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日本ユニセフ協会
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ナイジェリアと周辺国
ポリオ拡大を食い止めるために
子ども4,100万人にポリオ予防接種
栄養不良の診断と治療も同時実施

【2016年10月11日  ダカール(セネガル)発】

ナイジェリア北東部で発生しているポリオを食い止めるために、チャド湖畔一帯で 4,100万人の子どもたちを対象にポリオ予防接種を実施する大規模な保健キャンペーンが実施されています。

子ども4,100万人にポリオの予防接種

ボルノ州の避難民キャンプでポリオの予防接種を受け、ユニセフの保健員にマーカーで印をつけてもらうアジェダちゃん(6カ月)。(ナイジェリア・ボルノ州 2016年8月15日撮影)

© UNICEF/UN028224/Esiebo

ボルノ州の避難民キャンプでポリオの予防接種を受け、ユニセフの保健員にマーカーで印をつけてもらうアジェダちゃん(6カ月)。(ナイジェリア・ボルノ州 2016年8月15日撮影)

ナイジェリア北東部で勃発している紛争から逃れるために、人々はチャド湖畔一帯に移動しており、ポリオウィルスが国境を越えて広がる可能性が懸念されています。ナイジェリア及び周辺国のチャド、ニジェール、カメルーン、中央アフリカの5カ国では、ポリオ発生リスクが高い地域において5回にわたる組織的なポリオ予防接種キャンペーンを実施しており、約3万9,000人の保健員が活動しています。ユニセフは、ワクチンの調達と、メディアや草の根での啓発活動を通じた地域参加の促進をおこなっています。

「2年間確認されていなかったポリオの 再発生は、すでに危機に瀕しているこの地域にとっては深刻な問題です」とユニセフ西部・中部アフリカ地域事務 所代表のマヌエル・フォンテーヌは語りました。「私たちの対応の規模は事態の緊急性を物語っています-決してポリオを流行させてはいけないのです」

400万人が危機下に

紛争によって、今や260万人が避難を強いられており、保健サービスシステムも破壊され、さらには、ナイジェリア北東部で暮らす400万人が危機的な食糧不足に陥っています。最も影響を受けているナイジェリアの3つの州では、今年だけで40万人の子どもが重度の急性栄養不良になると考えられています。

ボルノ州で活動するポリオ予防接種チームは、 同時に栄養不良診断も実施し、5歳未満の深刻な急性栄養不良の子どもたちを発見し、治療プログラムを受けさせています。初回の訪問診断の結果では、高い確率で重度の急性栄養不良児が確認されました。

「子どもたちは命を落としています。そして私たちが緊急に対応しなければさらに多くの幼い命が失われます」と、フォンテーヌは言います。「ポリオ予防接種キャンペーンの実施により、より多くの子どもたちをポリオから守ると同時に、治療の必要な栄養不良の子どもたちに手を差し伸べることができるのです」

このポリオ予防接種キャンペーンの第3回目は、10月15日~18日に実施される予定で、その後11月と12月にも実施が予定されています。予防接種キャンペーンは、ユニセフのほか、世界保健機関(WHO)、ロータリー・インターナショナル、米国疾病管理予防センター、及びビル&メリンダ・ゲイツ財団などの支援を受け、各政府が実施しています。

治安上の問題と深刻な資金難

ユニセフは、この危機に対応するため規模を拡大して、ポリオ予防接種キャンペーンと栄養不良の診断の複合的な支援を展開しています。しかし、その活動は、特にナイジェリアのボルノ州地域での治安上の問題と資金不足により困難に直面しています。ユニセフが緊急支援活動を実施するために必要とする資金1億5,800万米ドルのうち、これまでに確保されているのは5,040万米ドルに留まっています。

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