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日本ユニセフ協会
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シリア危機/レバノン
クルーニー夫妻の基金がユニセフと協力 シリア難民の子どもへの教育支援
「失われた世代をつくらないために」

【2017年7月31日  ニューヨーク発】

ジョージとアマル・クルーニー夫妻が2016年に設立した「The Clooney Foundation for Justice(仮訳:正義のためのクルーニー基金)」は本日、レバノンに暮らすシリア難民に対する公式教育を支援するために、225万米ドルを拠出し、ユニセフ(国連児童基金)とパートナーシップを組むことを発表しました。この支援には、Googleからの寛大な寄付およびHPからの技術的な支援100万米ドルが含まれます。ユニセフとのパートナーシップは、現在学校に通っていない難民の子どもたち(今年の対象は3,000人近く)に必要不可欠な教育の機会を提供するため公立学校7校を支援します。また、これらの学校で試験的におこなう、難民の子どもたちとレバノンの若者たちの学習成果を向上させるための技術的ツールの支援をしていきます。

「失われた世代をつくらないために」

On 7 December 2013 in Lebanon, Aliya, 7, completes homework in the tent she shares with 16 family members, in an informal tented settlement for Syrian refugees in Dalhamieh, a small village in the Bekaa Valley. Aliya and her brother Ali are the youngest children of a large family, spanning her father’s three marriages. Most of her siblings fled from their village in Idlib Governorate two years earlier, while Aliya and Ali remained with their parents in Lebanon. The area where they lived was regularly affected by violence. “There were many missiles and rockets,” Aliya recalled. “Every day they would fall on us. I was afraid. My brother and I would go hide in my room.” About one year ago, their home was shelled in an attack that killed their mother and father. Neighbours then called the children’s oldest brother, Abu-Thamer, to return to the Syrian Arab Republic for his siblings. “Ali did not speak at all until we got to Lebanon,” he said. The transition to life away from home has also been difficult for Aliya. “I was surprised when I first saw the tent here, I thought, ‘My God, how can everyone stand this?’ … but when I thought of the bombing back home, I said to myself that this is better.” Aliya had been attending a tented school, but it was recently closed due to inclement weather. “The tent … does not keep water out. It was closed so we don’t get sick. They didn’t tell us when it will open again, but I want it to because I want to learn.” As the Syrian crisis enters its fourth year, needs are escalating at an increasingly urgent pace, with children bearing the greatest toll. Since March 2011, over 7,000 children have lost their lives in the violence, while hundreds of thousands have been wounded, some of whom must now live with life-long disabilities caused by their injuries. By mid-December 2013, the conflict had left 6.5 million people displaced internally. They are among 9.3 million people inside the country in need of hu

© UNICEF/UNI156405/Noorani

難民キャンプのテントで、宿題をする7歳の女の子。

「何千人もの若いシリア難民が危機に晒されています。その危機とは、彼らが社会の生産的な役割を生涯担うことが出来ないというものです。公式教育はそれを変えることができます。それがこのイニシアティブの目標です。私たちは、子どもたちがたまたま運悪く生まれてくる時と場所を誤ったために、失われた世代になってしまう事態を避けたいのです」とジョージとアマル・クルーニー夫妻は述べました。

シリア難民危機は、第二次大戦以降、世界最大の人道危機としてあり続けています。レバノンは、人口一人当たりに換算すると、世界で最も多くの難民を受け入れている国で、特に100万人以上のシリア難民の流入による影響を受けています。この難民の波は、この国の資源を疲弊させ、難民の子どもとレバノン人の生徒の双方に影響を及ぼしています。

クルーニー夫妻の基金がユニセフと協力

本日の発表を受けて、レバノン教育大臣マルワン・ハマデ(Marwan Hamade)氏は「レバノン政府は、クルーニー夫妻のリーダーシップと正義のためのクルーニー基金に心から感謝しています。レバノンに暮らすすべての子どもたちに無償教育を提供すべく、より多くの公立学校を開放しようとする私たちの努力に対して、クルーニー基金から支援を頂けることになり大変嬉しく思っております。私たちはまた、同基金とそのパートナー団体と協力して、全ての教室で革新的な技術を前進させることを楽しみにしています。子ども一人ひとりが、教育を受け、新しい方法で学ぶことで、彼らの人生は良い方向に変化するのです。つまりこの支援は、レバノンの未来の世代のための重要な投資なのです」

正義のためのクルーニー基金のイニシアティブは、資金面と技術面の支援を融合させたもので、学校に通っていないレバノン人とシリア難民の子どもたち双方のための教育の機会を改善します。

「子どもたちが教育を受けられず、彼らの持っている可能性を最大限に発揮する支援を受けられなければ、彼らは将来どうやって働き手や指導者となって彼らの国を支えられるのでしょうか?」とユニセフ事務局長アンソニー・レークは述べました。「ユニセフとパートナー団体がシリア紛争の影響を受けるすべての子どもたちに教育を提供するために行っている活動を支援することで、正義のためのクルーニー基金は子ども一人ひとりの未来に投資するだけでなく、地域全体の未来にも投資することになります。ユニセフはこの大変重要な資金援助に深く感謝しています」

教育を受けたことのない子どもたち

レバノンに暮らすシリア難民の子ども20万人近くが学校に通っていません。彼らの人生は、暴力、避難生活や機会の喪失に見舞われており、多くが一度も公式教育を受けたことがありません。子どもたちが教育の機会を奪われ、日常を取り戻すことが出来なければ、彼らは失われた世代になってしまう危険があります。子どもたちが健全に育つために必要な経験を提供しようとする私たちの活動に対して、同基金は支援を約束しました。ユニセフはこの地域で危機が発生してから、地域全域でパートナー団体と協力して、子どもたちへの支援を優先させるべく活動してきました。さらに、緊急支援や子どもにやさしい空間を含む必要不可欠なサービスの提供に加えて、ユニセフとパートナー団体は、教育、カウンセリングや社会的インクルージョンなど、シリアの難民の子どもたちの長期的ニーズに応える活動を先導してきました。

「シリアの修羅場を逃れてきた最も弱い立場にある犠牲者たちを失望させないようにしなければなりません。難民の子どもたちが、このイニシアティブを通じて学校に通い、より平和で公正な世界、願わくば、この甚大な犯罪の責任を負う人々にその罪を償わせる世界、の構築に貢献する機会を得られるようになることを、私たちは望んでいます」と正義のためのクルーニー基金の執行役員(Executive Director)であり元国連大使デビッド・プレスマン氏は述べました。

 

■『The Clooney Foundation for Justice』について

The Clooney Foundation for Justiceは、世界中の裁判所、コミュニティおよび教室において、正義を促進することを目的に、ジョージとアマル・クルーニー夫妻より2016年に設立されました。

この基金の詳細については、こちらをご覧ください。

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