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日本ユニセフ協会
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コンゴ民主共和国
カサイ地域の暴力激化で
子ども40万人が急性栄養不良の危機に

【2017年5月24日  キンシャサ(コンゴ民主共和国)発】

ユニセフ(国連児童基金)は、コンゴ民主共和国のカサイ地域における危機が子どもたちの命を守る活動を大きく妨げ、推定40万人の子どもたちが重度の急性栄養不良に陥るリスクがある、と警鐘を鳴らしました。

医療サービスの機会を奪われる子どもたち

病院で栄養不良の治療を受ける子ども(コンゴ民主共和国)2017年5月20日撮影

© UNICEF/UN064905/

病院で栄養不良の治療を受ける子ども(コンゴ民主共和国)2017年5月20日撮影

カサイ地域の5つの州では、暴力の激化により、重要な保健インフラがもはや機能していません。中央カサイ州に限っても、3分の1以上の保健センターが、略奪やスタッフの安全面における懸念、また医療用品の不足により閉鎖を強いられました。子どもたちは、保健センターで重要な医療サービスを受け、薬を得る機会を奪われています。

「この子どもたちは国内で最も脆弱な立場にあり、基本的サービスへのアクセスが早急に得られなければ、大きな危機に直面することとなります」ユニセフ西部・中部アフリカ地域事務所代表のマリー・ピエール・ポワリエは言いました。「適切な保健医療サービスを受けられず、食料や安全な水へのアクセスがなければ、数百ないし数千もの子どもたちの命は危険に晒されます」

情勢の不安定さから地元の人々は農業を行うことが難しくなり、特に子どもの栄養状態が懸念されています。カサイ地域の8つの保健区域では、2016年8月の衝突激化以来、栄養状態が危機的なものとなっています。食料や生活必需品の供給が次第に減るとともに、避難によって、衛生環境が整っていない場所で暮らすことを強いられています。

カサイ地域は、今回の暴力激化以前より、コンゴ民主共和国の中でもっとも貧しい地域であり、10人に1人以上の子どもたちが、適切な保健ケアを受けられないために5歳未満で亡くなっています。また、約半数の子どもたちが慢性的な栄養不良や発育阻害(スタンティング)の状態に陥っています。ここ数カ月の間に衝突が地域中に広がり、状況は悪化しています。

「今後数週間における優先事項は、保健センターの閉鎖によりケアを受けられなくなった、重度の栄養不良状態に陥っている何千という子どもたちに支援の手を差し伸べることです。」とユニセフ・ コンゴ民主共和国事務所代表代理のタジュディーン・オイウェイル(Tajudeen Oyewale)は語りました。「しかしながら、これらの遠隔地における不安定な情勢は、私たちの活動を大変厳しいものにしています」

ユニセフは、カサイ地域の5つの州における人道支援を強化しています。栄養センターで数千人の子どもたちに治療食を提供し、重度の急性栄養不良に苦しむ子どもたちを判別できるように、数百人のコミュニティワーカーへの研修を行っています。

カサイ地域における緊急支援活動にユニセフが必要としている資金は4,020万米ドルです。

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