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日本ユニセフ協会
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ウクライナ東部
3年間の恐怖と不安の日々
子ども20万人がトラウマを抱える
忘れられた危機、長期支援のための資金不足

【2017年4月7日  キエフ(ウクライナ)/ジュネーブ発】

断続的な戦闘状態にあるウクライナ東部に暮らす子どもたちは、3年間以上にわたって暴力の中での生活を強いられ、4人に1人にあたる20万人がトラウマを抱えており、早急かつ持続的な心理社会的ケアを必要としています。

3年間の恐怖と不安の日々

学校で砲撃時の避難訓練を行う子どもたち(ウクライナ・ドネツク州)2017年2月13日撮影

©UNICEF/UN053119/Zmey

学校で砲撃時の避難訓練を行う子どもたち(ウクライナ・ドネツク州)2017年2月13日撮影

危機的に支援を必要としている20万人の子どもたちは、ウクライナ東部で最も戦闘が激しいドネツク州とルハンスク州の、政府管理下にある地域と反政府勢力が支配する地域を隔てる「境界線」から15キロメートル圏内に暮らしています。

「ウクライナ東部の見えない危機は、世界から忘れ去られています。しかし、何十万人もの子どもたちに大きな負担を強いており、適切なケアを得られなければ生涯癒されることのない傷を抱えることになるのです。このようなトラウマを抱えた子どもたちを支援するための資金が、緊急に必要です」とユニセフ(国連児童基金)・ウクライナ事務所代表のジオバンナ・バルベリスは述べています。

この「境界線」に最も近い地域で暮らす子どもたちは、断続的な砲撃やいつ起こるかわからない戦闘、地雷や不発弾などの脅威に晒され、常に恐怖と不安を抱えて生活しています。多くの子どもたちは教育を受けるために命を危険に晒しています。最近の暴力の激化により、2017年2月と3月だけでも7校の学校が損傷し、2014年の紛争開始から損傷あるいは破壊された学校は740校にのぼり、ウクライナ東部の5校に1校の割合を占めています。

親、教師、学校長やカウンセラーは、3歳の幼い子どもを含む子どもたちの著しい行動の変化を報告しています。症状には、重度の不安、おねしょ、悪夢、攻撃的な行動、家族や地域からの引きこもりなどを含みます。

ウクライナ東部で持続的な心理社会的なケアを必要とする20万人の子どもの大多数は、適切な支援を受けていません。支援は限界で、資金も不足しています。支援に関わるソーシャルワーカー、カウンセラーや特別の研修を受けた教師たちは、昼夜問わず働いています。しかし、紛争が長引くなか、子どもたちが必要とするケアを提供するためには追加の投資が必要です。

忘れられた危機、長期支援のための資金不足

ユニセフが支援する青少年のためのクラブで、アートセラピーを受ける子どもたち(ウクライナ・マリウポリ)2017年4月4日撮影

©UNICEF/UN058415/Abalmasova

ユニセフが支援する青少年のためのクラブで、アートセラピーを受ける子どもたち(ウクライナ・マリウポリ)2017年4月4日撮影

ユニセフは、ウクライナ東部の紛争の影響を受ける子どもたちとその家族の支援のために3,120万米ドルの資金を必要としています。この金額には子どもたちの保護と心理社会的ケアに充てる550万米ドルが含まれます。これまでにユニセフが受け取った支援は、必要額の3分の1にも満たず、特に子どもの保護については圧倒的に資金が不足しています。

「子どもたちは彼らが引き起こしたのではない紛争によって、傷つけられた心を抱えて生きるべきではありません。ドネツク州とルハンスク州の子どもたちが、健全なおとなに成長し地域の再建を担えるようになるために、さらなる支援が必要なのです」とバルベリスは言います。「子どもたちとその家族は、平和を今すぐ必要としています。私たちは、すべての紛争当事者に対して、ミンスクで署名した停戦の実行を改めて約束し、この無分別な暴力を終わらせるよう求めます」

昨年、ユニセフは地域の保護センター、移動診療チーム、教師やカウンセラーへの支援を通じて、約20万人の子どもたちに対して心理社会ケアを提供しました。しかし、長期ケアの必要性が高まり、既存の資金では追いつかない状況になっています。


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