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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

ジャッキー・チェン ユニセフ親善大使らが、
イベント「チャンピオンズ・フォー・チルドレン(子どものための擁護者)」で
最も弱い立場の子どもたちへの支援を訴える

【2008年8月15日 北京発】

第29回オリンピック競技大会(2008/北京)開会式の一日後、ユニセフ北京事務所が主催したイベント「チャンピオンズ・フォー・チルドレン(子どものための擁護者)」が開かれました。このイベントは、中国にいる最も弱い立場に置かれた子どもたちのためのアドボカシー(政策提言)イベントで、オリンピック選手、芸術家、企業パートナーなどが参加しました。

ジャッキー・チェンユニセフ親善大使と子どもたち。
© UNICEF China/2008/Dean
中国の最も弱い立場の子どもたちの権利擁護を訴えるためのイベント「チャンピオンズ・フォー・チルドレン」に参加するジャッキー・チェンユニセフ親善大使

参加した著名人の中には、ユニセフ親善大使のジャッキー・チェン氏もいました。

「チャンピオンズ・フォー・チルドレン」は、教育を受ける機会やスポーツに参加する機会が平等に与えられていない子どもたち(特に女の子たち)、そしてHIV/エイズと共に生きる子どもたちへの支援を謳ったもの。さらに、中国四川省で起きた大地震の影響を受けた子どもたちへの支援を呼びかけるものでした。

自分たちの体験を述べた子どもたち

「四川省で地震が起きた際、子どもたちにまっさきに支援を送った機関のひとつがユニセフです」とジャッキー・チェン ユニセフ親善大使。「すでに1,200万米ドル(約13億2000万円)以上の支援物資を子どもたちに届けています。」そう言いながら、彼は四川省から招待された子どもたち6人を舞台に上がるよう促し、彼らの体験を話してもらいました。

「地震が襲ったとき、私たちは、音楽の授業を受けていました」とユエン・ジンさん(10歳)。「私たちの教室は、わずか10秒で崩壊しました。あたりは真っ暗。一生懸命、助けを求めて叫びました。幸運にも、一時間後、先生と両親に助け出されました」。

ジョウ・ジエさん(13歳)は、父親をこの地震で失いました。「天国にいるお父さんに、こう言いたいです。心配しないでください、と。先生、クラスの友達、たくさんの優しい人たちが私のことを心配してくれています。私は一生懸命勉強して、母親を助けていきたいと思います」と、彼女は話してくれました。

子どもたちには全員、ユニセフが現地で支援物資として提供しているスクール・バッグが贈られました。そして、ジャッキー・チェン大使が、舞台上でひとりひとりのバッグにサインをしました。同様のスクール・バッグ6万個が、すでに中国大地震の被災地にいる子どもたちに届けられています。

「北京で最高の時間」

ピアノ演奏を披露するランランユニセフ親善大使。
© UNICEF China/2008/Dean
ピアノ演奏を披露するランランユニセフ親善大使。

有名なピアニストでユニセフ親善大使のランラン氏は、このイベントで、2曲のピアノ演奏を披露。この演奏を通して子どもたち一人ひとりの夢が実現することを祈りました。

「北京オリンピックの期間中に開催されるイベント『チャンピオンズ・フォー・チルドレン』への参加要請をユニセフからいただいたとき、とても嬉しく思いました。北京で最高の時間になることが分かっていましたし、ユニセフを支援する素晴らしい機会になるとも思っていましたから」とランラン ユニセフ親善大使。

世界ランキング第2位の女性プロテニスプレーヤーであるセルビアのユニセフ国内親善大使エレナ・ヤンコビッチ氏は、ジェンダーの平等を話に持ち出しました。ユニセフとのパートナーシップのもと、「中国女性連盟」というNGO(非政府組織)が、女の子の平等な機会についてアドボカシー(政策提言)するために立ち上げた新しいメディアキャンペーンを紹介したのです。

「ユニセフは、女の子への差別・偏見をなくすため、人々の行動や態度を変えていくためのプログラムを中国で行っています。そうすることで、女の子たちの夢を実現させようとしているのです」とエレナ・ヤンコビッチ大使。

ヤンコビッチ大使のほかにも、それぞれの分野で優れた業績を挙げている3人の著名な女性たちもイベントに参加しました。中国のトップ女性指揮者、鄭小瑛氏、学者で作家でもある于丹氏、そしてテレビのトークショーの女性司会者 陳魯豫氏の3名です。

すべての子どもたちに平等な機会を

イベント「チャンピオンズ・フォー・チルドレン」は、とある劇で幕を閉じました。ユニセフ北京事務所が一年に一度開催している「子どもとエイズ、夏キャンププログラム」に参加したHIV/エイズと共に生きる8人の子どもたちによる劇です。

子どもたちの中には、片方の親、もしくは両親をエイズで亡くした子どもも含まれています。子どもたちは、この中で、自分たちも他の子どもたちと同じようにスポーツに参加したい、という気持ちを表現しました。劇は素朴なものでしたが、深く重いメッセージを観衆に伝えました。

「差別のない世界・・・それは——HIV/エイズと共に生きる子どもたちも含め——全ての子どもたちが、その才能をフルに開花できるよう、教育、レクレーション、スポーツをする機会を平等に与えることを意味しています」とユニセフ北京事務所のイン・イン・ニュイ代表は言います。