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財団法人日本ユニセフ協会



2006年6月15日より呼びかけを開始した「パレスチナ緊急募金」は、2006年12月末日をもって受付を終了いたしました。2006年12月20日までにお寄せいただきました募金は、総額約113万円にのぼりました。皆さまの温かなご支援に心より御礼申し上げます。

今後もユニセフはパレスチナの子どもと女性のために、支援活動を続けていきます。

<ユニセフの支援活動から>

保健

ユニセフは、診療所400ヶ所分、290万ドル(約3億4千万円)相当の医療物資を調達しました。発電機8機が基礎保健施設へ届けられました。ユニセフは今後も燃料費や保健省の車両の維持・レンタルにかかる費用を負担し、巡回診療チームが孤立した地域も活動できるように支援を続けます。さらに、180以上の基礎保健施設の設備や備品が改善された他、新生児ケアユニットを持つ17の総合病院は物資、設備からスタッフ研修に至るまで幅広い支援を受けています。緊急時の妊婦・乳幼児ケア、成長観察・促進及び栄養不良改善のための研修が、計125人の保健員を対象に実施されました。

栄養

ユニセフは、鉄分シロップ40万本以上、鉄と葉酸が補給できる錠剤1,300万錠、ビタミンAとDの錠剤約11万錠を提供しました。また、乳幼児への適切な栄養の摂らせ方や母乳育児の促進に努めました。より正確に子ども達の栄養状態を把握するために栄養状態のモニタリングを実施し、特に栄養状態の悪い子どもが多い学校ではWFPとともに学校給食を開始しました。

© UNICEF/HQ06-1095/Jadallah

水と衛生

戦闘の激しい地域へ、家族用水キット(1キットに10世帯分の浄水剤、せっけん、水容器、バケツが入っている)が1,200セットを備蓄・提供しました。また、1台で5,000リットルの水を運ぶことができる給水車5台が水道局に提供されました。水不足が懸念される地域では、井戸を5基設置しました。ユニセフは、水質の安全性を確保するために、水道局に水質調査キットを25セット提供しました。

教育

旧占領地や武力衝突の続く地域にある学校10校は、実験器具やスポーツ用具、コンピュータ、本棚や本などの支援物資が提供されました。パレスチナ自治区全体で、ユニセフは計380セットのスクール・イン・ア・ボックス(ひとつで80人の児童が教育を受けられる教材セット)と、画材やスポーツ用具を含むレクリエーションキットを1,000セット供給しました。子どもにやさしい教授法についての教員研修も実施されました。さらに、9月の「バック・トゥ・スクール(学校に戻ろう)」キャンペーンの一環で、ユニセフは学用品入りの通学カバン21万個、制服5万着、模型や表などの入った科学・数学キット1,000セットなどの物資を提供しました。

青少年への支援

© UNICEF/HQ06-1102/Jadallah

ユニセフは「安全に遊べる場所」を23ヶ所設置し、約6,200人の若者が各種活動に参加しています。また、画材、文房具、スポーツ用品などの室内用レクリエーションキット約500組が武力衝突の続く地域に住む家族に配給され、計2,000人の若者や子ども達が自宅で安全に遊べるようになりました。ユニセフはガザ地区の大学生24人へのカウンセリング技能研修を支援しました。加えて、中退率の高い地域にある4つのユース・クラブが「若者にやさしい学習空間」を設置し、非公式教育や課外活動の拠点になっています。現在、「安全に遊べる場所」やユース・クラブの運営に関係する地域の人々や若者が、子どもの権利や子どもへの接し方についての研修を受けています。

子どもの保護

戦闘の続くガザ地区では、個別カウンセリングを提供するセンターが20ヶ所あります。通話料無料の相談ダイヤルによって、ソーシャルワーカー、弁護士、心理的ケアの専門家からのサポートをうけることができます。夏の間は、約50ものイベントが企画され、約1万3,000人の子ども達を楽しませました。暴力により心に傷を負った子ども達への心理的、社会的、法的支援も始まりました。また、ガザ北部などの地雷の被害にあう危険が高い地域に住む子ども達2,000人以上に地雷事故を予防するための教育を実施しました。また、ユニセフとパレスチナ赤新月社が地雷への注意を促すために製作した歌が地元の若者ラジオ番組で流されました。