(財)日本ユニセフ協会  

エチオピアの3きょうだい

☆エイズで両親を失ったきょうだいがふたたび元気をとりもどすまで☆

エチオピアの東、鉄道の町ディレダワで3人のきょうだいが暮らしています。15歳の女の子マセレット、11歳の男の子ベスフェカッド、3歳の女の子テゼラシュ。製薬工場の守衛をしていた父親は、4年前エイズでなくなりました。母親もそれから2年後に、同じように息を引き取りました。3人は、頼る人も収入もなく、ただそこに残されました。
ディレダワで孤児のための教育センターを開いていたマスレシャが、ものごいをする3人のきょうだいを見つけたのは2年前でした。マスレシャは、彼らが近所の人たちに半強制的に町でものごいをさせられていることを知り、彼らの肉親を探しまわりました。そして、半分血のつながった兄が郊外で妻とくらしていることをつきとめ、3人がそこで一緒にくらせるようにはからいました。
しかし、兄とくらして5カ月、3人のようすはさらに悪くなっていました。兄は安定した仕事がなく、お酒を飲み、しばしば暴力をふるいました。兄の妻は、3人をこき使い、学校にも行かせませんでした。ベスフェカッドは家出し、ディレダワから55kmも離れたハラールの町でお茶売りをさせられているのを発見されました。
その上、兄がむりやりマセレットを結婚させようとしていることを知り、とうとうマスレシャは、彼らを自分の家で生活させることにしました。兄は彼らを連れもどそうとしましたが、3人は拒みました。兄に誘拐されることを恐れて、マセレットは新しい学校が決まるまで、学校にも行けませんでした。
 3人は幸運にもマスレシャのもとで安定した生活を取りもどしつつあります。マセレットは美容師になるための勉強をしています。マスレシャは話します。「エイズで親を失い、学校もやめた子どもたちはたくさんいます。孤児になった子どもは、差別や偏見にもさらされます。すべての子どもを助けたいと思いますが、限界があります。この3人は自分の子どもと一緒に、全力で育てていきます。」

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