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日本ユニセフ協会

ストーリー

子どもたちの支援報告
「つなぐよ子に」
ムサッデカ/ハドラミ/アビネット編

世界の子どもたちの現状をお伝えし、ご支援をお願いするユニセフのテレビスポット「つなぐよ子に」。テレビスポットで登場した子どもたちと、同じような状況に置かれている世界の子どもたちに対するユニセフの支援活動についてご報告します。

ロヒンギャ難民危機編

ロヒンギャ難民のムサッデカとアティカ

© UNICEF/Video
ロヒンギャ難民のムサッデカとアティカ

11歳のムサッデカは難民キャンプに到着する1カ月前に村を焼かれ、生後10カ月の妹のアティカとともに難民キャンプに到着しましたが、アティカは重度の急性栄養失調に陥っていました。アティカは栄養センターにて治療を受けた結果状況が改善し、その後順調に成長するとともに、再び遊んだり笑ったりするようになりました。

遊ぶムサッデカとアティカ

© UNICEF/UN0148020/Knowles-Coursin
回復し、ムサッデカと元気に遊ぶアティカ

その後もユニセフは難民キャンプでの支援を続けており、子どもたちの状況改善に尽力しています。ユニセフは、一人でも多くの幼い命を守ることを最優先に、 栄養センターや診療所を開設し栄養不良に陥った子どもたちを治療するための栄養治療食の提供を行なっているほか、予防接種の実施や安全な水の提供などの支援活動も継続しております。

ユニセフは2022年1月~6月までに、バングラデシュへ避難した3,077人の重度の急性栄養不良の生後6~59カ月の子どもに、治療を行ないました。

モーリタニア:ハドラミ(栄養不良編)

重度の急性栄養不良に陥ったハドラミ

© UNICEF/UNI178892/Bjogvinsson
重度の急性栄養不良に陥ったハドラミ

9カ月のハドラミは、栄養検査でスタッフが各村を巡回している時、重度の急性栄養不良に陥っていると診断されました。スタッフの手配で150km離れた栄養治療センターにハドラミが到着した時には、衰弱したハドラミは自分で頭を上げることもできず、一日中寝たままでした。

医者と保健員の専門家のチームが栄養治療食や抗生物質を与え、1日あたり100g以上体重が増えるよう注意深くケアをし続けた結果、ハドラミは命の危機から回復することができました。

ハドラミの治療を担当したジャンゴ医師

© UNICEF/UNI178889/Bjogvinsson
ハドラミの治療を担当したジャンゴ医師

ユニセフは、栄養不良を予防するために、コミュニティでの栄養指導や発育観察、微量栄養素の補給などの支援活動を行なっているほか、栄養不良に陥った子どもたちを治療するための栄養治療食の提供や栄養治療センターの運営支援を行なっています。

2021年に、ユニセフは3億3,600万人近くの子どもたちに、発育阻害などを含む栄養不良の症状をを予防するための支援を届けました(UNICEF Annual Report 2021)。

エチオピア:アビネット編

ヘルスポストにやって来たアビネット

© UNICEF/UNI169764/Chute
ヘルスポストにやって来たアビネット

エチオピアの小さな村で一晩中激しい咳と高熱に苦しみ続けたアビネット。息をするのも精一杯で、短く浅い呼吸を1分間に60回も繰り返していました。母親が助けを求めたのは、ジネという地元出身の保健員。

アビネットの母親から容態を聞いて駆けつけ、呼吸数を計って肺炎と判断すると、すぐに薬で治療を始めました。早期に抗生物質で治療すれば、肺炎は簡単に治療することができる病気です。アビネットは治療を始めて1日半で症状が改善し、1週間しないうちに完治しました。

ジネは医者ではありませんが、子どもの命を守る研修を受け、ヘルスポストと呼ばれる簡易診療所を拠点に、同僚と2人で地域の数百世帯の子どもたちの健康を守っています。

保健員のジネから治療の説明を受ける、アビネットの母親

© UNICEF/UNI169767/Clark
保健員のジネから治療の説明を受ける、アビネットの母親

ユニセフの支援によりエチオピア各地で始まったこの保健サービスのしくみは、農村部を中心に大きな成果を上げ、エチオピアの子どもの生存率を格段に引き上げることにつながりました。今では全国のヘルスポストでジネさんのような保健員が、子どもたちの病気の治療や予防、栄養・衛生指導などにあたっています。

ユニセフは、世界各地で医療施設の不足する村々に診療所を開設し、地域の保健員を育成しています。

ボリビア:トキオ編

鉱山で働くトキオ

© UNICEF/Video
ボリビアの鉱山で働くトキオ

ボリビアの11歳の少年トキオは家庭が貧しく、7歳の頃から、毎日、死と隣り合わせの危険な鉱山で働いていました。

しかし、12歳になったトキオは、鉱山ではなく、ユニセフが支援し地元NGOが運営する学習センターに通うようになりました。今では、午前中は学校に通い、午後は補習のための学習センターに通う毎日です。

学習センターは机や学用品、小さな図書館があり、正規の教師が指導してくれます。「むかし働いていた鉱山から少し離れているだけですが、ここは静かで、まるで違う世界です。僕の夢は医者になることです。まだ生物の授業はありませんが、好きな科目は理科です」とトキオは言います。

© UNICEF/Video
笑顔で授業を受けるトキオ

トキオのお父さんは鉱山で亡くなり、お母さんは鉱山の入り口で警備の仕事をして一家を支えています。トキオの一番上の姉が家計を支えているほか、トキオも週末にはレンガを砕く仕事をし、家族の生活を今も支えています。

ユニセフは、危険を伴う過酷な形態の児童労働の撲滅を呼びかけており、そのために必要な子どもの保護の政策/制度づくりや、働きながらも通える非公式の学校の整備などの支援を行なっています。

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ユニセフは、テレビスポットで登場した子どもたちと、同じような状況に置かれている世界の子どもたちに支援を届けるため、日々活動を続けています。

あなたの継続的なご支援が、子どもたちの命と未来を守る力になります。


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【関連ページ】
・ ユニセフ活動報告
・ CMギャラリー「つなぐよ子に」