メニューをスキップ
HOME > 世界の子どもたち > ストーリーを読む
財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

キルギス:国際社会に980万米ドルの支援を要請

【2010年6月18日 キルギス発】

© UNICEF/NYHQ2010-1199/Denton
オシ南部にある地域医療センターに集まるウズベク民族の女性たち。この衝突で命を落とした多くの遺体がこのセンターに運ばれてくる。

キルギスで民族間衝突が発生してから2週間。キルギス南部でのウズベク民族に対する暴力は、徐々に収まってきていると伝えられています。しかしながら、現地の状況は、依然として安定しておらず、さらに悪化する可能性もあります。

現地時間18日現在、公式に確認された死亡者数は192名。南部の都市オシとジャラル・アバド周辺を含むキルギス南部での負傷者は、約2,000人に上るものと見られていますが、キルギスの暫定大統領は、メディアに対し、実際の負傷者数は、この10倍に及ぶだろうと語っています。

また、推定で30万もの人々が、住む家を追われています。国境を越えて隣国ウズベキスタンの難民キャンプに避難している人々の数は、9万人以上に及びます。

こうした混乱に対応するため、国連は、人道支援計画を策定。18日、100万以上の人々のニーズに応えるため、緊急アピールを発表し、国際社会に対し、ユニセフが求める980万米ドルを含む総額7,100万米ドルの援助を呼びかけています。

避難民が求める支援
© UNICEF/NYHQ2010-1202/Denton
6月の民族間衝突の影響を受けて、オシにあるモスクに避難してきた親子。

民族間の衝突が断続的に続いているため、避難を余儀なくされたキルギスの人々が必要としている支援の詳細を確認することはままなりません。しかし、彼らが置かれている状況が、予断を許さない状況であることは間違いありません。

「正確な情報を得るのは非常に難しい状況です。」 ユニセフ・キルギス事務所のジョナサン・ビーチ代表は、南部の子どもと女性たちが直面している状況について、次のように伝えてきました。

キルギス国内に残っている避難民の多くは、近隣の人々の家庭に避難先を見つけていると思われます。しかし、こうした手段を持たない何万人もの人々は、避難場所や飲料水などの支援を必要としています。「安全な飲み水へのアクセスが限れられているために、下痢性疾患が報告されています。ユニセフは特にこのことを懸念しています。」

家族と離れ離れになり、親や保護者との再会が必要な子どもたちの状況も、もう一つの大きな懸念事項です。

「生き別れになった家族を捜す活動を始めなくてはなりません。」「国境を越えたり、キルギス国内のどこかに避難しているはずの家族を発見して、オシなどで一人きりになってしまった子どもたちと引き合わせなければなりません。」(ビーチ代表)

緊急支援物資

ユニセフは、現在、コペンハーゲンの物資供給センターから、40トンの緊急医療支援物資や、飲料水や衛生環境の確保などに必要な支援物資を、現地に急送しています。この物資は、19日、キルギスに空輸され、その後、各地に陸送される予定です。週明け早々には、さらに40トンの追加支援物資が届けられる予定です。

また、ウズベキスタンでは、既にトラック数台分の緊急支援物資を難民キャンプに届け、現在、150万米ドル分の追加支援物資を、ウズベキスタン国内で調達しています。

キルギス内部での衝突は収まりつつありますが、高い緊張状態が依然続いています。ユニセフは、職員や支援物資の安全が確保され次第、南部の都市オシにも臨時の事務所を設置する予定です。また、今後の支援活動の拡大に向けて、応援職員も間もなく現地に到着する予定です。ユニセフは、今後、現地の安全が確保され、女性や子どもたちが必要とする支援の内容がより明らかになるに従い、支援計画を随時見直し、現地の状況により適した支援活動を展開してゆきます。

トップページへコーナートップへ戻る先頭に戻る