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ユニセフ協会からのお知らせ

子どもの死亡率、足掛け20年で3分の1減少

【2010年9月17日 ニューヨーク発】

© UNICEF/NYHQ2006-0949/Noorani

ユニセフは、9月17日、世界の5歳未満児死亡率の最新の推計値を発表。5歳の誕生日を迎えることなく命を落とす子どもの数が、2009年も引き続き減少していたことを発表しました。

この推計によると、5歳未満児の死亡数は、1990年時点で年間1240万人でしたが、2009年には年間810万人に削減されていました。すなわち、1990年時点で出生1,000人あたり89人であった5歳未満児死亡率が、2009年には出生1,000人あたり60人となり、5歳未満児の死亡数は、1990年と比較して約3分の1低下したことになります。

1990年時点と比較すると、5歳未満児の死亡数が、1日あたり1万2,000人削減されたことになります。

しかしながら、予防できたにもかかわらず命を落とす子どもたちがいるという悲劇は続いています。いまだに、毎日、約2万2,000人の5歳未満の子どもたちが命を落としていますが、こうした死亡の約7割は、子どもたちが1歳の誕生日を迎える前に起きているのです。

5歳未満児の死亡は、数ヵ国に集中して発生しています。2009年現在、世界の5歳未満児死亡の約半数が、インド、ナイジェリア、コンゴ民主共和国、パキスタン、中国の、わずか5ヵ国で発生しているのです。

また、サハラ以南のアフリカは、引き続き5歳未満児の死亡率が最も高い地域です。この地域で、5歳の誕生日を迎える前に命を落とす子どもの割合は8人に1人。これは、先進工業国の平均(167人に1人)と比べて20倍近い値です。5歳未満児の死亡率が2番目に高い地域は南アジアで、14人に1人が命を落としています。

2000年から2009年の10年間と、それ以前の10年間を比較すると、5歳未満児の死亡率は急速に改善してきていますが、まだ十分ではありません。しかし、特に、サハラ以南のアフリカや南アジア、オセアニア地域の改善の速度は、現状のままでは、2015年までに1990年時点と比較して5歳未満児の死亡を3分の2減少させるというミレニアム開発目標を達成するためには、まだ不十分です。

国連関係機関が参加する子どもの死亡数推計作業部会(IGME)が、2010年の報告書、『子どもの死亡率の推移(Levels & Trends in Child Mortality)』で発表したこの最新の推計値は、国際的医学専門誌『The Lancet』でも紹介されました。

この最新の数値は、様々な学術機関の外部専門家の監督・助言を受けながら、IGMEに参加する数多くの国連機関の協働によってまとめられました。

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