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財団法人日本ユニセフ協会



ハイチ地震緊急・復興支援募金 第66報
コレラの流行で 国連が緊急アピールを発表

【2010年11月12日 ハイチ発】

© UNICEF/NYHQ2010-2434/Dormino
コレラが流行しているアルティボニット県ゴナイブ町のラボト地区で、ハリケーン「トーマス」による洪水被害で浸水した住居の近くに立つ子どもたち。

ハイチで流行しているコレラによる死者は現在約800人。首都ポルトープランスや最初に流行が確認されたアルティボニット県郊外では、さらに多くの感染者が報告されています。こうした状況の悪化を受け、国連は新たに緊急アピールを発表。国際社会に、1億6,300万米ドルの支援を要請しました。

11月12日現在までに、1万2,000人以上の人々が、コレラの治療のため入院しています。また、先週発生したハリケーン「トーマス」による洪水の影響で、首都の病院では、感染性の強い水溶性疾患の兆候を示す患者の数が増え続けています。

「他の地域よりも、さらに大きな影響を受けている地域もあります。」ユニセフ・ハイチ事務所のフランソワーズ・グルロース・アッカーマン代表は、ユニセフ・ラジオの電話インタビューに対し、こう述べました。「ユニセフは、より感染のリスクが高い人々を支援することに重点を置いています。」

コミュニケーションを利用した予防策
© UNICEF Haiti/2010/Dormino
ハイチの赤十字ボランティアが地元住民に適切な衛生習慣について伝えている(コレラが流行しているアルティボニット県ゴナイブの市場で)。

アルティボニット県北部ゴナイブの避難キャンプにある、いつも多くの人でにぎわう市場では、女性たちが野菜を売り買いする手を止めて、メガフォンから鳴り響くコレラの予防を呼びかけるメッセージ「lave men no(みなさん、手を洗いましょう)。」に耳を傾けていました。コレラが猛威を振るっているこの地域では、こうしたメッセージを伝えることは非常に重要です。ハイチ赤十字のボランティア・チームは、この地域にある他の市場でも、このメッセージを広めるべく活動しています。

「最も効果的な予防法のひとつは、情報を伝えることです。」 アルティボニット県で活動しているユニセフのフランク・カシャンド現地調整官は話します。「ユニセフは、人々にコレラ予防のメッセージを伝えるため、地元のハイチ赤十字に、メガフォン25個と予備の電池800個を提供しました。」

「メガフォンを使用することで、メッセージがより早く人々に伝わるのです。」ハイチ赤十字のマティアス・ドルニルマさんはこう話します。「しかしながら、一人ひとりと個別に話す時間も作り、コレラの予防法が描かれたリーフレットを見せる活動も行っています。」

学校での活動
© UNICEF/NYHQ2010-2442/Dormino
ゴナイブ町ラボト地区にある病院で、コレラに感染した孫が治療を受けているところを見守る女性。

ハイチ赤十字のボランティアは、手洗いや自分でできる衛生管理について、子どもたちに教える活動も展開しています。

「学校は重要です。」グルロース・アッカーマン代表はこのように話します。「子どもたちが予防法を学ぶことで、自分の身を守ると同時に家族の健康も守ります。子どもたちは家に帰るとすぐに、母親や父親、兄弟や姉妹、コミュニティの人々に、予防に関する知識を伝えているのですから。」

また、ユニセフは、教育省の情報・メディア部門によるコレラ予防メッセージの広報活動も支援。最終的には、予防メッセージがハイチ全土のテレビで放映されます。

消毒チーム
© UNICEF Haiti/2010/Dormino
ゴナイブでのコレラの流行を食い止めるために行われている教室の消毒活動。

同時に、ユニセフは、ハイチ赤十字と共に、コレラの流行をくい止めるため、ゴナイブにある学校を中心に消毒活動を行っています。学校に塩素を散布することで、蒸し暑い環境で繁殖する細菌を死滅させているのです。

この消毒活動は、ゴナイブにある全ての学校で実施される予定です。特に、ハリケーンの洪水被害の影響を受けた人々の避難所として使用されている学校の消毒は重要です。なぜなら、避難所となっている学校に、子どもたちを通わせることを心配する人々がいるからです。

「教育省は、学校の消毒に十分な時間をかけるため、今日(12日)予定していた学校再開を、次の月曜日まで延期することを発表しました。」マリー・ジャックL.サイモン学校のピエール・ハリー・セイル・ルイス校長はこう話します。「ハリケーンに襲われ、多くの人々がこの学校に避難してきました。子どもたちの安全を確保したいと思います。」

緊急のメッセージ

ユニセフはまた、今年1月に首都ポルトープランスやその周辺部を襲った地震で避難してきた人々が暮らす避難キャンプで、幼い子どもを持つ母親に、保健、栄養、衛生に関する情報のほか、コレラ予防の緊急メッセージも伝えています。

首都北西部にあるマイス・ガテ1避難キャンプで暮らす、被災者のモヴェット・ラファエルさんは、「『赤ちゃんのためのテント』に入る前に手を洗うことは、義務のようなものです」と話しました。また、ラファエルさんは、避難キャンプの母親たちに、コレラを防ぐための衛生習慣や、コレラの症状や危険な兆候についてのメッセージを伝えることが、コレラの予防につながることを期待しています。

ユニセフは、コレラの流行を受けて、ハイチ全土で幼児と赤ちゃんの栄養に関する情報も提供しています。また、更なるコレラの感染拡大に備え、首都の保健施設の収容者数を増やすべく、パートナー団体と共に活動しています。