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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

エチオピア:ユニセフは干ばつの食糧危機にさらされた
子どもと女性の緊急支援を行っています!

【2008年6月24日 エチオピア発】

写真:ユニセフのヒルデ・ヨンソン事務局次長
© UNICEF video
ユニセフのヒルデ・ヨンソン事務局次長は干ばつと食糧危機が 重なったエチオピアを訪問。子どもたちの栄養不良拡大への緊急支援を 世界に要請しました。

2008年6月12日、エチオピア政府は、人道支援団体の協力の下、「人道支援要請2008」の改訂版を発表しました。エチオピア政府の災害防止準備局は、2008年4月以来、緊急人道支援を受けているひとびとは、220万人から460万人に増加したと報告。そのうち、75,000人もの子どもたちが十度で急性の栄養不良で苦しんでいます。エチオピアの食料安全事情は、複雑に要因が絡まり、急速に悪化しています。

干ばつと食糧危機

各地の降雨不足が拡大しており、さらに食料の市場価格が高騰してオロミアと南部諸民族州では、食料安全が不安定になり、多くのひとが極端に困難な食糧事情を強いられています。数千人の子どもたちの栄養状況が、この地域では危機的状況にあり、こうした人道危機の状況は、ソマリなどほかの地域にも拡大しています。子どもたちの保健と栄養状況が悪化しているのです。

こうした干ばつと補給食料などの資源不足、食料価格の高騰が重なり、子どもたちにますます極端な悪影響を及ぼしていると報告されています。栄養と保健、水と衛生分野の緊急対応を拡大しなければならないと、改定された「人道支援要請2008」は記しています。さらに、穀物の収穫は9月を過ぎるまで多くの地域で見込むことができず、向こう2〜3ヶ月でさらに悪化していく懸念があります。

支援要請金額は全体で、およそ3億2,500万米ドル(約347億7,500万円)です。ユニセフは、現在の緊急支援対応のため、2,790万米ドル(約29億8,530万円)を要請しています。また、今後エチオピアのほかの地域で急性の栄養不良が増加する事態に備えて、追加で2,120万米ドル(約22億6,840万円)も必要です。これは、ユニセフの地元当局の対応能力強化や治療用の食料や必須医薬品、水浄化剤と衛生物資などの備蓄のために使用されます。現在、緊急に必要な4,920万米ドル(約52億6,440万円)に対して 、560万米ドル(約5億9,920万円)を受け取っています。

写真:ソマリとオロミアでは急性の重度栄養不良が発生
© UNICEF video
エチオピア政府の緊急調査によると、 ソマリとオロミアでは急性の重度栄養不良が発生。 栄養支援がなければ、危機の拡大が懸念されます。

エチオピア政府と協力団体が実施している緊急の調査によると、ソマリとオロミアでは急性の重度栄養不良が発生。また、他の地域でも今後、適切な緊急に栄養分野での対応が実施されなければ、同様の事態が想定されています。

今月、頼みの降雨がないために、事態は急速に悪化しています。食料価格のインフレが進み、備蓄食料は減少しています。干ばつが家庭の食料安全を直撃しているのです。配給食糧を家庭から買い上げて、インフレ価格で転売するような事態も発生しています。

事態は流動的で、9月まで激しい降雨が振れば、下痢性疾患の大発生も懸念されます。栄養不良レベルも悪化するかもしれません。
急性の水様下痢(重症の下痢性疾患)は、現在のように、安全な水が限られ、衛生環境が悪化しており、予防手段の知識が不足している状況では、発生リスクが高いのです。

はしかの脅威も2008年以後、予防接種キャンペーン未実施の地域で現実のものになっています。今年1月以来、7,145件のはしかが報告され、117名が死亡しました。不十分な予防接種率と出産の増加が感染症の危険性を高めています。とくに、現在のような栄養不良の子どもたちには、はしかの死亡リスクが高くなります。

2007年の経験からみれば、現在の干ばつには、食糧危機が追い討ちをかける危険があります。 ユニセフは人道上、さらに緊急支援を行っていく計画です。 ユニセフの人道支援はこれまで、政府当局と他の国連機関との協力で実施してきました。緊急策として、もっとも支援が必要な子どもたちに備蓄物資を用いて支援しています。 すでに、ユニセフ緊急支援基金から700万米ドル(約7億4,900万円)を借りて、治療的食餌療法をスタートさせました。さらに、エチオピアの緊急対応のための寄付として560万米ドル(約6億円)を受け取っています。

今後の緊急支援計画

ユニセフは今後、水と衛生の分野で、各支援機関を統括する支援を実施予定です。エチオピア全土に支援チームが展開していますが、ユニセフは地域当局が緊急事態に対応できるように支援をしていきます。重点地域は、ソマリと南部諸民族州、オロミアです。

  • 栄養分野(15,447,000米ドル、約16億5,300万円)
  • 水と衛生分野(3,500,000米ドル、約3億7,500万円)
  • 基礎保健サービスの提供(5,400,000米ドル、約5億7,800万円)
  • 子どもの保護と心のケア(2,150,000米ドル、約2億3,000万円)
  • 教育(1,500,000米ドル、約1億6,000万円)
写真:ユニセフはすでに、緊急支援基金から資金を借り入れて
        治療的食餌療法をスタート。ヨンソン事務局長は、
        さらなる支援を国際社会に要請しています。
© UNICEF video
ユニセフはすでに、緊急支援基金から資金を借り入れて 治療的食餌療法をスタート。ヨンソン事務局長は、 さらなる支援を国際社会に要請しています。

また、今後の栄養不良が増加する事態悪化に備えた対策には、
効果的な支援策の強化と評価(5,450,000米ドル、約5億7,780万円)、政府の専門家による予防対策強化(3,000,000米ドル、約3億2,100万円)、必須の物資と対策の予備配置(12,800,000米ドル、約13億7,000万円)、が必要です。

これまでのプログラム見直しによる投資と現在までに受け取った支援金のおかげで、570万人の子どもが干ばつ発生地域で、はしかの予防接種を受けることができました。また、先月、150,000人が安全な水を受け取ることができ、9,000人の子どもが十度の栄養不良の治療を受けることができました。

ユニセフは、今回、エチオピア政府が発表した「人道支援要請2008」の改訂版で要請している約5,000万米ドル(約53億5,000万円)が、人道上の適切な対応のために必要であると推測しています。

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◇ 募金のお願い ◇

 財団法人日本ユニセフ協会では、アフリカの子どもに対するユニセフの緊急援助を支援する「アフリカ緊急募金」の受付を行っています。皆様のご協力をよろしくお願い致します。

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