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日本ユニセフ協会
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8月19日は『世界人道デー』 子どもの4人に1人が
人道危機の影響下の国に

【2017年8月18日  東京発】

いま、紛争や災害など人道危機の影響を受ける国や地域で暮らしている子どもは、およそ5億3,500万人。それは世界の子どもの4人に1人に相当します。2016年、ユニセフ(国連児童基金)は108カ国で、344の人道危機に対応しました。1年間に人道支援を実施した国の数、危機の数ともに、こうした統計を記録し始めた2005年以降で最も多い数となりました。

紛争、飢餓、感染症‥何重もの人道危機

仮設の家の前に立つ姉妹。家族は、水と食料を求め故郷からの避難を強いられた。(ソマリア・ブラオ)2017年3月撮影

© UNICEF/UN057354/Holt

仮設の家の前に立つ姉妹。家族は、水と食料を求め故郷からの避難を強いられた。(ソマリア・ブラオ)2017年3月撮影

深刻な食糧不足に陥っているソマリア、南スーダン、ナイジェリア北東部およびイエメンでは、今年、140万人近くの子どもたちが差し迫った死の危険に晒され、500万人以上の子どもが栄養不良の状態に陥る危険があります。紛争によって人々の生活を支える社会サービスが崩壊した結果、イエメン全土で50万件におよぶコレラの感染疑いが報告され、南スーダンでは72%もの子どもたちが学校に通うことができないなど、子どもたちを含む一般市民は何重もの人道危機に直面しています。こうした状況に対し、ユニセフなどの国連機関やNGOを含めた人道支援従事者は、この4カ国で、毎月、少なくとも1,000万人に対して、命を守る支援を届けています。

一方で、過去20年間に、4千人を超える人道支援従事者がその活動の中で攻撃を受けました。2016年だけでも、南スーダンやシリアといった紛争下の国々等で、91人が命を落とし、88人が負傷しました。

仮設の家の前に立つ姉妹。家族は、水と食料を求め故郷からの避難を強いられた。(ソマリア・ブラオ)2017年3月撮影

© UNICEF/UN073958/Clarke for UNOCHA

紛争で破壊された建物の前で、タイヤで遊ぶ男の子。 (イエメン・サアダ)2017年4月撮影

『世界人道デー』は、2003年8月19日にイラクの首都バクダッドの国連事務所が攻撃され、人道支援に従事するスタッフ22人が命を落とした事件を受けて、2008年に国連総会で定められました。以来、この日には、国連や国際NGO等が中心となって、世界各地の紛争や災害によって命の危険に脅かされ、困難な生活を強いられている人々の状況に目を向けるよう呼びかけるとともに、そうした人々に寄り添い、ときに危険と隣り合わせの中で支援活動に携わる人道支援従事者の安全の確保を訴えています。

* * *

 

■『人道支援活動ハイライト(Humanitarian Action Study)』2016年版について

ユニセフの人道支援活動を要約する『人道支援活動ハイライト(Humanitarian Action Study)』の2016年版が公開されました。

同ハイライトで報告されている2016年のユニセフの人道支援活動の概要は以下の通りです:

  • 2,900万人近くの人々に安全な水を提供(目標対象の95%)
  • 5歳未満の重度の急性栄養不良児240万人に治療を提供(目標対象の72%)
  • 300万人の子どもが心理社会的ケアを提供(目標対象の71%)
  • 6カ月から15歳の子ども2,400万人以上が、はしかの予防接種を提供(目標対象の72%)
  • 1,170万人の子どもが、公式・非公式の基本的教育を提供(目標対象の84%)
  • 140万人の子どもに、現金給付型の支援を実施

■先月28日、日本ユニセフ協会とUNICEF東京事務所は、ユニセフの人道支援をテーマにしたシンポジウムを開催しました。その様子は、こちらからご覧いただけます。

■『世界人道デー』に関連するフォトエッセイは、こちらからご覧いただけます。

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