(財)日本ユニセフ協会  







◆ 音のない戦争… HIV/エイズとの闘い ◆


エイズ薬 ジンバブエ これまでのエイズによる死者は累計で2300万人にのぼり、この数は2010年までに4500万人になると予測されています。現在、HIVに感染している人は4200万人にのぼっており、2003年だけで新たに500万人がHIVに感染したと推定されています。最も感染者が多いのがサハラ以南のアフリカ地域です。感染者の6〜7割がこの地域に暮らしています。他の地域でも、たとえば、南アジアや東アジアなどでの感染の拡大も懸念されています。今、ここで全力で感染の広がりを食い止めなければ、アフリカと同じ悲劇が繰り返されてしまうと言われています。そして、エイズによって親のひとりまたは両親をなくした子どもは、1400万人います。この数は、今後、現在感染している人びとが発病し、亡くなっていくことを考えると、6年もしないうちに2500万人にまで増えると予測されています。

エイズ薬 ジンバブエ  エイズは「音のない戦争」と呼ばれます。銃声や砲弾の音はしなくても、あるいは、道端で撃たれて死んでいる人や怪我をしている人を見かけなくても、信じられないほどの数の人々が、静かに、隠れるように、この病気で亡くなっているからです。実際、1980年代の中頃からの累積で考えると、エイズで亡くなる人の数は戦争による死亡者の10倍になるとも言われます。そして、この問題が引き起こしている数多くの困難は、戦争と匹敵する、あるいはそれ以上のものです。

 HIV/エイズの問題は、感染、発病/闘病、死亡、と段階を追ってさまざまな問題を引き起こします。たとえば、感染を知らずに拡大させてしまうこと。発病し闘病生活に入ると働けなくなり収入が途絶え、子どもや家族など看病にあたる人の負担が増します。そして、亡くなると、子どもたちは完全に保護者を失い、エイズで死んだ親の子どもとして差別などつらい仕打ちにあい、搾取や虐待の犠牲になってしまったりします。また、働き盛りの年代が大量に亡くなっているため、社会自体が崩壊するといった問題も発生しています。



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