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財団法人日本ユニセフ協会



ハイチ地震緊急・復興支援募金 第21報
ユニセフスタッフの活動報告

【2010年2月1日 ポルトープランス発】

© UNICEF/NYHQ2010-0119/LeMoyne
ユニセフのスタッフは、ハイチのポルトープランス空港近くの国連ハイチ安定化ミッションに設置された避難テント内の事務所で、ランプの光だけで働いています。

ユニセフは、1949年からハイチでの支援活動を継続して行っています。1月12日にハイチを襲った大地震は、ユニセフの支援活動に大きな影響を及ぼしました。しかし、ユニセフのスタッフは、この被災地での厳しい状況のなかでも支援活動を続けています。

ハイチでのユニセフの活動は、子どもたちに必要な救援物資を届けるために非常に重要な役割を果たしています。このハイチの震災は、子どもたちの命を脅かす緊急事態です。人口の40パーセント近くが14歳未満であるハイチでは、多くの子どもたちがいまだ危険に晒されています。

被災した現地事務所の移転
© UNICEF video
ポルトープランス空港近くの臨時のユニセフ・ハイチ事務所本部の前に立つユニセフスタッフのロズライン・アラマン。

1月12日、首都ポルトープランスにあった二つのユニセフ・ハイチ事務所は大きな被害を受け、スタッフと運営拠点を国連ハイチ安定化ミッション(MINUSTAH)の物流拠点に移転せざるを得ませんでした。

「ハイチの人々のニーズに応えるために、迅速な行動が必要だと考えていました。」ユニセフ・ハイチ事務所のグイド・コルナーレ代表は話します。「その一方で、ユニセフで働いているハイチ人スタッフのことも気がかりでした。このスタッフたちは、多くのハイチ人と同様、この震災で住む家を失い、愛する人を亡くしました。」

震災発生の翌日、最低限必要な備品で支援活動を実施するために、ユニセフのスタッフは支援拠点キャンプに集まりました。野外で会議を開き、コンクリートの上に座って緊急支援活動の調整を行いました。

「被災地に到着してから1日か2日で防水シートを調達することができ、少なくとも太陽の陽射しから逃れることができました。」運営・管理を統括するユニセフ・ハイチ事務所のロズライン・アラマンはこう話しました。「最初に必要だったのは、衛星電話の回線を整えることでした。被災地の電気通信システムは完全にストップしていましたから。」

スタッフの支援物資
© UNICEF video
ハイチ地震被災地での活動について話すボ・ビクターニルンド子どもの保護担当官。

ポルトープランス空港の隣に位置する国連ハイチ安定化ミッション(MINUSTAH)の物流拠点は、運送用コンテナー、トレーラー、青いヘルメット姿で訓練をする国連軍のテント張りの兵舎が無秩序にちらばっています。頭上を貨物機が飛び、ほこりだらけの道では、大型トラック、フォークリフト、四輪駆動車が絶え間なく渋滞を引き起こしています。

ユニセフの支援拠点キャンプは、現場業務調整センターのテントと防火トレーラーの拠点地の間にあります。

震災から約一週間後、ユニセフは、初めて大型のテントを設置することができました。また、パナマ共和国のパナマ市にあるユニセフ地域物流倉庫に備蓄してあったスタッフ用の活動支援物資と救命物資がハイチに送られてきました。この物資のほとんどが、隣国ドミニカ共和国を経由して届けられ、さらに、その他の地域からの追加の貨物機も、現在までに15機以上到着しています。

震災から20日後、現在ユニセフの支援拠点キャンプとして、二つの大きな避難テントが使用されています。このテントは、スタッフの宿舎であると同時に、水と衛生、子どもの保護、保健、栄養、教育分野を含む広範囲にわたる支援活動を支える業務スペースとなっています。

増員された国際スタッフ
© UNICEF video
被災地にいるマーク・サルバリ緊急支援担当官。

ユニセフは、ニューヨーク、ジュネーブ、コペンハーゲン、パナマ市から緊急支援活動のためにスタッフを増員し、ハイチ事務所のスタッフが行っていた緊急支援活動を補完しました。その活動には、以下のものがあります。

  • ユニセフの支援拠点キャンプにいる物流を管理するチームは、食糧、テント、毛布、その他の生活支援物資、スタッフの業務遂行に必要な備品の保管と配分を調整しています。
  • 衛星通信受信アンテナは、外部との必要不可欠な通信のために、確実な信号を確保しています。
  • 調査チームは、首都ポルトープランス全域から郊外まで急行する必要があるため、ユニセフの輸送車両と運転手を手配するために準備された枠組みは、緊急支援活動において極めて重要な機能を果たしています。
子どもたちのための支援

毎朝7時、ユニセフの全てのチームは、治安状況と全ての活動分野における最新の状況を共有するために集まります。この最新情報をまとめたものは、日々の活動報告として、世界中のユニセフスタッフ、パートナー団体、ハイチにいる地元NGOなどに共有されています。

こうして日々の活動を確認することは、各部門の緊急支援活動を促進し、被災した人々のニーズに応えるために適切な資金を割り当てるために必要不可欠です。

今週中にユニセフは、支援運営の拠点を再び移転する予定です。今回は、ポルトープランスのタバーにより大きな事務所テントを設置する予定で、支援物資を保管するための大きな物流テント10基も設置されます。また、ハイチの子どもたちに継続した支援を行うために、ユニセフスタッフが滞在できる事務所として、4つの仮設宿舎も用意される予定です。