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日本ユニセフ協会
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厳しい冬を乗り越えるために
ユニセフ、260万人のシリアの子どもたちへ
衣類や毛布など集中的な越冬支援

【2015年12月7日  アンマン(ヨルダン)発】

紛争で荒廃したシリア国内で残っている、あるいは、難民となって近隣諸国やさらに遠くへ逃れている800万人以上のシリアの子どもたちの元に、厳しい冬がまた忍び寄っています。

忍び寄る厳しい冬

冬用キットを受け取る列に並ぶおじさんを待つ男の子。

© UNICEF/UNI200630/Sanadiki

シリア・ダマスカスの支援物資配給場所で、冬用キットを受け取る列に並ぶおじさんを待つ男の子。

事前の天候予測では、今年の冬は昨年よりも寒さが厳しく、山岳地帯では12月から1月の最も寒い時期には気温がマイナス13度まで下がることもあると予測されています。この数年、平常時においても生きるのが精いっぱいの人々が、嵐や大雪によって、さらに苦しい状況に立たされています。

「いまが、子どもたちにとって特に厳しい季節です」と、ユニセフ中東・北アフリカ地域事務所代表のピーター・サラマは述べます。「寒さの中、子どもたちに呼吸器系疾患のリスクが高まっています。さらに痛ましいことに、暖をとるためにテント内でプラスチックやその他の有毒なものを燃やすことによって、また危険に晒されてしまうのです」

現在も続く紛争によって、シリア国内で300万人以上の子どもが家を追われ、ときには何度も住む場所を変えながら暮らしています。近隣のトルコ、レバノン、ヨルダン、イラク、エジプトには、220万人の子どもが難民として身を寄せています。紛争が始まって5年近くが経過し、多くの家庭では貯蓄が底をつき、必需品のコートやマフラーさえ買うことができなくなっています。

260万人の子どもたちに包括的な支援を実施

雨の中水を汲みに行く子どもたち。

© UNICEF/UNI200625/Sanadiki

ダマスカスで、雨の中水を汲みに行く子どもたち。

今年、ユニセフはシリア国内および周辺地域で暮らす260万人の子どもたちに向けて、包括的な支援を進めています。特に、国内避難民の子どもやアクセスが困難な地域、また非公式な居住地域で暮らす子どもたちなど、最も影響を受けている子どもたちに焦点を当てます。

この支援は、この地域の数百万人の子どもたちに対して継続して実施している、保健、教育、水と衛生、保護などの既存のプログラムに加え、15歳までの子どものいる家庭に物品との引換券や給付金を支給する新しいプログラムで、厳しい冬に耐えるために必要な生活必需品を入手できるよう後押しするものです。

シリア国内では、こうした給付金支援以外にも、最大100万人の子どもを対象に、地元で調達した子ども用の衣類、毛布、学校用のヒーターを配布するなど、冬を越えるための支援が進められています。

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