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財団法人日本ユニセフ協会
 



エボラ出血熱緊急募金 第9報
エボラ出血熱
予防策普及には信頼に基づく広報活動が重要
感染3カ国と感染ハイリスク4カ国での取り組み

【2014年7月14日 ダカール(セネガル)発】

ユニセフは学校でエボラ出血熱に関する授業を実施。(ギニア)
© UNICEF Guinea/2014
ユニセフは学校でエボラ出血熱に関する授業を実施。(ギニア)

西アフリカで感染が続くエボラ出血熱。ユニセフは、感染と感染拡大を防ぐため、一般市民に向けた教育・広報活動、予防や治療に必要な医療品等の提供、医療従事者への研修・育成などを行っています。感染が確認された3カ国の状況と、感染リスクが高い周辺4カ国を含めた取り組みをご紹介します。

概要

この1カ月で、西アフリカでエボラ出血熱に感染する人は増加。エボラ出血熱に関するうわさや恐怖心、誤解による感染拡大を食い止めるために、ユニセフとパートナー団体は地域一帯での活動を拡大しています。これらの活動で重要となるのは、人間関係に基づく広報活動、つまり、自身が信頼できる人からエボラ出血熱に関する正しい情報を得ることです。

7月頭にガーナの首都アクラで、各国政府やNGO、国連機関などによってエボラ出血熱の対応策が協議されました。会議では、コミュニティ参加による広報活動、早期での隔離、感染した人の接触履歴の追跡、国境付近での管理等が、優先的な取り組みとして合意されました。

7月14日時点の状況

ユニセフは学校で啓発活動を行い、エボラ出血熱を予防する方法を子どもたちに広めている。(ギニア)
© UNICEF Guinea/2014
ユニセフは学校で啓発活動を行い、エボラ出血熱を予防する方法を子どもたちに広めている。(ギニア)

<ギニア>感染確認296名、死者197名
感染が確認、推定、疑われた人は計409名、うち309名(確認・推定・疑いを含む)が死亡、致死率76%
報告された症例のうち、296名がエボラと確認され、うち197名がエボラで死亡と確認
接触履歴の累計は4,946件
西部のボッファ県、テリメレ県、デブリカ県、マセンタ県、東部のクルーサ県と首都コナクリで感染中
保健スタッフと感染が確認された地域、特に南部のゲケドュー県で、緊張は続いている

<シエラレオネ>346名、死者110名
5月26日に同国での感染が宣言された
これまでに346名の感染が確認され、110名の死亡を確認、致死率は比較的低く32%
主にKailahun、Kenema、Boandwesternareasで確認されている
接触履歴の確認が進んでおり、これまでで計1,066件

<リベリア>感染64名*
この1カ月で、リベリアでのエボラ感染件数は増加中
保健省によると、疑い、推定、確認あわせて、3月の感染以降、報告された件数は163件 (64名の感染を確認)
エボラに関連した死亡は94名、確認・推定を含めた致死率は71%
北部のロファ、西部のモントセラド、ボミでの感染を確認

*この数値は、5月下旬と6月上旬の再発以降のもののみ(それ以前の数値は現在検証中につき除外)

<周辺4カ国=コートジボワール、ギニアビサウ、マリ、セネガル>
監視体制が強化され、国境付近での人の往来のモニタリングを実施
今後のエボラ出血熱の発生を想定して、予防と準備のキャンペーンを実施中

資金要請と内訳

多くの人が集まる市場で啓発活動を行うスタッフ。(リベリア)
© UNICEF Liberia/2014/Ajallanzo
多くの人が集まる市場で啓発活動を行うスタッフ。(リベリア)

感染3カ国並びに感染ハイリスク4カ国での活動費用として、総額569万2,306米ドル(約5億7,450億円 1米ドル=101円で換算)の資金を要請しています。これまでに寄せられた資金は271万9,986万米ドルで、資金要請に対し52%の資金が不足しています。

ユニセフの取り組み

<ギニア>
消毒や衛生用品を含めた支援物資を病院や家庭、保健スタッフに提供
イスラム教宗教指導者750名に予防法の啓発ツールを提供し、モスクでの説教時にエボラについて話してもらうよう依頼
そのほか、牧師やボーイスカウト、現地のNGOなどにも資材を提供し、予防策の教育・広報活動を農村部も含めて実施
TVで手洗いについてのスポットCMを放送し、ラジオでも啓発活動を行い、感染地でこれまでに320万人以上に予防策を広報

<シエラレオネ>
保健衛生省を支援し、監視や症例管理、広報活動、物資の輸送面などでの支援を実施
これまでに13の地区に医薬品を提供したほか、ポスターやバナーなども提供
現地語でのラジオスポットも制作し、予防・治療法の啓発を実施

<リベリア>
5月下旬と6月上旬の再発を受け、予防策の広報活動を拡大
感染が広がっている地域で、エボラ出血熱への関心を高めるために、新たに啓発を行うスタッフ100名を育成
感染が続くロファでは、6月以降、宗教指導者や若者の代表など240名に、啓発活動の強化を依頼
エボラ出血熱拡大防止のために、地元アーティスト2組が啓発ソングを制作、ラジオなどで放送中

<ギニアビサウ>
保健省にエボラ出血熱のホットラインを開設
監視や育成、地域での啓発を進めるほか、毎週現場視察を行い、監視を強化
緊急時に備えた水や衛生用品の備蓄を行い、ギニアとの国境付近にはWHOと共に防護服を用意
地域の保健スタッフ360名に、エボラ出血熱に関する研修を実施
すでに国営ラジオや地域のラジオでは、予防法について発信

<コートジボワール>
地域で実施している活動にエボラ予防策を取り入れるよう、研修を実施
ギニアとリベリアの国境付近で、ボランティア151名に対し、エボラの予防策・対処策の研修を実施
これまでに、子ども8万9,000人を含む17万人以上に予防策を発信

<セネガル>
ユニセフは、政府に準備と対応策の専門的知識を提供、国境付近にはテントや衛生用品を備蓄
国営メディアやソーシャルメディアを使って予防策を伝えるほか、空港や港、国境などでの啓発ツールも制作

<マリ>
予防策の普及に重点を置き、感染リスクの高い地域では、宗教グループやコミュニティラジオを通じて広報
広報活動の規模を拡大中
ギニアと国境を接していることから、必要物資の備蓄や監視体制の強化などに取り組むため、資金が必要に

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