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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

ユニセフ・中国事務所 母乳育児促進キャンペーンをまもなくスタート

ユニセフ・中国事務所は、早ければ来週から中国内でテレビスポットを使った母乳育児促進キャンペーンを実施する予定です。 このキャンペーンに向け、ユニセフ・中国事務所は以下のプレスリリースを発表しました。

【2008年9月24日 中国発】

© UNICEF

ユニセフ・中国事務所とWHO(世界保健機関)の中国事務所は、中国製の粉ミルクの一部に不適切な物質が含まれていたというニュースを非常に残念な気持ちで受け止めています。食品の生産と販売に関わる分野で、人々を欺こうとする行為それ自体許しがたいことですが、特に、弱い立場の乳児と幼い子どもたちが消費する食品が対象となったことは極めて遺憾です。

私たちは、中国の食品安全当局がこの問題を精査し、迅速で断固たる行動をとると確信しています。この事件の調査の後、そして、中国政府が食品の安全性への注意・喚起を高めていることから、乳児や幼い子どもたちのために、より良い食品規制が実施されることを期待しています。

母乳がいかなる人工乳よりも、乳児に与えるミルクとしては優れたものであることに、世界中の保健当局者たちが同意しています。母乳ほど、子どもの成長や脳の発達を促進するのに必要なたんぱく質、炭水化物、脂質を、完璧なる組み合わせで含んだものはありません。母乳ほど、子どもたちを感染症から守るための抗体を含んだものはありません。また、母乳ほど、子どもに安心して与えられるものはありません。母乳ほど、乳児が必要とする栄養分を完全に備え、病気の感染から守ってくれる抗体を含みながら、手ごろに手に入るものはないのです。

赤ちゃんは皆、生まれてから6カ月間、母乳だけで育てるのが理想です(完全母乳育児)。母乳以外の液体や食物、水でさえ、この時期には必要ありません。6カ月を過ぎたら、赤ちゃんには、適切で安全な補完食を与える一方で、少なくとも2歳になるまで母乳を与えるべきです。

仕事をしていて、働いている間赤ちゃんに母乳を与えることができない女性たちは、自分がいなくても赤ちゃんが母乳を飲めるよう、母乳を清潔な容器に搾り、保管しておくことができます。母乳は、常温で、8時間までなら安全に保管できます。仕事から帰った後は、普段どおり、直接赤ちゃんに母乳を与えます。このような工夫をすれば、母親が働いている場合も、また、母親が一時いない間でも、赤ちゃんは母乳を飲み続けることができ、母乳の恩恵にあずかることができます。

母親は皆、妊娠・出産・出産後のケアの際、母乳育児がいかに赤ちゃんと自分にとって重要かの説明を受けるべきであり、母乳が出るよう、そして母乳育児が続けられるよう、訓練を受けた助産師等からの適切なサポートが受けられるようにしなければなりません。医学的な理由、その他の理由から、母乳育児を行えない母親や、出産後しばらくたってから、人工乳を始めたいという母親たちは、資格のある保健員に適切な判断を仰ぎ、人工乳の安全性と(代金を払い続けられるかどうかなどの)費用面についても考慮して判断すべきです。