メニューをスキップ
日本ユニセフ協会
HOME > ニュースバックナンバー2016年 >

イラク・モスル
命を守る水を
ユニセフ、前線の町で支援活動を展開
緊急予防接種や心理社会的ケアも準備

【2016年10月20日  アルビル(イラク)発】

今週、ユニセフ(国連児童基金)は、モスルのすぐ南側に位置し数日前にイラクの治安部隊により奪還されたばかりの町アル・ホウド(Al Houd)に入り、紛争で身動きが取れなくなっていた何千もの家族に安全な水を届けることができました。

IS支配地域から避難民キャンプへ

デバガ避難民キャンプで緊急支援物資を受け取る親子。(10月15日撮影)

© UNICEF/UN036077/Mackenzie

デバガ避難民キャンプで緊急支援物資を受け取る親子(10月15日撮影)。

「これは、1週間にわたり、イラク全土を襲った悲惨な紛争の被害者である3,000人の子どもたちとその家族の生活を支えることができたということです」とユニセフ・イラク事務所代表のピーター・ホーキンスは語りました。「少ない人数だと思われるかもしれませんが、すでに多大な苦難を強いられてきた子どもたちとその家族に、1週間の休息を与えることができるものなのです」

ゼイナブさんはイラクの治安部隊が入る2日前に4人の娘たちを連れてアル・ホウドから逃げてきました。彼女と彼女の家族は、この2年間IS(「イスラム国」)の支配のもとで暮らしてきました。安全な水や衛生サービスが得られるかどうかが、彼女が避難民キャンプで暮らすか村に戻るかを左右します。

「私は家に帰って、家族と一緒にいたい。子どもたちを学校に通わせて、家族の着るものもほしい」とゼイナブさんは言います。

ISが村を支配下に置いたとき、彼らはゼイナブさんの家を事務所として占拠しました。この2年間、彼女と子どもたちは親戚の家に身を寄せていましたが、彼女は常に不安を感じていました。

「私たちはいつも恐怖に怯え、空腹を抱え、困窮していました。 私は、彼らが他の村々でしたように、私の4人の娘たちも連れて行ってしまうのではないかと心配でした」と言いながら幼い娘たちを守るように抱きました。

「息子はまだ6歳なので、連れては行かれませんでした。でも、もう少し大きい男の子たちは、兵士として、また諜報員としての訓練を受けさせるために連れて行かれました」と彼女は 話しました。

求められる今後の支援

ユニセフは、モスルでの危機への対応として、水と衛生の支援を行うと同時に、最も支援を必要としている子どもたちに対応するための緊急予防接種及び心理社会的ケアのチームを待機させています。また、紛争から逃れてきた人たちのための緊急のキャンプ内に、子どもにやさしい空間を設置する予定です。

「多くの子どもたちはショック状態にあります。 彼らが今必要としているのは安心して遊び、学び、将来に希望を持つことができる空間なのです」(ホーキンス代表)

過去数週間、アル・ホウドの子どもたちとその家族の多くは、不衛生な川の水を飲まなければならなかったために病気に罹っています。

ひどい悪路と大量の埃で曇る視界の中、そして戦闘の前線に近接する地域であるにも関わらず、ユニセフはパートナー団体とともに、1,500世帯が1週間十分にしのげるだけのボトル入りの水や、バケツ、石けん、洗剤などが入った衛生キットを届けました。今後アル・ホウドの人々のニーズを調査し、町の長期的な支援に向けて動いていきます。

そして、ユニセフは、最も必要な人たちに、毎日、毎週、きれいな水、シャワーやトイレを届けていきます。何週間にもわたって支援物資を準備してきたことで、ユニセフは、必要とする子どもたちや家族たちがどこにいようとも、こうした命を守る支援を届けられるのです。

シェアする


トップページへ先頭に戻る