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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

シリア:パレスチナ難民キャンプを変えて行く若者たち

【2009年8月27日 シリア】

© UNICEF Syria/2009/Krzysiek
シリアのパレスチナ難民キャンプで開かれた若者のための「トレーナー養成」ワークショップで、文章を書く練習をする女の子たち。

ユニセフが最近実施している「若者トレーナー養成」ワークショップが、シリアのネイラブで6日間にわたり行われ、20人のパレスチナの若者が参加しました。このワークショップでは、若者たちがコミュニティにより積極的に参加し、若者の力を結集するための様々な方法を学びました。

「トレーナーになることがこんなに大変なことだとは知りませんでした。」カリドさん(15歳)は話しました。「でも、嬉しいです。教育は、世界への窓ですから。」

カリドさんは、アレッポ近郊のネイラブ難民キャンプで暮らすパレスチナ人です。彼は、自らの対人能力の向上と地元のコミュニティに変化をもたらしたいと思って、このワークショップに参加したと話しました。

2つの難民キャンプの若者たちが、一つの目標に向かって取り組んだワークショップ

このワークショップには、ネイラブとホムスの二つのパレスチナ難民キャンプの若者が合同で参加し、それぞれの難民キャンプで暮らす若者がお互いを知る良い機会となりました。

「ホムスで暮らす友達から、どうやって笑ったり、積極的になったり、時にリラックスするのかを教わりました。」ネイラブ出身のグフファンさん(17歳)はこう話します。「私たちを取り巻く環境は全く異なりますが、一緒に取り組めば、色んなことがうまくいくような気がします。」

トレーナーのオバダ・ジャブバンさんは、こうしたパレスチナの若者の交流は、心理社会的にも大きな影響をもたらすと話します。「お互いの難民キャンプの生活の違いを話し合うことで、それぞれの経験を持ち寄って、問題を解決することができるのです。」

コミュニティのリーダーたち
© UNICEF Syria/2009/Krzysiek
「トレーナー養成」ワークショップは、パレスチナの若者が、それぞれが持つ個人的な目標や社会の発展のための目標を達成し、自分が住むコミュニティの中で責任を果たしてゆけるように、彼らを力づけていく、象徴的な活動の一つです。

この「トレーナー養成」ワークショップは、パレスチナの若者が、それぞれが持つ個人的な目標や社会の発展のための目標を達成し、自分が住むコミュニティの中で責任を果たしてゆけるように、彼らを力づけていく、象徴的な活動の一つです。

このワークショップには、二つのパレスチナ難民キャンプで、最も活発な若者たちが参加しています。問題解決への意思の高さ、対話能力、そしてリーダーシップ能力のある若者が、参加者として選ばれました。

そして参加者には、例え彼らが10代の若者であっても、コミュニティで影響力の大きい役割を果たすチャンスが与えられるのです。

生きるための「術」を学ぶワークショップ

「ワークショップを始めたとき、親たちは、子どもたちと一緒に何をしようとしているのか、何のための訓練なのか尋ねました。でもいまは、いつ自分の子どもをセンターに連れて行ってくれるのかと聞いてくるんです。難民キャンプで、近所の子どもたちがトレーナーとして有名になっていますからね。」ジャブダンさんはこのように話しました。

親戚や友達、他のトレーナーたちに触発されて、訓練を受けてトレーナーを目指す若者の数は毎年増えています。

「生きるための『術』を学ぶワークショップに参加しました。トレーナーたちはとても優秀で、強い個性を持っていると思います。」ホムス難民キャンプから来たバスマさん(15歳)はこう話します。「彼らみたいになりたいと思って、参加したんです。」

「人々を助けることが好きです」

こうした活動に多くの若者が参加しているという事実は、パレスチナのコミュニティの未来を象徴しています。

「他の社会のリーダーは、大概おとなで、若者と非常に距離を置いています。」と、ジャブダンさんは指摘します。「パレスチナ難民キャンプでは、リーダー自身が若く、若者たちも容易に近寄れる存在です。彼らは、他の若者たちと何ら変わりません。ですから、彼らも、他の人々から簡単に学ぶことができるのです。」

国連パレスチナ難民救済事業機関が運営するネイラブのコミュニティセンターの所長、キャシム・ハビブさんは、若者たちが、コミュニティの生活や、生活技術を身につけるための社会復帰センターで、ボランティアとして非常に重要な役割を果たしていると話しました。

ホムス難民キャンプで暮らすパレスチナ人のアスマハンさん(21歳)は、次のように話しました。「この訓練を受けて、いかに生きるか、現実にどのように対処していくかについて多くのアイディアをもらいました。」

しかしながら、カリドさんのように「トレーナー養成トレーニング」を受講している若者たちにとって、こうした活動に参加する動機は、たいていとても単純なものです。

「人を助けることが好きなんです。」(カリドさん)

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