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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

≪2003年9月10日掲載≫

母親協会が大活躍!:女の子を学校に
<カメルーン>

 首都から1,000キロ。カメルーン北部のマルーアとヌガウンデレの街では「母親協会」が大活躍し、女の子の教育に貢献しています。

 マルーアとヌガウンデレは「子どもに優しい、女の子に優しい学校」イニシアチブに選ばれたパイロット地域(事業が試験的に導入された地域)です。その理由はこの地域の出席率(特に女の子の出席率)が悪いから。一般的に、女の子の教育は、伝統的にそれほど重要視されていないのです。女の子といえば、妻になるか、母親になるのが当然と思われ、初潮が現れると、親たちは娘の結婚を考え始めるのです。それも、本人の意思とは関係なく…。

 ここ5年、ユニセフは女性の教育をこの地域の優先事項として考え、女の子のための基礎教育支援として、公立学校、非公式な教育センター、保育園でいろいろな活動を繰り広げてきました。

 農村部では、コミュニティが建てた教育センターが成功しています。こうした地域では政府系の公立学校はほとんどなく、あったとしても教師が不足しているのです。生徒のほとんどは男の子で、小学校の高学年になると多くの子どもたちが中途退学してしまいます。

 そこで、女の子たちが学校に通いやすく、また、学校を辞めないですむように、生徒の母親を中心とした母親協会が設立されました。

 地元のNGOと地区教育検察官の支援を受けて、母親たちは所得向上プログラムを取り入れながらグループを結成したのです。同じく支援者の地元名士たちは、スクール・センターを建てるために、土地まで提供してくれました。母親たちは基金を作り、週に1度は必ずこの基金に献金するようにし(100CFA=0.34米ドル)、グループの活動資金を捻出しました。この基金は、地元で手に入る材料を使っての教室建設、ベンチ、机、学校の文具などの製作に使われています。

母親たちは夫たちを説得し、このために資金を出させ、グループのために貯金しています。こうすればいろいろな物に投資をして、センターの運営に役立てることができるからです。例えば、この貯金をもとに、羊や牛を買って大きく育て、後で乳を売ったりすることもできます。

この2つの街にはすでに226の母親協会があり、50の公立学校と70の非公式な教育センター、32の保育園を支援しています。ここに通っている生徒の半数は女の子です。おかげで、女の子の中途退学率は、2000年には7.23%だったものが、2002年には4.3%にまで落ちました。

ユニセフの支援は、教師の研修、学校の教科書の提供、学校でのトイレの設置、NGOの活動支援におよんでいます。

今では、母親たち(その多くが文字を読めない)の忍耐強い努力のおかげで、多くの女の子たちが学校に行き、読み書きができるようになりました。そして、早婚も妊娠も少なくなっていることが分かっています。

2003年9月1日 ヤウンデ/カメルーン発<ユニセフ>

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