HOME > 世界の子どもたち > 緊急支援情報 > ハイチ地震緊急・復興支援募金
財団法人日本ユニセフ協会



ハイチ地震緊急・復興支援募金 第42報
ハイチ支援国会合を前に
ユニセフ、国際NGOと共同声明を発表
「ハイチを、子どもや若者にふさわしい国に」

【2010年3月30日 ニューヨーク発】

© UNICEF/NYHQ2010-0246/Noorani

31日のハイチ支援国会合ニューヨーク・国連本部での開催を控え、ユニセフは、Save the Children, SOS Children’s Villages International, Plan International, World Vision International, Oxfamとともに、ハイチの復興が、子どもや若者とその家族にふさわしい形で実施されることの重要性を訴える共同声明を発表しました。

2月26日から3月5日に掛け、ハイチ全土で、様々な問題を討議する子どもや若者たちの会議が開催されました。5歳から24歳までの子どもや若者の参加者たちは、この中で、ハイチでの様々な活動が「復興」に焦点を移す中、ジェンダーや障害者の問題、暴力や虐待などの自らに関わる問題や、防災や彼ら自身の権利や責任などの問題について、意見を交換しました。

現在、ハイチで子どもたちの問題に関わっている人道支援団体は、自らの国の将来に関わる議論に子どもや若者たちが声を上げ続けられるようにすることと、復興に向けたあらゆるプロセスに関われるようにすることが、ハイチの復興を成功させるために必要不可欠であるという立場を取っています。

1000人以上の子どもたちを対象に最近実施された災害リスクの調査で、子どもたちの多くが今一番必要としているものの一つは学校に戻り、一日も早く元の学校生活を続けたいということでした。「子どもたちの全ての権利が尊重されるようになって欲しいです。子どもたちが、自分の権利を学ぶことができるようになって欲しいです。そして、全ての子どもたちが学校に通えるようになって欲しいです。」と、震災を生き延びたポルトープランスのダフミカさん(15歳)は訴えます。

© UNICEF/NYHQ2010-0261/Noorani

ハイチでは、15歳未満の子どもが、人口の40パーセントを占め、15歳から24歳の若者が、20パーセントを占めています。今回の地震が発生する以前から、多くのハイチの子どもたちの基本的なニーズは満たされていませんでした。5歳まで生き延びることができない子どもは、およそ14人に1人。また生き延びた子どもたちの多くも、栄養不良に苦しんでいました。小学校に通っていなかった子どもたちは約50パーセント。中学校に通っていたのは、男の子で18パーセント、女の子の21パーセントに過ぎませんでした。

ハイチ政府は、子どもや若者のニーズに応えることを、優先課題の一つとすることを表明しています。しかし、今回の大地震により、ハイチの最も若い国民の福祉を守るというもともと難しかった仕事が、より複雑で難しい仕事になってしまいました。被災地の100万人以上の子どもたちの多くは、既に非常に困難な状況に置かれています。家族を失ったり、家族から孤立してしまったり、栄養不良や感染症、トラウマや虐待の脅威にも晒されています。

ユニセフとSave the Children, SOS Children’s Villages International, Plan International, World Vision International, Oxfamは、今回のハイチの災害は、“子どもたちの災害”であると訴え、子どもたちやその家族に、テントや食糧、医薬品や水、トイレや石鹸などの支援物資を届け、虐待や誘拐などの脅威から保護し心のケアを提供するなどの支援活動を行っています。各地に設置されたテント学校は、子どもたちに教育の機会を提供するだけでなく、子どもたちに安心感や“日常”も提供しています。

ハイチがこの震災の惨禍から立ち直り、子どもたちやその家族が命を繋ぎ安心して生活できる国になるためには、子どもたちを守る強固な施策や適切な保健医療サービスと教育制度の創設が必要不可欠です。そして、そのために、総合的な国際的支援が長期的に継続されなければなりません。子どもたちや若者たち自身も、そうした活動に積極的に関われる存在として、そして、彼らの国の開発を進める主人公として認知されなければなりません。

ユニセフは、ハイチの子どもたちと彼らの未来のために、ハイチの被災地と国際的な舞台で、Save the Children, SOS Children’s Villages International, Plan International, World Vision International, Oxfamと協力して、様々な支援活動を展開しています。