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日本ユニセフ協会
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初の「世界人道サミット」
5月23~24日 イスタンブールにて開催
ユニセフ、新たな教育支援基金を発表
5年間で38億5千万米ドル、1,360万人を支援

【2016年5月20日  ニューヨーク/イスタンブール(トルコ)発】

授業を受ける生徒たち。(スーダン)

© UNICEF/UNI166535/Noorani

授業を受ける生徒たち。(スーダン)

世界は、第二次世界大戦以来最も人道支援ニーズの高い状況に直面しています。国連の潘 基文事務総長は、国連創設以来70年の歴史の中で初めてとなる「世界人道サミット」をイスタンブールにて開催します。潘 基文氏は、“Agenda for Humanity(人道への課題)”を発表し、人道的苦難を減らすための行動を世界のリーダーたちに呼びかけます。

「世界人道サミット」開催

世界人道サミットにおいて、ユニセフ(国連児童基金)は、

  • 緊急事態下に置かれた子どもたちに学ぶ機会を提供する新しい基金『Education Cannot Wait』を発表します。世界の学齢期の子どもの4分の1に相当する4億6,200万人が、現在危機に直面している国々で暮らしています。中でも、世界の人道危機下に置かれている幼児から高校生(3歳~18歳)の6人にひとり(7,500万人)は、切実に教育支援を必要としています。この基金は、まずは5年間で38億5,000万米ドルの資金を集め、教育支援を必要とする1,360万人の子どもに手を差しのべることを目指し、2030年までに7,500万人への支援へつなげていきます。
  • 学校や病院において、子どもたちが確実に守られ、安全に過ごせるようにするための行動を呼びかけます。

近年の状況から、毎日平均4つの学校または病院が、武装グループに攻撃されていると推定されます。政府をはじめ紛争当事者は、国際人道法ならびに国際人権法を順守し、ただちに学校や病院を保護しなければなりません。また、各国は『Safe Schools Declaration(安全な学校宣言)』に署名するべきです。

  • 世界が人道支援に対応するための十分な資金援助をしないことで子どもたちが苦しむ事態を終わらせるため、国連事務総長が進める新たな合意の形成に協力しています。ユニセフが2016年に必要とする世界の人道支援資金のうち、確保できているのはその4分の1にすぎません。

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緊急時下の教育の現状

マラカルの文民保護区にある破壊された学校の椅子に座る子どもたち。(南スーダン)

© UNICEF/UN018992/George

マラカルの文民保護区にある破壊された学校の椅子に座る子どもたち。(南スーダン)

  • 4億6,200万人の学齢期(3歳から18歳まで)の子どもが、危機の影響を受けている35カ国で暮らしている。
  • 難民の子どもたちは、難民ではない子どもたちに比べ、学校へ行けないリスクが5倍高い。
  • 難民の子どもの初等教育就学率は50%にすぎず、中等教育を受けられる割合は25%以下とさらに低い。
  • 紛争下において、女の子は特に不利に状況に置かれる。
  • 紛争地域の女の子が学校に通えないリスクは、他地域の女の子の2.5倍高い。
  • 中等教育に進学できないリスクは、紛争地域の女の子の方が他地域の女の子より90%多い。
  • シリア国内では学校が攻撃され、大量の難民を受け入れている周辺国ではその数に対応しきれず、現在280万人のシリアの子どもたちが学校に通うことができていない。
  • ナイジェリア、チャド、カメルーン、ニジェールでは、1年以上にわたって、治安の悪化や攻撃によって67万人が学校に通えておらず、特に女の子たちが深刻な影響を受けている。
  • ネパールでは、5,000校が損壊した地震後、子どもたちが人生を立て直そうとしている。
  • エボラの流行で数カ月にわたって学校が閉鎖されていたギニア、リベリア、シエラレオネでは、500万人の子どもたちが学校に戻ることができた。

ユニセフは、人道危機下にある子どもたちすべてが、公式であれ非公式であれ、教育を受ける機会を得ることを目指している。2015年にユニセフが支援した人道危機下の子どもたちのうち、70%(753万7,375人)が基礎教育を受けることができるようになった。支援できた子どもの割合は、2013年の59%から徐々に増加している。

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