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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

インドネシア:性的虐待を受けた子どもたちのために

【2007年8月2日 インドネシア・ロンボク発】

© UNICEF Indoneisa/2007/Susanto
性的虐待の被害を受けたメラティちゃん(右)。加害者は、被害者のもっとも身近にいる人物である場合が多い

何千もの島からなるインドネシア諸島のひとつ、ロンボク島は、絵のように美しい熱帯の島。しかし、その美しい風景の後ろには、子どもの虐待——家庭や学校でおこる最も弱い立場の子どもたちを襲う隠れた犯罪や児童労働、性的虐待の問題が隠れています。

メラティちゃん(仮名、8歳)は、家族と一緒にこの島で暮らしています。ある日、娘の歩き方がおかしいことに気づいたお母さんは、メラティちゃんを診療所へ連れて行きました。医師たちが診察をすると、メラティちゃんは出血をしています。検査の結果、メラティちゃんは性的暴力をうけていたことがわかりました。                    

虐待の影響

今、メラティちゃんとその家族は、ユニセフが支援している子ども保護組織、レンバガ・ペリドゥンガン・アナク(LPA)からの支援を受けています。LPAは、児童虐待の被害をうけた子どもたちのために、加害者に対する法的措置を追及するとともに、被害者への支援を行っています。

「LPAは、容疑者が子ども保護法にもとづいて審判を受けるよう、求めています。子どもの保護法には、刑法よりも6年長い、最高15年の懲役刑が定められています」。LPAカウンセラーのワルニアティさんは言いました。ユニセフはまた、病院スタッフや警察と協力して、虐待を受けた子どもたちへの適切な対応法についてトレーニングを受けた女性警察官の協力も得ています。

教育が子どもたちの助けに

メラティちゃんのケースが示すように、多くの子どもたちが、もっとも身近にいる人物から虐待を受けています。虐待を受けた子どもたちは、目に見える形の身体的外傷やトラウマ(精神的外傷)を追うばかりでなく、自信や学習能力にも支障をきたします。ユニセフはこの問題に対処する方法のひとつとして、教育に力を入れています。

© UNICEF Indoneisa/2007/Susanto
ロンボクにある小学校にて。子どもの権利に関する意見を書いたポスターを貼る子どもたち。

「子どもの権利について学校で教え、皆に広める活動をしています」。ユニセフ・ロンボク事務所のシナン・クリスタント氏は話します。「私たちは、子どもたちが自分の権利について学び、親や地域の人たちに伝えられるようになってほしいと考えているのです」

ロンボクにあるバトゥ・クンバン第一小学校の4年生の子どもたちは、ユニセフが実施する、子どもに優しい学校プログラムのひとつに参加しています。このプログラムを通じて、学校の先生たちは、体罰の有害性や、虐待をうけた子どもを見つける方法について学んでいます。

「子どもたちは、この課題にとても熱心に取り組んでいます」。ヤティ・プラティウィ先生は話します。「子どもたちは、暴力反対を訴えるポスターを描いたり、虐待の問題についてとても活発な議論を交わしています。子どもの保護にとっては、この問題を白日のもとにさらすことが重要なのです。子どもたちに、自分の身を守る術を子どもたちに与え、必要なときに必要な支援を差し伸べることができれば、子どもたちを守ることができるでしょう」

 

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