HOME > 世界の子どもたち > 緊急支援情報 > ハイチ地震緊急・復興支援募金
財団法人日本ユニセフ協会



ハイチ地震緊急・復興支援募金 第35報
震源地近く、山岳地帯の被災者にも安全な飲料水を

【2010年2月26日 ハイチ・レオガン発】

© UNICEF video
最も孤立した山岳地帯に住む人々に支援を届けるため、ユニセフは、地元のNGOなどと協力して、ラバにバケツと浄化剤を載せて運んでいます。

簡素なプラスチックのバケツと安価な浄水剤が、レオガン郊外の山岳地域に暮らす人々に安全な飲料水を提供するために使用されています。この地域は、1月にハイチを襲った地震の震源地近くに位置しています。

山岳地域に暮らす人々の多くは、飲み水を川の水に頼っているため、下痢性疾患をはじめ、水を媒介する病気に極めて感染しやすい状況に置かれています。こうした状況は、特に5歳未満の子どもたちを危険にさらしているのです。

このバケツには、蛇口が付いています。このバケツが、浄水剤と一緒に山岳地域に暮らす人々に届けられています。アクセスが難しいコミュニティに、非常に効率よく安全な水を届けられる方法です。

僻地の被災者に安全な飲料水を
© UNICEF video
レオガン市内では、保健スタッフ165人が被災した家族のために、バケツと塩素を分配している。

ユニセフは、水の支援を専門に行っている地元NGOと国際NGOと共同して、プロジェクトを実施しています。このプロジェクト自体、震災前に既に他の地域で実施されていたものなので、地震発生後、この地域に導入するのに最も適した方法だと判断されました。被災者に総数1万5,000個のバケツと浄水剤のセットが届けられる予定です。

「レオガンにあるこのコミュニティには、16万人の人々が暮らしています。地元の保健スタッフ165人と協力して、バケツと浄水剤を配布しています。」地元NGO組織のマイケル・リッター代表はこう話します。「今日までに、約4,000個のバケツを配布しました。今後2ヵ月のうちに大幅に規模を拡大し、さらに1万1,000個のバケツを支援する予定です。」

陸の孤島状態の地域に暮らす人々に支援を届けるため、このプロジェクトを実施する地元NGOは、バケツと浄水剤を運ぶためにラバを使用しています。

各家庭を訪問

一方レオガン市内でも、特に最も弱い立場に置かれている女性と子どもたちに、バケツと浄水剤が配られました。震災で自宅が崩壊した母親のマグダリン・ポールさん(30歳)は、現在、自分の家族の他に、22人の「他人」と一つの避難テントで一緒に暮らしています。

「バケツをもらえて、とても嬉しいです」と、ポールさん。「浄水剤を使って水をきれいする方法も教えてもらいました。家族の中に、水で病気になる人は一人もいません。」

ユニセフは、こうした一連の取り組みの効果を図るために、各家庭を訪問しています。

リッターさんは、このような訪問活動は、支援を成功させる最善の方法だと言います。「こうした家庭訪問があるから、人々は定期的に飲み水を浄化しているんです。」「こうした家庭訪問は、私たちの支援活動全体にとっても、非常に重要な活動の一つなのです。」