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ユニセフ協会からのお知らせ

2月6日は世界FGM/C(女性性器切除)根絶の日

【2009年2月5日】

© UNICEF Guinea/2008
ユニセフは、パートナーと協力して、暴力や搾取の犠牲となっている女の子たちのために、医療ケア、カウンセリング、安全な住処を提供するために活動している。

2月6日は、「世界FGM/C(女性性器切除)根絶の日(ゼロ・トレランス・デー)」です。女性性器切除(=female genital mutilation/cutting、以下FGM/C)とは、アフリカをはじめとする国々で行われている女の子や女性の性器の一部を切除してしまう慣習です。健康面で長期的な影響を及ぼすのみならず、心にも深い傷を負わせるFGM/C。毎年、世界中で300万人もの女の子や女性が犠牲になっています。

FGMをはじめ、女性や子どもの健康に影響を与える様々な慣習に起因する問題に取り組むNGO、インター・アフリカン・コミッティー(The Inter-African Committee on Traditional Practices affecting the health of Women and Children —IAC) は、FGMの根絶に向けた国際社会と市民の連携を構築するため、2003年、エチオピアの首都アディスアベバで、「FGM根絶」世界会議を開催。ユニセフをはじめとする国際機関やNGO、各国政府代表や議員、学識経験者、世界の宗教指導者、若者の代表に加え、女性性器切除を処術していた人々などが参加したこの会議は、毎年2月6日を「世界FGM(女性性器切除)根絶の日」とすることを宣言しました。

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ダリタオウ・バーさん(23歳)は、14歳のとき、30歳も年上の男性と結婚しました。彼女は、毎月彼女の家族に仕送りをしてくれるこの夫と暮らすため、アフリカ西部の国ギニアの首都コナクリから、ヨーロッパにやってきました。

ダリタオウさんのような結婚は、ギニアではよく聞かれる話です。多くの親が、経済的に豊かになるために、自分の幼い娘たちを結婚させるのです。

「私は、コナクリで生まれました。父は4人の妻を持ち、20人以上の子どもがいました。私の母は、13歳で結婚したんです。」ダリタオウさんは語ります。

性的な虐待と精神的な虐待

14歳から21歳の間に、ダリタオウさんは3度妊娠しました。しかし、彼女の赤ちゃんが生まれてくることはありませんでした。彼女は虐待を受けていたのです。夫との性交渉を拒否するという選択肢は、彼女にはありませんでした。拒否すれば、彼女はレイプされ、ひどい暴力を受けました。

ダリタオウさんの夫はまた、時には彼女をアフリカへ追い返すと脅し、毎月仕送りをしている自分と別れることを、彼女の家族は決して許さないだろうと脅迫しました。

どうしたらよいのか分からなかったダリタオウさんは、14歳から7年間、故郷と家族から遠く離れた国で、ただただ、こうした肉体的・精神的虐待に耐えるしかありませんでした。

「非常に冷酷なこの夫と一緒にいることで、母の生活を楽にしてあげられるんだと自分に言い聞かせていました。そして、兄をヨーロッパの学校に行かせるために私の仕送りを当てにしている父のことを考えていました。」

「40歳の女性が抱えているようなプレッシャー」を感じていたと、ダリタオウさんは語ります。

女性に対する暴力

ダリタオウさんは、8歳のときに、女性に対する最初の暴力を経験しました。彼女は、ギニアでは一般的な慣習であるFGM/Cの犠牲となったのです。ギニアの約96パーセントの女性がFGMを経験しています。

「私の祖母が、ナイフやその他の器材の入ったかばんを持った女性と一緒に、私を藪の中に連れて行きました。」「彼女たちは、私を地面に押し付けて・・・。とても痛かったです。他の人たちが、私の成人女性への参加を祝っているところで、私は何日も泣き叫びました。そしてこれは、(その後に続く苦しみの)始まりに過ぎませんでした。」

他の女性を助けるために

ダリタオウさんが夫と別れることが出来たのは21歳の時。言うまでもなく、彼女はとうに「子ども時代」を失っていました。彼女は、その時、読み書きができず、母語であるフラニ語以外話すことができませんでした。

しかし、幸運にも、フランスでソーシャルワーカーの女性に助けられたダリタオウさん。この女性に文字を教わり、読み書きが出来るようになりました。

ダリタオウさんは、彼女の人生についての本を書きました。そして、性的暴力の犠牲となっている女性たちを助ける'Association Espoir et combats de femmes'という非政府組織(NGO)を設立しました。

ダリタオウさんの故郷、ギニアのユニセフの現地事務所も、地元のNGOなどと協力して、FGMの他、子どもの人身売買、家庭内暴力などの犠牲になっている子どもたちに、教育を受けさせたり、職業訓練を行っています。

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2月28日(土) 東京でFGM廃絶を訴えるイベントが開催されます

来る2月28日(土)、日本国内で日本ユニセフ協会などとともに長年FGM廃絶を訴えている「FGM廃絶を支援する女たちの会(WAAF)」が、ゼロ・トレランスデーを記念したイベントを開催されます。

<WAAFゼロトレランスデー>
日時: 2009年2月28日 12時開場〜16時
会場: 江東区教育センター/大研修室
入場: 無料

プログラム
12:00 開場(パネル展示をご覧ください)
12:30 FGMとWAAFの活動について(人体模型)
13:00 UNHCR職員・千田悦子さんのお話
「ソマリ難民とFGM - 現場の経験から」
14:30 アフリカダンス
(モカ・エチオピア・ダンスグループ)
15:10 IAC総会報告
16:00 終了

主催:

FGM廃絶を支援する女たちの会
  Women's Action Against FGM, Japan (WAAF)
162-0062 東京都新宿区市谷加賀町2-5-26
電話 03-3235-8266 FAX 03-3235-8267

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