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財団法人日本ユニセフ協会
 



東日本大震災緊急募金 第57報
ユニセフ『おもいっきり!そとあそび』プロジェクト スタート

【2011年5月16日 福島発】

© 日本ユニセフ協会/2011/K.Goto

16日、福島県ユニセフ協会は、福島市内の幼稚園・保育園の園児を対象に、ユニセフ『おもいっきり!そとあそび』プロジェクトをスタートさせました。「からだをうごかそう」「どうぶつとあそぼう」「たくさんまなぼう」の3つのコンセプトをもとに多様なコースが用意され、子どもたちが安心しておもいっきり遊べる場所に定期的に連れて行く、待望のプロジェクト。第一回目は、参加園児他190名を超える大きな一行となりました。

朝10時、福島市内にある三育幼稚園の前には、福島交通の凛々しいバスとベテラン運転手の方々が子どもたちを迎えようと並んでいました。園舎からは、体育着姿にマスクをした子どもたちが先生たちに導かれて出てきました。178名の園児と14名の先生が、バス5台に分乗して、いよいよ出発です。

© 日本ユニセフ協会/2011/K.Goto

向かうは、福島市街からバスで30分ほどの場所にある『四季の里』。バスの中では、赤いTシャツを着た先生たちがバスガイドさん役です。マイクで「は〜いみんな、あごマスクでいいですからね」と言うと、子どもたちは、小さな口と鼻を覆っていた大きなマスクを自分のあごへと下ろし始めます。子どもたちは綺麗なバスと大きなシートに大はしゃぎです。歌を歌ったりクイズをしたり、昔話をしたりと、あっという間に『四季の里』に到着。バスを降りる時には、マスクはもう気にしていませんでした。

緑豊かなこの緑園は、普段市民の憩いの場として休日などには多くの家族連れが訪れる場所。良く手入れされた芝生に覆われた緩やかな園庭には、周囲の低い山からとてもさわやかな風がすべるように吹いています。

© 日本ユニセフ協会/2011/K.Goto

青いビニールシートをしいて、みんなで仲良くお祈りをして、お待ちかね、お弁当の時間が始まりました。おにぎりやサンドウィッチ、たまご焼きにミートボール…どれもお母さんたちの愛がギュッと詰まっていました。お弁当を食べながらも、もう子どもたちは我慢できない様子で芝生の上で走ったり、転がったり、おにごっこをしたり、元気を爆発させました。なかには、くつをはくのを忘れて走り回る男の子も。その活発さに先生たちは自分のお弁当を食べる余裕をすっかり奪われてしまったようでした。

菅野久美子園長は、「本当に水を得た魚の様。原発事故があって以来、空気も地面も放射線に汚染されて、子どもたちを外で遊ばせることはできませんでした。ストレスはたまる一方でした。マスクを外して、思いっきり外で遊ぶことが子どもたちにとってどれだけうれしくて楽しいことか—私たちおとなまで元気にしてくれます。こうした機会を積極的に利用したいと思います」と語ってくれました。

   
© 日本ユニセフ協会/2011/K.Goto

下校時間の関係で一時間半ほどしか遊べませんでしたが、子どもたちにとって本当に久しぶりの“そとあそび”遠足でした。帰りのバスの中では、大きくてちょうど良い硬さのシートでスヤスヤとお昼寝をしている子どもたちもいました。

今回の企画をした福島県ユニセフ協会の菅田俊雄さんによると、現在市内15の保育園・幼稚園から、5月16日現在、約2,000名の参加申し込みがあり、7月までに、のべ22回の開催を予定していると言います。福島市内や県内だけでなく、山形県などにも設定された20箇所以上の目的地では、自然や動物とのふれあい、電車の運転体験などのバラエティーに富んだ“そとあそび”が用意されており、参加する施設や園児の数もさらに増えて行くと予想されています。

三育幼稚園から、感想がさっそく寄せられました。ここに全文を掲載します。
「福島交通のバスにゆったりと全園児が乗せていただき、とても楽しい一日を過ごさせていただきました。子どもたちも大よろこびでした。 普段、室内ばかりで遊んでいたので、外でマスクをはずし、伸び伸びと遊ぶことができ、子どもたちも日頃のストレスを発散し、生き生きとした表情をしていました。友だち同士、たくさんの言葉を発しながら思いっきり遊べた子どもたち。『今日はたのしかった〜』と大喜びでした。 御父兄の方もこのような状況の中、福島交通バスを提供して頂けたことにうれしさを感じ、出発前から、期待して子どもたちを園に送り出していました。 今回、このような機会をいただきましたことを、みなさん感謝していました。本当に、ありがとうございました。」

福島市内の保育園・幼稚園の子どもたちを、安心して思いっきり遊べる場所に招待します。子どもたちに、思いっきり外遊びできる機会を! 是非ご参加ください。

『おもいっきり!そとあそび』プロジェクト

参加条件、日程、目的地、参加方法などの詳細は、こちら(福島交通観光ホームページ)を御覧ください。

お問い合わせ・お申し込みは、申込窓口となっている福島交通観光(株)まで。
電話:024-531-8953 FAX:024-531-8961

現在の支援物資到着状況

支援先
(県別)
支援物資 到着日 数量 寄贈企業 備考
宮城 3月19日 12,288本 VanaH(株) 2Lペットボトル
福島 3月22日 12,672本 VanaH(株) 2Lペットボトル
宮城 男児・女児用下着 3月22日 20万枚    
岩手 男児・女児用下着 3月23日 3万枚    
福島 3月23日 4680本 キリンMCダノンウォーターズ(株) 2Lペットボトル
宮城 子ども用靴 3月23日 10000足  
宮城 子ども用おむつ 3月24日 80パック P&G  
岩手 子ども用下着 3月24日 9700枚    
福島 3月24日 12,288本 VanaH(株) 2Lペットボトル
岩手 3月26日 1404足 アキレス(株)  
岩手 男児・女児用下着 3月27日 28,266枚    
岩手 長靴 3月27日 7462足    
岩手 お尻ふき 3月28日 1200個 P&G 赤ちゃん用
宮城 レクリエーションキット
「箱の中の幼稚園」
4月2日 各50   ユニセフ物資供給センターより調達
岩手 レクリエーションキット
「箱の中の幼稚園」
4月2日 各50   ユニセフ物資供給センターより調達
宮城 ランドセル 4月6日 70個 日本ニューバッグチェーン  
岩手 ランドセル 4月6日
-7日
340個 セイバン  
宮城 学校用かばん 4月8日 18,000個   ユニセフ物資供給センターより調達
岩手 学校用かばん 4月8日 18,000個   ユニセフ物資供給センターより調達
宮城 防犯ブザー 4月8日 5,000個    
岩手 防犯ブザー 4月8日 5,000個    
宮城 軽自動車 4月8日 3台    
福島 4月11日 1536本 VanaH(株) 2Lペットボトル
宮城 レクリエーションキット
補充素材
4月12日 60セット
宮城 ミニカー 4月12日 約1200 タカラトミー
相模原* 4月12日 12288本 VanaH(株) 2Lペットボトル
宮城 プレイマット 4月13日 2種
各80枚
IKEA
宮城 お絵かきセット 4月13日 60セット IKEA
岩手 保育園用いす・テーブル・座卓 4月14日 いす75脚・テーブル11台・座卓9台   被災した各幼・小・中・高と移転先へ
宮城 原付バイク 4月15日 5台    
岩手 小・中学生用ノート・文具セット 4月15日 (16,700セット)    
宮城 PC183台・コピー・FAX複合機(57台)・プリンター(61台) 4月18〜21日     各幼・小・中・高と移転先へ
福島 移動式黒板 4月21日 10台    
福島 仮設トイレ 4月21日 20基    

ちっちゃな図書館送付状況:約250件(4月28日現在)

*被災者受け入れ場所

※一部支援物資については、各県の物資集積倉庫より他県の避難所または被災者に配布されている場合もございます。

2011年4月28日午前9時現在 (広報室まとめ)