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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち/ストーリーを読む

マリ:改善される子どもたちの水とトイレ

【2010年8月19日 マリ発】

© UNICEF Mali/2010/Good
セゴウ町近くのコウティエンソ小学校に設置された、新しい給水ポンプを利用する子ども。

マリのソウフォウロウラヤ小学校。ほこりが舞う乾ききった校庭には、手入れもされず、誰にも使われていない給水ポンプが置かれています。

この小学校にはトイレがありますが、手を洗うための清潔な水や石けんはありません。腐りかけたゴミの燃えカスが、校庭近くに放置されています。

学校に安全な飲料水を共有する設備もトイレもないので、子どもたちが、下痢に関連した病気や寄生虫に感染する危険が高くなっているのです。

しかしながら、マリ各地で、子どもたちが置かれたこうした状況が変わり始めています。日本のダノンウォーターズオブジャパン株式会社※、ドバイ・ケアズ、ベルギー政府、ウェイヴィン配水グループ、オランダ・アクア・フォー・オール財団といったパートナーが、ユニセフがこの国で実施する水と衛生に関する事業を支援してくれています。

学校への支援

こうした支援を背景に、マリ政府は、学校で衛生教育を促進するための戦略を策定しました。

この国の教育や衛生、水、保健などの分野で様々な支援活動を展開しているユニセフは、先に挙げたパートナーと共に、全国の小学校の約60パーセントにあたる学校に、適切な水の供給施設とトイレを設置し、安全な衛生習慣の実践を促す取り組みを行っています。これは、この国がミレニアム開発目標の水と衛生分野の目標の達成に向けて、大変大きな役割を果たしています。

「学校で安全な水が飲めて、トイレを使えて、衛生的な生活をおくれること。それは、全ての子どもたちが持つ権利です。」ユニセフ・マリ事務所のニコラス・オズベー水と衛生事業担当部長はこう話します。

「子どもたちが、トイレの後に石けんを使った手洗いをする習慣を身につければ、それは、子どもたち自身が健康になるし、勉強にも身が入るようになります。でも、それだけではありません。子どもたちが、コミュニティや家庭でこうした知識を伝えることによって、コミュニティや家庭の環境さえも変えることにもなるのです。」(オズベー部長)

安全な水=健康への鍵
写真:水をくみに行く女性
© UNICEF Mali/2010/Good
壁に“女子用”と書かれた女子トイレの前に立つマリの女の子たち。

セゴウ町近くのコウティエンソ小学校に、安全な飲料水を提供する新しい給水ポンプが設置されてから、学校での子どもたちの生活は一変しました。

石けんと清潔な水がいつでも使えるようになった今、子どもたちは、毎日、特にトイレの後や昼食の前など重要な場面で手を洗うことができます。このシンプルな方法が、子どもたちの健康を保つために、大きな役割を果たし続けるのです。

Fジョセフィンちゃん(9歳)は、新しい給水ポンプが学校に来てから起こっている大きな変化を感じています。

「清潔な水は、深刻な病気から子どもたちを守っているのよ」と、ジョセフィンちゃんは話します。また、彼女は、学校の水で下痢に罹ることはなくなったとも言います。この安全な水を各教室で利用するための容器も用意され、先生方は、子どもたちに適切な衛生習慣を広めるべく、お手本を見せながら子どもたちを指導しています。

女の子の生活も改善

ジョセフィンちゃんと彼女のクラスメートは、男女別に作られたトイレの恩恵も受けています。

この国で、男女別のトイレがある学校は、まだ14パーセントにも満たないと推定されています。

劣悪な衛生環境に加え、多くのトイレが男女共用の形で作られているため、多くの女の子の学校に通う気持ちを削いでいるのです。

しかし、このシンプルで廉価な衛生環境の改善方法が更に普及すれば、女の子が学校を卒業する機会をすぐに増やすことができます。そして、飲料水、トイレ、手洗いのための石けんへのアクセスを改善することによって、更に多くの男の子も女の子も、健康を維持し、学校に通い続けることができるのです。

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