(財)日本ユニセフ協会  







◆ 音のない戦争… HIV/エイズとの闘い ◆


▲上へ戻る 
保護者を失ったエイズ孤児たちの多くが、日々の食事にさえ事欠く状況に追い込まれます。こうした子どもたちが、少なくとも健康に育ち、教育を受けられるような環境づくりが急がれています。
コミュニティを支援する
  孤児たちは、できる限り生まれ育ったコミュニティにとどまって育つのがよい、とユニセフは考えています。親類や祖父母が面倒をみてくれることが望ましく、家族に囲まれて育った子どもは、対人関係など社会的な側面の発達がよく、適応力やアイデンティティも育ちやすいといわれます。
そのため、各国では、家族やコミュニティに対しての幅広い支援活動が実施されています。たとえば、栄養指導や食料支援、教育の機会や職業訓練の提供、基礎保健サービスの提供、学校での給食、コミュニティにおける食糧確保のための支援、等々。また、子どもが世帯主になっている家庭については、コミュニティが定期的にそのようすを見て安全や健康を確保できるようにすすめています。
施設などを支援する
  どうしてもコミュニティで暮らすことができなくなった子どもや、ストリートチルドレンなどについては、施設を支援し、食事を提供したり、教育、カウンセリング、職業訓練などを実施したりしています。


▲上へ戻る 
これからのエイズ拡大を食い止めるためには、当然のことながら、新たな感染をなくす必要があります。現在、新たにHIVに感染する人のおよそ半数以上が15〜24歳の若者達であることを考えると、彼らに対する予防対策の徹底が急務です。
差別、沈黙をなくす
  いろいろなところで、エイズは、悪霊に取り憑かれる奇病だとか、HIVはふしだらで節制のない人間しかかからない特殊な病気といった誤った考えや患者に対する偏見がまかり通っています。それが、HIV/エイズに対して恥ずかしいという思いを助長させ、この問題について話したり、検査を受けたりすることの障害になっています。コミュニティのリーダーや宗教指導者など、影響力をもった人びとと協力し、こうした態度をあらため、差別や沈黙をなくすためのキャンペーンを行ったりしています。
正しい知識を広める
  学校や地域のクラブ活動、若者のグループなど、若者達の手の届くところで、HIV/エイズの知識を広める活動が盛んになっています。若者自身が演劇などを通じて同じ世代の若者にHIV/エイズに関する知識や予防のためのメッセージを伝える活動を行ったり、学校の授業の中にHIV/エイズ教育が位置付けられたり、さまざまな取り組みが実施されています。
予防を徹底させ、特に危険にさらされている子どもたちを守る
  若者たちに、「軽々しくセックスしない」「パートナーはひとりに」「コンドームを使う」といった予防のための原則を浸透させています。感染を疑ったらすぐに検査やカウンセリングを受けられるようにしたり、若者が使いやすい保健サービスを提供したりといった活動もすすめられています。また、ストリートチルドレンや搾取の犠牲になっている子どもなど、もっともHIV感染の危険にさらされている子どもたちにまで支援の手が届くように、努力が続けられています。


▲上へ戻る 
医学の進歩によって、HIVに感染しているお母さんの赤ちゃんも抗レトロウイルス薬などの適当な薬をきちんと投与され、出産や授乳のときに適当な投薬やケアを受けることで、かなり感染の危険を減らせることがわかっています。
妊娠したお母さんが、きちんとした保健サービスを受け、より容易に検査を受け、自身が感染の事実を認識し、安価に薬を手に入れ、赤ちゃんに感染させない方法をきちんと実行できること。赤ちゃんの多くを救う方法はすでに分かっているのです。これらの対策が実現できるような支援が求められており、ユニセフも実施を急いでいます。


▲上へ戻る 
子どもを孤児にしないことは、もちろん重要です。親が1日でも長く子どもの世話をできればそれに越したことはありません。エイズ発病までの速度を抑える効果のある治療薬はすでに開発され、先進工業国では普通に使用されています。HIV感染者でも10年、15年あるいはそれ以上長く生き続けられるようになったのです。もし、感染時に子どもが2,3歳だったとしても、15年を普通に生きられれば、子どもを孤児にしなくてすみます。しかし、開発途上国に暮らす患者にとって、これらの薬は法外に高価なもので、とうてい手に入りません。
最近、ユニセフは、以前からアフリカなどのHIV/エイズ対策に力を入れているクリントン財団や、世界銀行などと協力して、開発途上国が、安価に高品質のエイズ治療薬を手にいれられるようにする取り組みを開始したと発表しました。これが実現すると、これまで貧しくて薬を買えなかった開発途上国の人びとも、今の値段の半分以下で薬を手に入れることができるようになります。薬を飲みつづければ、発病までの時間をかなりのばすことができ、子どもたちをより長く守り続けることができるようになります。


エチオピア:エイズと偏見との闘い
シエラレオネ:気軽に立ち寄り、エイズを学ぶ
ガンビア:「チルドレン・アゲインスト・エイズ」クラブの活躍

www.unicef.or.jp

▲コーナートップへ戻る

(財)日本ユニセフ協会