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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

東ティモール:カンフー映画スター、ジャッキー・チェンさんが
ユニセフ親善大使として訪問。 若者に平和と協調を訴える!

【2008年6月26日 東ティモール・ディリ発】

ユニセフ親善大使ジャッキー・チェンさん
© UNICEF/HQ08-0646/Estey
ユニセフ親善大使ジャッキー・チェンさんが、6月24日東ティモールを訪問。首都ディリの国連施設で子どもたちに話しかけるチェンさん(右手前)

ユニセフ親善大使のジャッキー・チェンさんが今週、東ティモールのディリを訪問。得意の武術を通じた平和のメッセージを伝えて、東ティモールの若者の和平のために一致団結するよう励ましました。

東ティモールの若者の間では、武術が伝統的にとても人気があります。これまで、スポーツや運動、護身術として親しまれてきました。ところが、独立後に暴動が発生する混乱の中、多くの若者たちが武術を犯罪や暴力の手段に使うようになってしまいました。

東ティモールは6年前に独立を果たしましたが、この地域では最貧国です。政府は教育の充実や雇用機会の拡大など、若者重視の政策強化がこの国の未来には必要であることを、十分認識しています。

ユニセフ親善大使ジャッキー・チェンさん
© UNICEF/HQ08-0646/Estey
サッカー競技場で何百人もの武術青年を前に、武術体操の手本を見せるチェンさん。

武術青年が結集

今回の訪問でチェンさんは青年センターや学校、国立競技場で若者と交流。武術体操で3,500人以上の若者を指導しました。

競技場は平和と協調の寄せ書きで飾り付けられ、中国の伝統武術ウシューや拳法、空手や合気道を習う武術青年たちが、それぞれ得意の技を披露。ユニセフと青少年スポーツ事務長が共催したこのイベントで、チェンさんは青年たちに社会参加するおとなになるよう呼びかけ、そのエネルギーを上手に発散させるようお手本を示しました。

「みんなが一致団結している限り、どんな武術を学んでいようが関係ありません。武術で鍛錬を積む、そのことこそが、みんなの将来への眼差しを、心を、そして体を強くすることにつながるのです。健全な心と体があれば、どんどん周りの人たちを助けましょう!決して人を傷つけるための武術ではないのです。」
チェンさんは、こう若者たちに語り掛けました。

ユニセフ親善大使ジャッキー・チェンさん
© UNICEF/HQ08-0646/Estey
コモロの青年センターを訪問したチェンさん(中央)は、若手陸上選手たちと交流。このセンターでは読み書きやライフ・スキル、運動などの授業を行っています。

暴力行為を平和な対話に替えて

チェンさんはその後、ヘリコプターで競技場から南部の農村地帯のアイナロに到着。ここは、数百年前に武術がもたらされた地です。サッカー場に降り立つと、600名の生徒が歓迎に出迎え、チェンさんと腕を組んでみんなで一緒に伝統の踊りを踊りました。

ディリに戻り、コモロ青年センターを訪問したチェンさんは、英語や電気関係についての生活上必要な訓練の様子を視察。職業訓練の重要性を知りました。

そして、ベコラのサッカー場で青年たちと交流しました。ここでは武術を使うギャングが平和を脅かしていましたが、現在は平和な対話ができる生活に変わりました。

教育は最も価値のある投資

カメアにある子どもに優しい学校を訪問したチェンさんは、美術と算数の授業に出ている子どもたちと対話。縄跳びをしたり、バレーボールをしたりして交流しました。多くの子どもたちが通学に険しい山道を1時間半も登ってこなければならないのだと、チェンさんに話しました。

「通学がとても困難な子どもたちもいるという話でした。教育は最も価値がある若者への投資です。子どもたちが学校に通い続けて卒業できるように支援しなければなりません。そうすれば、子どもたちはよりよい未来がもてるのですから。」 こう話して、チェンさんは教育の重要性を強調しました。

ユニセフ親善大使ジャッキー・チェンさん
© UNICEF/HQ08-0646/Estey
首都ディリにあるコモロ青年センターで、子どもたちの授業に参加するチェンさん。

「ジャッキー・チェンさんの訪問は、東ティモールの多くの子どもたちにとって感動的な出来事でした。子どもたちに笑顔を向けてハイタッチをするチェンさんをみる彼らの顔は、実に爽快でした。子どもたちにとって、チェンさんの魅力は絶大です。

ユニセフは、東ティモール政府が若者の権利を満たし、若者が学び、実用的なライフ・スキルを身につけて、この国の発展の中で積極的な役割を演じるために行う支援に協力することを、約束しています。」(ユニセフ東ティモール事務所の久木田氏)

平和の継続に向けて

チェンさんはカンフー映画の大スターですが、これまでユニセフ親善大使として各国を訪問してたくさんの若者たちとふれあい、若者の悩みや将来への希望を聞いてきました。そして規律や尊敬の念、団結が重要であるというメッセージを、若者に伝えてきました。

今回、ジョゼ・ラモス・ホルタ東ティモール大統領主催の夕食会に招かれたチェンさんは、シャナナ・グスマン東ティモール首相と面会し、アツール・カール事務総長特別代表の紹介を受けました。

ミンゲル・マネテル大臣はチェンさんに訪問のお礼を述べ、「東ティモールのすべての若者がチェンさんの言葉を胸に刻んでいてほしいと思います。この国の平和が続くよう、われわれは最善をつくさねばなりません」と、話しました。

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