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財団法人日本ユニセフ協会



犠牲者の3人に1人は子ども
困難な状況の中、支援が続く

【2006年8月2日】

©UNICEF/HQ06-1104/Brooks
上空の飛行機を不安そうに見つける子どもたち(ベイルート)

イスラエルとヒズボラとの戦闘が始まって20日以上が経ちました。この戦闘によって、死者828人と負傷者3,200人が出ました。ユニセフは、犠牲者の3人の1人が子ども達であると考えています。

戦闘の影響を最も受けている地域へ緊急支援物資を届けることは、依然困難なままです。例えば、ベイルートから、レバノン南部の町ティールへは、通常はたった2時間で到着します。しかし現在は、混乱と破壊により、支援部隊が到着するまでに2日もかかってしまいます。

ユニセフは、カナを含めレバノンの中でもっとも戦闘の激しい地域で緊急人道支援活動を実施するために、安全な道路が必要であると訴えています。「現在、ユニセフは他の機関と協力し、人道支援物資をカナへ届けようと努力しています。」ユニセフ緊急支援室副局長のアフシャン・カーンは言います。

ユニセフは、国連機関の中で、紛争地域の水と衛生の支援の中心的な役割を担っています。8月1日、ユニセフからの支援物資を含む、国連の支援物資を運ぶトラックがレバノン南部の町へ向けて出発しました。支援物資には、飲料水、基礎医薬品、家庭用水キット(石鹸や浄水剤など)などが含まれています。

8月1日には、避難している子ども達の健康を守るため、ベイルートで、はしかの予防接種キャンペーンが始まりました。予防接種と同時に、ビタミンA補給も行われます。翌週からは全国的な予防接種キャンペーンも実施される予定です。混雑する公共施設へ一時的に避難している人々は、基礎的な保健サービスがなかなか受けられません。予防接種は、このような人々の間でのはしかの流行を抑えるのに役立ちます。

ユニセフは、爆撃の影響を受けた子ども達への心理的支援にも取り組んでいます。

その一方で、戦闘地域内で身動きが取れなくなっている一般市民は、依然として憂慮すべき人道的状況にあります。ここ数日、南部では、武力衝突から逃れるために生まれ育った村を徒歩で出る人々が増え続けています。

「交通手段もガソリンも持たないこのような人々は、十字砲火に大変巻き込まれやすいのです。」カーン氏は言います。