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ユニセフ協会からのお知らせ

アフガニスタン:政府発表の新データに大きな改善は見られるも課題は残る

【2012年6月27日 アフガニスタン発】

© UNICEF/NYHQ2010-0793/Holt
ヘルマンド州にあるモスクの外で行われているインフォーマル教育の授業に参加する女の子たち(2010)。

6月27日に発表された中央統計局の調査(複数指標クラスター調査−MICS)によれば、アフガニスタンの女性と子どもの保健面、教育面、福祉面において飛躍的な改善がみられることが明らかになりました。飲み水へのアクセスが改善され、学校に通う男の子や女の子の割合も向上し、子どもの死亡率も低下しています。

アフガニスタンのMICS調査は、ユニセフのサポートにより中央統計局が実施している全国調査です。ユニセフは、子どもの死亡率、栄養、子どもの保健、水と衛生、リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)、子どもの成長、教育、子どもの保護、HIV/エイズといった、女性と子どもに関する実態を示す特定の指標データを提供しています。調査データはアフガニスタン全土の34の州全てから集められました。

「このアフガニスタンのMICS調査は、ミレニアム開発目標のようにアフガニスタン政府が約束してきたゴールや目標に関する進捗を監視する、アフガン政府の取り組みの一環です」中央統計局長のアブドゥル・ラマン・ガフール局長はこう語ります。

とはいうものの、女性の識字率、予防接種ワクチンの普及、早期出産、教育におけるジェンダーの平等といった改善がなかなか進まない分野も多くあります。また、子どもの保護の分野では、児童労働の蔓延、孤児の学校出席率の低さ、しつけとして行われている激しい体罰を含む子どもに対する暴力の高さも懸念されています。

© UNICEF/NYHQ2010-0810/Kate Holt
カンダハールにある保健施設で医師の診断を待つ女性と子どもたち(2010)。

このレポートに含まれる全ての分野に通じていえるのは、回答者の背景属性の違いを理由とした大きな格差が存在するということです。しばしばそれは、家庭の社会経済的状況や地域性によって都市部と地方部に大きな差を生み出しています。女性の教育水準は、女性と子どものほとんど全ての指標に関する、一貫して信頼性のある予測指標となります。女性の教育水準が向上すると、多くの指標も改善します。例えば、教育を受けた女性の子どもの死亡率は、教育を受けていない女性と比べて、低くなっています。

「アフガニスタンのMICS調査は、この国のミレニアム開発目標を期限どおり達成するには、アフガンの女性と子どもの保健や福祉を支援するために、もっと多くのことがなされなければならないということを教えてくれます」ユニセフのアフガニスタン現地事務所のピーター・クローリー代表は、こう語ります。「こうしたデータに注目することで、最も大きな格差を軽減する開発・人道支援活動が、さらに計画的に目標を絞ったものとなるはずです」

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