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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

ニジェール:
3人にひとりの女の子が15歳未満で結婚
「結婚ではなく、勉強を続けて仕事に就きたい」


【2014年7月1日 ニジェール・インティカネ発】

幼い年齢での結婚が、ニジェール北部に身を寄せるマリ難民の女の子たちの健康を脅かし、教育の妨げになっています。そのような状況のなか、児童婚を防ぎ、女の子も学校で勉強を続けられるようにするための新しい動きが始まっています。

* * *

アイシャトゥ・モハメッドさんは、1万人以上のマリからの避難民が身を寄せる、ニジェール北部インティカネにある小学校に通っています。アイシャトゥさんは学校が大好きで、授業に遅刻することは決してありません。クラスで3位の成績を取り、保護者や学校関係者で構成される学校経営委員の、児童代表のひとりにも選ばれました。

アイシャトゥさんの家族は、この地域で生活する遊牧民のトゥアレグ民族の家庭のように、大家族出身です。父親はイスラム教の宗教指導者で、母親は主婦として家庭を支えています。

「今は試験に向けて勉強に集中しています。高等教育の学位を取得すれば、好きな仕事に就くことができますから。故郷のマリのことを考えない日はありません。もしマリに平和が戻れば、今夜にでも帰りたいです。ここでの生活より、マリでの生活の方がずっと良かったです」

アイシャトゥさんのクラスでは、4人の女の子が既婚です。1人はついこの間結婚し、1人は夫と一緒にリビアに引っ越していきました。他の2人は難民キャンプで生活を送る男性と結婚し、学校にも通っています。

3人にひとりが15歳未満で結婚

ニジェールの女の子の3人にひとりが15歳未満で結婚している
© UNICEF Video
ニジェールの女の子の3人にひとりが15歳未満で結婚している。

ニジェールでは、3人にひとりの子どもが15歳未満で結婚しています。しかし、幼すぎる年齢での結婚は、新生児や妊産婦の死亡のリスクを高めてしまいます。また、児童婚をする女の子のほとんどが、学校を退学しています。

「もちろん、子どもの教育のために出来る限りのサポートをしてくれる親もいます。一方、学校に通うことに無関心で、勉強は役に立たないと言う女の子もいるのが現状です」と、アイシャトゥさんが話します。

「勉強を続けたいと思っている女の子は、結婚を強いられた場合、先生に相談し、結婚をしなくてもいいように手助けをしてもらいます。一方、結婚をしたいと思っている女の子は、先生に結婚の話は秘密にしています」

地域団体と連携して両親を説得

ニジェール中で、ユニセフとパートナー団体は子どもたちが学校で勉強を続けることができるように、そして、もし結婚を避けることができなくても、女の子を退学させることがないように、両親を説得する活動を行っています。

「幼い子どもが結婚するという情報が入り次第、地域で活動する団体と連絡を取ります。子どもたちへの支援を迅速に行うため、正しい情報を提供し、学校と両親の間に入って話し合いをもつのです」と、パートナー団体のウスマン・ウマル氏が語ります。

時には学校の休みの期間に結婚の話が進められる場合もあります。しかしそのような場合にも、迅速に対応をすることができます。

「たとえ結婚を止めることができなくても、両親と会って話をし、子どもたちが学校に通い続けられるように説得しています。今のところ、とてもうまくいっています。少なくとも、両親は私たちの意見を聞き入れ、結婚しても女の子を学校に通わせるように約束してくれています」(ウマル氏)

女の子も学校で勉強を続けられるように

マリの避難民のために、児童婚についての啓発セッションが開かれました。アイシャトゥさんの叔父さんは、女の子たちを後押ししています。「幼すぎる年齢での結婚は、身体的にも、精神的にも女の子の人生に悪い影響を与えます」と、アイシャトゥさんの叔父さんが語ります。

「私は、必ず学校を卒業します。神様が、学校で勉強を続けられるように手助けしてくれると信じています。学校が大好きなので、退学はしたくありません」(アイシャトゥさん)

叔父さんや学校、現地当局のサポートを得ながら、アイシャトゥさんは学校で勉強を続けていくことができます。そして、女の子の教育をサポートする地域レベルでの画期的な活動のおかげで、アイシャトゥさんのように、若い女の子が結婚を強いられることなく、学校を卒業することができるようになることでしょう。

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