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財団法人日本ユニセフ協会

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地域のユニセフ協力ネットワークづくり
日本ユニセフ協会佐賀友の会「ユニセフ講演会」開催


1月14日(月・祝)の成人式の日に、日本ユニセフ協会佐賀友の会では2回シリーズで開催したユニセフボランティア講座の第1回目として講演会を行いました。
講師をお願いしました沼崎義夫先生は、元国立仙台病院ウィルスセンター長であり、1989年よりザンビアでの感染症プロジェクトに参加され、1995年からは2000年に帰国されるまで、ザンビア国立大学医学部感染症研究教授として研究活動をされておられました。アフリカの子どもの状況についての理解を深めていただく機会になると思います。
朗らかで率直なお人柄の沼崎義夫先生のお話は大変心打たれるもので、講演後、質問も多く寄せられました。講演要約をご紹介します。

演題「アフリカのエイズの状況と取り組み─子どもの生きる権利とは─」要約

 「エイズ患者の第1号が発見されたのは1981年アメリカ・ロサンゼルスです。それから7年後のカナダ・モントリオールサミットでの、アフリカのエイズ対策を講じなければ大変なことになるという認識を受け、日本も支援を行うことになりました。外務省からの相談を受けた私はその仕事を引き受け、ザンビアにエイズ対策の拠点をつくるために1988年、初めて視察のためにザンビアに行きました。
ザンビアでは大学病院以外、保健所と診療所を兼ねたようなヘルスセンターとよばれる施設ひとつに約10万〜20万人の患者さんが集まってくる状況でした。大人は我慢をしますが、赤ちゃんが熱を出したり呼吸困難になるとヘルスセンターに連れてきます。だから、患者はみんな赤ちゃんです。大学病院では小児科の3割が、母親がエイズで生まれつきエイズに感染している子どもでした。
私達はエイズウイルスがアフリカでどのように拡がっているのかを科学的に把握した上で、効果的な対策を立てる事がアフリカ大陸全体でエイズに苦しむ患者に貢献することだと考え、ザンビア大学医学部の中に日本の支援でウイルス研究所を設置し、その技術を大学病院の医師や技師に指導し、今では現地の方たちの力で調査研究が進められています。
ザンビアはサハラ砂漠の南部に位置する国です。非常に貧しく、食糧不足に苦しんでいました。ザンビアの首都ルサカの人口は100万人で、街の中心部は大都会ですが、車で20分も走れば村になります。またルサカに住む人口の90%、90万人は、コンパウンドと呼ばれる劣悪な生活環境のスラムに住んでいます。
食べ物はトウモロコシの粉を練った「シマ」に、菜っ葉を塩とトマトで煮たものだけ。唯一の蛋白質である魚も買えません。一日の食事は午後2時頃に一度だけ。それも食べられない子が多いため、栄養が不足し、免疫力が低下するため子どもはすぐ病気になります。みんなの体に抵抗力がないので病原体がなくならないのです。子どもはおなかがすいて泣くと「寝ろ!」と言われ、何度も泣くと怒られます。学校に行ってもおなかがすいて泣くと、学校へ来るなと言われてしまうありさまです。
こんな劣悪な状況の中で生き抜いてきたのはアフリカはほとんどが母系社会で、母親の兄弟が共同で責任を持って子どもの面倒を見ていくからです。伯父さんたちが面倒をみるので子ども達が路頭に迷うことがないのです。同時に分かち合うことが社会のルールだからです。稼いだお金はその家族だけのものでなく一族を助けるもの。分け合わないと恨まれ、呪い殺されてしまうこともあります。横取りもよくあります。みんなやっと生きているのです。
しかしながら彼らは昔から、植民地時代を乗り越え、明るく生き続けてきたのは、彼らが「明日」は我々の意思で決まることではなく、スピリット(霊)が決めることであるから、今ある食べ物を分け合うことが、今の幸せであると考えているからです。
ザンビアのきびしい状況を改善するために知恵を出し、資金的協力を行い、その方法を考えていかなくてはなりません。100年後さえも視野が短いと思います。皆さんの協力が「一粒の麦」となり、何世代か後にアフリカにいい社会がくるように、あせらないで、おおらかな気持ちで寛容の精神でご協力いただきたい。お互いに少しでもみんなが幸せになる方法を求めることが国際協力だと思います」

講演会の詳細を知りたい方は佐賀友の会へお問合わせください。
佐賀友の会ではユニセフ協力の輪を広げていくために、活動に協力してくださるボランティアを募集しています。ユニセフや世界の子ども、ボランティア活動に関心がある方はぜひお問合わせください。

日本ユニセフ協会佐賀友の会
 〒840-0200
 佐賀市佐賀郡大和町北原2266 牧方
 TEL 0952-28-2077 FAX 0952-28-2066

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