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日本ユニセフ協会
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命を守る支援物資が大幅に不足
300万人の5歳未満児が 病気や命の危機に

【2015年11月30日  カトマンズ(ネパール)発】

ネパールでは燃料や食糧、ワクチンの深刻な不足により、300万人以上の5歳未満の子どもたちが病気や命の危機に晒されていると、ユニセフ(国連児童基金)は警鐘を鳴らしています。

5歳未満児300万人以上が病気や命の危機

調理用ガスを手に入れるための列に並ぶ12歳の女の子。

© UNICEF/UNI200540/Mathema

生後6カ月の妹と一緒に調理用ガスを手に入れるための列に並ぶ12歳の女の子。

ネパールでは過去10週間、新憲法を巡る混乱により、南部の国境を介する生活必需品の輸入が大幅に制限されています。

政府が所有する地域の医薬品倉庫には、結核に対するBCGワクチンの在庫が既に底をついており、その他のワクチンや抗生物質の在庫も危機的状況です。

今年4月と5月に起こった2度の大地震からの回復の道半ばにある子どもたちが、最も大きな影響を受ける可能性があります。余震の影響を受けた20万世帯以上の家族は、冬の気候が非常に厳しい、標高1,500メートル以上にある仮設シェルターで暮らしています。

燃料や医療品が不足

「低体温や栄養不良の危険だけでなく、命を守る医薬品やワクチンの不足が相まって、この冬は子どもたちに致命的な影響を与えるかもしれません。最近ネパールを訪問した際、地震の影響を受けた人々の不安定な生活状況を直に目にしました。適切な食糧や寒さからの保護、保健ケアが手に入らなければ、彼らは新たな危機に直面する可能性があります」とユニセフ事務局長のアンソニー・レークは述べています。

燃料危機で薪への依存が増すことにより、肺炎の急増につながりかねない、室内の空気汚染が増加するとの不安も高まっています。昨年、ネパールでは80万人以上の5歳未満児が肺炎で苦しみ、5,000人が命を失っています。

必要不可欠な物資の輸入を

仮設シェルターで暮らす親子。

© UNICEF/UNI200500/Mathema

仮設シェルターで暮らす親子。

今後2カ月間で、12万5,000人の新生児が特に危険に晒されるとみられています。燃料不足の影響は、国内全土における救急車の出動にまで及んでおり、病院や保健センターでの出産が減少しています。また、暖をとるための燃料の不足は、体温調節が十分にできない新生児たちの肺炎や命の危険の増加にもつながります。

「この国の子どもたちや家族が直面する苦境は、日を追うごとに深刻化しています。そして冬の間、状況は更に悪化する可能性があります」と、ユニセフ南アジア地域事務所代表のカリン・フルショフが語ります。「子どもたちは病気や寒さ、飢えから守られなくてはいけません。ユニセフはすべての当事者に、ネパールへの必要不可欠な物資の輸入に関する規制への対応を求めています。一刻の猶予も残されていません」

 

 


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