どもたちや保護者に、安心・安全な遊びの機会を提供。これまでに、のべ7万人を超える福島の子どもたちが参加しました。

震災から4年、残る不安

© 日本ユニセフ協会/2015

震災と原発事故から4年が経過し、福島県内でも、子どもたちに外遊びをさせる保護者が増えてきています。「コヨット!」に参加された方々を対象にしたアンケートでも、2012年に比べ2014年は、「外遊びをさせる」と回答された方の割合が13%増えました。しかしその一方で、「室内で遊べる場所に出かける」と答えた方の割合も、依然32%を占めています。さらに、主催3団体によれば、「定期的に放射線量の低い所に出かける」という親子の多くも、その行き先として「県外」を上げているとのこと。身近な場所に安心して外遊びできる環境は、まだ十分に戻っているとは言い難い状況です。

こうした状況を背景に、福島県ユニセフ協会と福島県生活協同組合連合会、福島大学災害復興研究所の3者は、常設の“子どもが「遊び」をつくる遊び場”の設置を企画。週末保養企画で利用していた猪苗代町中ノ沢温泉のリゾート施設周辺の県有林を借用し、地元の方々の協力を得ながら、「コヨット!」参加者とともに森林の下草刈りや木の抜き取りなど、「こども遊び塾」の舞台となる森づくりを進めてきました。

「こども遊び塾」〜子どもが「遊び」をつくる〜

© 日本ユニセフ協会/2015

昨年より21日も遅れた梅雨入りの翌日、生憎の雨模様となってしまった開校式には、それでも、約70名の親子が参加。「こども遊び塾」と(市民生活協同組合)ならコープから寄贈されたプレーカー「あそぶーべー」の安全を祈願する神事の後、隣接のリゾート施設内で式典が開催されました。

挨拶に立った日本ユニセフ協会東日本大震災支援本部長の早水研は、「Build Back Better、すなわち“以前よりも良くする“というユニセフが世界中でやっていることを踏まえて、私たちも支援を続けてきました」「これだけ自然に囲まれているのに、(福島の)子どもたちは実はそんなに外遊びをしてこなかったことを知りました。だからこそ、こういった遊び場を提供できればと」と、支援理由を説明。参加者に「世界から寄せられた支援でこうした場所をつくることができました。ぜひ今度は、世界中の困難な状況にある子どもたちの事にも思いを馳せてみてください」と呼びかけました。

© 日本ユニセフ協会/2015

「私たちは、保養だけで複雑化・長期化する事態を解決することはできません。しかし、土・空気・花・葉・雪・雨・昆虫など、豊かな自然の恵みを子どもたちがためらいなく直接受けとれる“あたりまえの遊び環境”をおとなの責任で用意でできればと考えています」と、福島県ユニセフ協会の佐藤一夫事務局長は語ります。「人間の脳の大脳辺縁系は、本能や情動に関する機能が集まっています。人が命を存続させるために自分の身を守るための機能があり、幼児期に成長すると言われ、屋外で遊び自然から刺激を受けることで、より成長が高まるとも言われています」「子どもたちが、これから様々な困難に立ち向かうための大切な脳の発達に、外遊びは欠かせないことだと考えています」(佐藤事務局長)

「こども遊び塾」は、自然の景観を生かしながら、木に登ったり、何かものを創ったり…。落ち葉やどろんこや自然の素材を使って、自分のやってみたいと思うことを実現していく遊び場です。周囲のおとなも、子どもたちの行為を“危険だから”とか“不適切だから”などの理由で禁止するのではなく、一緒に考えてやってみる場所。

子どももおとなも、のびのびとおもいっきり遊べる永遠に完成しない遊び場が誕生しました。

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