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日本ユニセフ協会
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世界の子どもたち

東ティモール
農村部のコミュニティに安全な飲み水を
住民全員の協力で持続可能な水の供給を実現

【2016年3月23日  東ティモール発】

東ティモールでは、まだ多くの村で安全な飲み水を確保することができません。サラマタ村では、ユニセフの支援により初めて水道設備が設置され、住民の生活が向上しました。さらに、持続可能な水の供給のため、住民主体で管理が行われ、設備保守にかかる費用も住民によって確保されています。

村に初の水道が

自宅の前で家族と共に笑顔を見せるクラウディオさん

© UNICEF Timor-Leste/2015/Simon Nazer

自宅の前で家族と共に笑顔を見せるクラウディオさん

クラウディオ・ソアレスさん(65歳)は、東ティモールの昔ながらの家の外で、妻、子どもたち、そして孫たちと並んで立っています。サラマタ村の村長を務めるクラウディオさんは、家族全員が共有している一部屋を見せながら「私たちはあまり多くものものを持っていませんが、それでも幸せです。しかも、いまは家の近くで水が手に入るのです」と話します。

クラウディオさんは、彼の村が達成しようとしていることを誇りに感じ、満面の笑みを見せます。「村の水管理グループの代表も務めています。私はそれほど賢くはないかもしれませんが、村の人々は、指揮を執ったり皆で協力して働こうと呼びかけたりする私に、信頼を寄せてくれています」

サラマタ村では現在、年間を通して安全な水を入手できます。村には5つの蛇口があり、近くの学校にも供給されています。しかし、東ティモールの多くの村々では、いまだに安全な飲み水が手に入らず、保健衛生施設へのアクセスも十分ではありません。

コミュニティ主体の水供給

「ユニセフの支援により、『屋外排泄ゼロ』の認定を受けた後、水が得られるようになりました」と、水管理グループのメンバーと共に座りながら、クラウディオさんは言います。「私たちは、清潔さを保つために水を手に入れることが重要だと知っていました。すべての世帯が、それぞれの状況に応じて地元の材料や労働力を提供しました。私たち全員が何らかの形で貢献したのです」

水管理グループは、代表、財務を担当する会計係、水システムの整備を担当する2名の技術者で構成されています。コミュニティが主体となって、水システムを設置し、将来的に管理していけるよう、ユニセフと地元のNGOは全体の工程をサポートしています

グループのメンバーの中央に座っているテレサ・ペレイラさんが自己紹介をします。「私はこのグループの会計係を務めています」と、村人の名前がぎっしりと書かれた手帳を持ちながら話します。「以前はこのような仕事をする能力なんて持っていませんでしたが、研修を受けさせてもらえたのです。会計係の役割について、また各家庭とどのように協力するかを教わりました。その後、私たちは全員でコミュニティのメンバーと面会し、水の供給をどのように管理するか話し合いました」

設備の管理維持費、全世帯で負担

会計帳簿を確認するテレサさん

© UNICEF Timor-Leste/2015/Simon Nazer

会計帳簿を確認するテレサさん

水管理グループはコミュニティをまとめ、給水設備を設置し維持するために必要なことを人々に説明し、コミュニティの一人ひとりから少額のお金を受けとり、必要な財源を確保します。水管理グループのメンバー一人ひとりの中に静かなる決意があり、力を合わせた取り組みが実質的な変化をもたらしていることを、彼ら自身がはっきりと感じているのです。

「貧富にかかわらず、全ての家族が貢献することが重要です」と、各世帯から50セントのお金を集める際に用いる手帳のリストを開きながら、テレサさんが言います。「私たちは集金を記録した帳簿をつくり、信頼を築くためにだれもがそれを見られるようにしています」

「毎月、少額の集金を行う仕組みも備えています」と、リストを指で追いながらテレサさんは話します。「だから、もしパイプが壊れたとしても、早急に直すことができます。34の家族が毎月50セントずつ出し合っています。この資金がなくては、水システムを維持することはできないでしょう」

テレサさんはまた、緊急で現金を必要とする人々に対して、資金が増えるよう少額の利子をつけた融資も行っています。自宅のトイレを改良するためにお金を借りる家族もいます。

いつもきれいな水、村の人々の誇りに

給水施設にて水管理グループのメンバーとともに

© UNICEF Timor-Leste/2015/Simon Nazer

給水施設にて水管理グループのメンバーとともに

研修やコミュニティへの投資は、サラマタ村のような村において、持続可能な水へのアクセスを確保するための重要な方法です。それがなくては、コミュニティ内でシステム維持に必要な能力が存在せず、近い将来、水システムは機能不全に陥るでしょう。

「かつては覆いのない竹のパイプを使って水を運ばなければなりませんでした」と、今度は幼い息子を抱きながらテレサさんは言います。「雨期の間に壊れたり、ほこりや虫などで汚染されたりしたので、そのような水は飲みたくありませんでした。でも今は、いつも水がきれいなのです」

水道が新しくできたことによって、1日に何度も重たい水を運ぶ必要もなくなりました。「水道管は家の近くにあり、以前よりもずっと良くなりました」とテレサさんは話します。「今は水を手に入れるのに5分もかからないのです」

ユニセフと政府の支援によって実現した水管理グループの取り組みは、コミュニティの人々が協力し合うことで、水供給を将来的に整備・維持していけるということを示しています。

そして、サラマタ村はこの上なく誇りに感じているのです。「うれしいです!」とクラウディオさんは笑います。「私たち皆が協力します。全員が貢献します。それが重要なのです」


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