メニューをスキップ
HOME > 世界の子どもたち > ストーリーを読む
財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

<2004年8月31日信濃毎日新聞掲載>

障害あっても積極的に発言
<メキシコ>


「障害があっても普通に生きていることを見て」とユニセフのボランティアに積極的に参加するサンドラ メキシコ市生まれのサンドラは、17歳の女の子。脳性まひのために手足が不自由です。車椅子で移動し、ものを書くことができず、言葉もはっきりとしゃべることができません。しかし彼女は、そんな障害などなんでもないかのようにユニセフボランティアとしてとても積極的に活動しています。

 「動くことはできなかったけれど、サンドラは小さいころからとても明るくて、よくしゃべり、本や音楽が大好きでした」と彼女のお母さんのアリシア。サンドラの社交的な性格を生かしたい、とアリシアは10歳の彼女を、ジャーナリズムの講座に連れて行ってみました。この講座を通じて、サンドラはユニセフの活動を知りました。

 その年、メキシコで行われた「子ども選挙」の手伝いをきっかけに、サンドラは子どもの権利に関するアドボカシ−(政策提言)活動に参加するようになりました。「子どもの選挙」は、子どものリーダーを選ぶだけでなく、自分が一番大切だと思う「子どもの権利」は何かを投票するものでした。サンドラは「”子どもの参加”がメキシコの将来にとってとても大切だって確信したの」と言います。

 その後、サンドラは仲間とともに、中学生を対象にしたリーダー養成プログラムを始めました。いろいろな分野の人を講師に迎え、子どもたちがリーダーシップと社会参加について学ぶ機会を数多くつくりました。

 一昨年には「国連子ども特別総会」の子どもフォーラムで、ラテンアメリカの子どもの代表として意見を発表する大役を担いました。

 昨年フィンランドで開かれた「国際子ども国会」にはメキシコの代表として参加しました。残念ながら会場には行けませんでしたが、メキシコと8時間の時差があるにもかかわらず、インターネットで参加各国の子どもたちと意見を交わしました。

 サンドラはこれからも、自分の言葉でゆっくりと、子どもの権利の大切さについて、より多くの人に語りかけていきたいと思っています。

 「できないことなんてない。障害があっても、時には人の助けが必要でも、私たちは普通に生きているっていうことを見てほしいんです」と、サンドラは力強く話しています。

トップページへコーナートップへ戻る先頭に戻る