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財団法人日本ユニセフ協会

めざせ元気なアフリカ!ユニセフinアフリカ

日本人現地スタッフの紹介

神奈川県出身、日本で大学卒業後、英国に渡り大学院修士課程を修了。日本ユニセフ協会の国際協力人材養成プログラムを通じてユニセフ・ブータンとマダガスカル事務所にインターンとして勤務後、JPOとして3年働いた後、ユニセフ職員として現在まで5年間勤務。

 
ある教室の風景

ある教室の風景。
椅子と机が足りず、床に座って勉強しなければならない子どももいます。

2008年3月3日マダガスカル

アフリカ大陸の東、インド洋に浮かぶ、世界で4番目に大きな島国マダガスカル。とても自然豊かな国土で人口約1,800万人が平和に暮らしていますが、全人口の70%は1日1ドル未満での生活を送る貧困層です。毎年の様にサイクロンに見舞われます。近年では、2006年12月から2007年4月の度重なるサイクロンによって、過去50年間でも最大規模の被害を受けました。復興は進んでいるものの、広い国土に援助に十分な援助がいきわたっていません。

復興支援と貧困改善のため、これまでユニセフが注力してきたプログラムは、乳児・幼児の死亡率改善、幼児ならびに初等教育の普及と改善、出生届の推進などです。

マダガスカルの農村部は、貧しい人がその日その日を精一杯生き延びている状況です。一度サイクロンで被害を受ければ、立ち直るにもそのための資金や資源もない農村部ではさらに貧困に陥るという悪循環が、この国の子どもと女性を苛んできました。 政府も国際的援助なくしては、十分な復興ができません。

中でも教育は重要です。子どもと女性は家事や自給自足のための労働を担うだけではなく、初等教育を受けることによって読み書きや生きていくために必要な能力を見につけることができ、自立した社会参加が可能になります。貧困層にある子どもでも学校を卒業できるまで通えば、貧困から抜け出すチャンスをつかめます。女性が読み書き計算を身に付ければ、家計を上手にやりくりして貯蓄を行い豊かな生活を目指すことができます。女性が教育を受けていれば、子どもの健康状態も改善されますし、家庭や社会での発言・参加も拡大するので社会がより平等になりますし、経済も発展することはよく言われていることです。また、人々が基礎教育を受けていれば、サイクロンや自然災害の面でも、予防や対処が以前よりうまくできるので、被害が少なくて済みます。

ある教室の風景2

2007年9月から始まったラジオ授業を楽しそうに聴く子どもたち。

そのために、農村コミュニティーレベルでの教育の大切さの理解が必要です。現在、小学校就学率は90%くらいと言われていますが、退学率がとても高く、10人入学したうちの3人くらいしか5年生の時点では残っていません。政府スタッフが進める初等教育制度を普及し、全ての子どもが最低でも小学校を卒業できるように、現在、ユニセフは欧米諸国の政府支援と協働して、コミュニティーの力を活用した早期教育プログラムや初等教育の更なる普及と質の改善を行って成果を挙げています。

私は最近、政府のラジオ教育番組の制作のサポートを行っています。ラジオによって、これまでマダガスカルではあまり行われてこなかった、「楽しみながらする勉強」を先生や子どもたちに知ってもらい、それによって小学校を終える子どもが増えることを期待しています。ラジオを使うのは、それが農村部にもある、もっとも普及したメディアだからです。

バニラが名産で、稲作も行うマダガスカル。近年では、貴重な鉱物が掘り出され経済もの見通しも次第に明るくなってきています。観光産業も国を潤してきました。アフリカの共通問題であるHIV感染率は1%程度。政治的にも安定しています。

それでもこの国の貧困は深刻なレベルで、ユニセフの支援は欠かせません。子どもが健康に育ち学校を無事に卒業できるようになり、女性の社会参加が拡大すれば、農村レベルから国を発展させていく力が養われるでしょう。
日本からは遠い島国ですが、マダガスカル語はインドネシアやマレー語に近く、アジアにルーツをもつ部族もあり、温厚でシャイな国民気質には日本との共通点もあるように感じます。ぜひとも、マダガスカルを支援するユニセフ活動を、皆様のご支援で継続できるよう引き続きご協力よろしくお願いいたします。

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