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財団法人日本ユニセフ協会
 



東日本大震災緊急募金 第71報
レーク事務局長 宮城県の被災地を訪問

【2011年6月6日 東京発】

© UNICEF Japan/2011/Sato
7月に東京のユニセフハウスを訪問する予定の宮城県女川町立第一中学校女子ソフトボール部の練習に、飛び入りで参加したレーク事務局長。家や家族を失った子どもたち。しかし、彼女たちの力強いプレーや歓声は、女川町の人々に勇気を与えている。

「世界の最も貧しく最も困難な立場にある子どもたちとその家族に手を差し伸べることが、今、求められています。」これは、先週、日本政府、国際協力機構(JICA)、国連開発計画(UNDP),世界銀行およびユニセフの共催で開催された『ミレニアム開発目標(MDGs)フォローアップ会合』を通じて、ユニセフのアンソニー・レーク事務局長が国際社会に訴えたメッセージです。

東京で開催されたこの会合では、2015年のミレニアム開発目標達成期限を目前に控え、国際機関や各国政府の代表が一同に会し、これまでの進捗状況を見直し、どれだけのことが達成されたのかが改めて確認されました。

開会の冒頭、菅直人首相は、「本日、震災から間もない時期にもかかわらず、当初の予定通り、『MDGsフォローアップ会合』を開催できたことを嬉しく思います。」「これは、この世界的な取組において引き続き積極的な役割を果たしていくとの、私たち日本の決意の表れと理解していただければ幸いです。」と挨拶されました。

長年にわたる日本の貢献

会合に出席した国際機関や国際NGO組織、民間企業の代表者や、110ヵ国以上の各国政府代表者は、このような新たな挑戦の時こそ、全ての人々の幸福を達成することが重要であると合意。2015年のミレニアム開発目標(MDGs)達成のため、人間の安全保障、公平性、相互援助、持続可能性を指針として用いることを確認しました。

「全体としてMDGsが達成されたとしても、弱い人たちが取り残されるような社会は安定し得ません。」「持続可能な形でMDGsを達成するためには、格差を是正し、弱い人たちに配慮した『優しい社会』をつくることが必要です。」 本会合の議長を勤めた松本剛明外務大臣はこのように述べました。

また、レーク事務局長は、会議の中のスピーチを通じ、日本の長年にわたる他国への支援を賞賛しました。

「日本政府の一貫した支援と、日本の人々の変わることのない寛大さは、既に(世界中の)数え切れないほどの人々の生活を改善してきました。」「(支援に活用できる資源と時間が限られている中、私たちは)最大の利益を生み、また最大の持続可能な結果を得ることができる(最も困難な状況に置かれている)分野や地域への支援に集中して取り組まなければなりません。そして、これこそが、エクイティー(公平性)アプローチであり、また、人間の安全保障に一層の焦点を合わせることであり、達成すべきことなのです。」

宮城県の被災地を訪問

© UNICEF Japan/2011/Sato
東日本大震災の被災地でボランティア活動を行ったボランティアの若者たちとレーク事務局長。

今回の滞在中、レーク事務局長は、ユニセフ議員連盟の代表者とも面会。また、東日本大震災の被災地で、ボランティアとして活動した5つの大学の学生たちとも話す機会を持ちました。学生たちは、日本や海外で支援を必要としている人々への支援活動を継続していきたいと決意を語りました。

4日(土)、レーク事務局長は、震災による津波の影響で488人の死者を出し、454人がいまだに行方不明となっている宮城県女川町で、多くの子どもたちを含む被災地の人々から話を聞きました。レーク事務局長は、黒柳徹子ユニセフ親善大使と、アグネス・チャン日本ユニセフ協会大使と共に、小学校と中学校、また体育館に設置された避難センターを訪れました。

日本ユニセフ協会は、被災地の子どもたちのために、保健、栄養、教育、子どもの保護の各分野で支援活動を続けています。

ユニセフファミリー

© UNICEF Japan/2011/Sato
日本ユニセフ協会などの支援で、町立女川第二小学校に設置された『ちゃっこい絵本館』で、子どもたちに囲まれるレーク事務局長(中央)と黒柳徹子ユニセフ親善大使(右)、アグネス・チャン日本ユニセフ協会大使(レーク事務局長左)。

「黒柳大使やアグネス大使が、子どもたちを含む避難を余儀なくされた人々に話しかけたり、歌を歌ったりしている時、笑っている人もいれば、泣いている人もいることに気がつきました」と、レーク事務局長。「これは、とても適切なことだと思います。笑われるということは、その方々の強さや精神、勇気を反映しているものですし、泣かれるということは、このような大災害において人間的で自然なことなのですから。」

さらに、レーク事務局長は次のように付け加えました。「世界中のユニセフ協会を通じて寄せられている支援に支えられ、この被災地の子どもたちが置かれた状況に具体的な変化をもたらしている、日本のユニセフファミリーのスタッフ一人ひとりを誇りに思います。」

現在の支援物資到着状況

支援先
(県別)
支援物資 到着日 数量 寄贈企業 備考
宮城 3月19日 12,288本 VanaH(株) 2Lペットボトル
福島 3月22日 12,672本 VanaH(株) 2Lペットボトル
宮城 男児・女児用下着 3月22日 20万枚    
岩手 男児・女児用下着 3月23日 3万枚    
福島 3月23日 4,680本 キリンMCダノンウォーターズ(株) 2Lペットボトル
宮城 子ども用靴 3月23日 10,000足  
宮城 子ども用おむつ 3月24日 80パック P&G  
岩手 子ども用下着 3月24日 9,700枚    
福島 3月24日 12,288本 VanaH(株) 2Lペットボトル
岩手 3月26日 1,404足 アキレス(株)  
岩手 男児・女児用下着 3月27日 28,266枚    
岩手 長靴 3月27日 7,462足    
岩手 お尻ふき 3月28日 1,200個 P&G 赤ちゃん用
宮城 レクリエーションキット
「箱の中の幼稚園」
4月2日 各50   ユニセフ物資供給センターより調達
岩手 レクリエーションキット
「箱の中の幼稚園」
4月2日 各50   ユニセフ物資供給センターより調達
宮城 ランドセル 4月6日 70個 日本ニューバッグチェーン  
岩手 ランドセル 4月6日
-7日
340個 セイバン  
宮城 学校用かばん 4月8日 18,000個   ユニセフ物資供給センターより調達
岩手 学校用かばん 4月8日 18,000個   ユニセフ物資供給センターより調達
宮城 防犯ブザー 4月8日 5,000個    
岩手 防犯ブザー 4月8日 5,000個    
宮城 軽自動車 4月8日 3台    
宮城 サプリメント 4月上旬〜 4,000ボトル    
福島 4月11日 1,536本 VanaH(株) 2Lペットボトル
宮城 レクリエーションキット
補充素材
4月12日 60セット
宮城 ミニカー 4月12日 約1,200 タカラトミー
相模原* 4月12日 12,288本 VanaH(株) 2Lペットボトル
宮城 プレイマット 4月13日 2種
各80枚
IKEA
宮城 お絵かきセット 4月13日 60セット IKEA
岩手 保育園用いす・テーブル・座卓 4月14日 いす75脚・テーブル11台・座卓9台   被災した各幼・小・中・高と移転先へ
宮城 原付バイク 4月15日 5台    
岩手 小・中学生用ノート・文具セット 4月15日 (16,700セット)    
宮城 PC183台・コピー・FAX複合機(57台)・プリンター(61台) 4月18〜21日     各幼・小・中・高と移転先へ
福島 移動式黒板 4月21日 10台    
福島 仮設トイレ 4月22日 20基    
福島 放射能量測定器 4月28日 14台   相馬市各学校へ
岩手 更衣室・授乳用仕切りシステム 4月29日 21セット    
埼玉* 牛乳 4月末〜     加須市双葉町避難所
埼玉* ヨーグルト 5月初旬〜   ダノンジャパン(株) 加須市双葉町避難所
岩手 クーピー(120セット)/絵の具(240セット) 5月13日      
岩手 卓上電気スタンド 5月14日 15台    
岩手 文具セット 5月16日 840セット    
福島 ロッカー 5月16日 22セット   南相馬市教育委員会へ
福島 PC 5月16日 1台   石川町教育委員会
宮城 コピー機(2台)/PC(2台)、プリンター(2台) 5月     東松島市保育所/亘理町保育所2ヶ所)
岩手 受水槽、浄化槽、給水タンク 5月工事      
宮城 ソーラー式ワクチン冷蔵庫 5月18日      
福島 扇風機 5月30日 112台   南相馬市教育委員会
福島 マスク 5月30日 10万枚   南相馬市教育委員会

ちっちゃな図書館送付状況:約13万冊が650箇所以上に発送済み。(6月6日現在)
福島「おもいっきり!そとあそび」プロジェクトの参加児童数(予定含む):約5600名(5月26日現在)

*被災者受け入れ場所

※一部支援物資については、各県の物資集積倉庫より他県の避難所または被災者に配布されている場合もございます。

2011年6月1日午前9時現在 (広報室まとめ)