アフリカ・シエラレオネの栄養センターに運ばれてきたとき、1歳1か月のヘンリーは重度の栄養不良と下痢による脱水症で、急速に体重を失っていました。
ただちに治療用ミルクによる集中治療が開始されましたが、衰弱しきった身体は何も受け付けようとしません。スタッフと母親が昼夜を徹して根気よくミルクを口に含ませ、ようやくヘンリーの目が開きました。
それからヘンリーの生きる力を取り戻す日々が始まりました。ミルクを飲む量が増え、母親の呼びかけにも少しずつ反応するようになりました。
センターに運ばれてから4日目、ヘンリーに退院の日が近づいてきました。自宅に持ち帰ることができるペースト状の栄養補助食を食べられるようになったため、これからは自宅でも栄養治療を続けられるのです。ひん死の状態にあった小さなヘンリーが、ようやく笑顔をとり戻しました。
世界の乳幼児死亡の約半数に深くかかわる栄養不良。幼い命を守るには、身体の基礎がつくられる胎児期から2歳までの1000日間の栄養支援が特に重要です。
月々一定額をご支援いただく「ユニセフ・マンスリーサポート・プログラム」は、ヘンリーのような命の危機に直面した子どもたちを1人でも多く守るとともに、発育観察、栄養・衛生指導、保健員の育成など、ユニセフによる世界各地の子どもたちのための活動を最も力強く支えるご支援方法です。この機会にぜひご参加ください。
2011年にシリアで武力紛争が起きて以来、これまでに10万人以上の尊い命が失われ、シリア国民の半数近くにあたる約930万人が緊急の人道支援を必要としています。国内外で避難生活を送るおよそ420万人の子どもたちは、水やトイレが不足する不衛生な環境で、下痢性の病気や感染症にかかるリスクが極めて高くなっています。
ユニセフは昨年、パートナー機関とともに、シリアと周辺国で1,000万人以上の人々に安全な水を届け、500万人以上に予防接種を実施、厳寒期には100万枚を超える毛布を提供するなど、子どもの命を守る活動を全力で続けてきました。
さらに今、急務となっているのは、長期化している紛争から子どもたちの未来を守る支援です。現地では、多くの子どもが孤児となり、あるいは家族と離散しています。心に深い傷を負っている子どもも大勢います。現在、教育の機会を奪われている子どもは330万人、シリアの学齢児の実に7割近くを占めています。子どもたちは、今保護や教育を受けられなければ、紛争が終わった後も日常的に苦難にさらされ続けることになります。
特設サイトではシリアの最新活動ニュースや、1月28日に開催されたユニセフ・シリア事務所の園田教育専門官の報告会レポートをご紹介しています。是非、シリアの子どもたちの置かれている状況を知っていただき、あたたかいご支援をお願い申し上げます。
昨年11月、観測史上最大規模の台風がフィリピンに上陸し、甚大な被害をもたらしてから、今月8日で3カ月が経過、来週17日で100日を迎えます。
最新の国連人道問題調整事務所(OCHA)の統計によると、台風30号により1410万人が被災し、子ども170万人を含む410万人が避難を余儀なくされています。少しずつ復興支援は進んでいるものの、いまだに仮の家屋やテント、避難所での生活を強いられている人々が依然として多くいます。
先月、ユニセフやNGO、パートナー団体の協力のもと、フィリピンの教育省と社会福祉開発省は台風の被害にあった子どもたちのために、「一緒に前に進もう」をテーマに「バック・トゥー・ラーニング(再び学ぼう)」キャンペーンを開始しました。
紛争や自然災害が発生した直後の混乱の中、そして復興に向け社会が徐々に落ち着きを取り戻す中で、教育がもたらす効果は多岐にわたります。学校は、子どもたちに“安心できる”場所を提供します。学校は、壊滅的な状況の中でも、子どもたちに、友人たちと交わり、日常生活を取り戻す機会を提供するだけでなく、周囲のおとなたちにも、日常のリズムを取り戻し、心を癒す機会を提供してくれるのです。教育は、悲しみに沈む心を前向きに変える力を、確かに持っているのです。
2月6日は「世界FGM/Cゼロ・トレランス・デー」、女性性器切除根絶の日です。
女性性器切除(FGM/C)とは、アフリカをはじめとする国々で行われている女の子や女性の性器の一部を切除してしまう慣習です。きわめて強い社会的な規範に支えられおり、心身に及ぼす有害さを知っていても、自分の娘にFGM/Cを受けさせていることが少なくありません。
昨年7月、ユニセフが発表した報告書では、約30年前と比べ、女の子がFGM/Cを受ける割合は減少していることがわかりました。しかしながら、未だ世界にはFGM/Cを受けた女子と女性が1億2,500万人以上いるとされ、3,000万人以上の女子が、今後10年の間にFGM/Cを受けるリスクがあることが指摘されています。
女子と女性の人権侵害であるとともに、健康面及び精神面で長期的な影響を及ぼすFGM/C根絶にむけて、ユニセフはパートナーとともに活動しています。
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■■次号の配信は3月7日頃の予定です。■■
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