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財団法人日本ユニセフ協会



サモア地震津波緊急募金 第3報
ユニセフ太平洋地域事務所からの報告

[2009年10月7日 サモア発]

© UNICEF Pacific/Cherelle Jackson
飲み水と衛生問題

ユニセフは、現在、被災地で最優先課題とされている安全な飲み水の確保のため、水と衛生の専門家による被害状況の調査を進めています。これまでの調査で、家を失った人々が、親類縁者の元に避難しているため、多くの人が、既存の設備を一緒に使用せざるを得ない状況が多く見られ、飲料水だけでなく、衛生の問題もまた優先的に支援の必要な課題であることが明らかになっています。排泄物の処理に関する問題にも対処が必要です。

ユニセフ太平洋地域事務所は、10月1日までに、経口補水塩(ORS)や水の浄化剤などを被災地に届けています。

保健と栄養

こうした水と衛生分野での調査・支援活動と並行して、保健・栄養分野でも、ユニセフの専門家が現地時間10月2日(金)の早朝に現地入りして活動を始めています。

ユニセフは、こうした緊急事態の中で往々にして大量に発生し子どもたちの命を奪うはしかの予防接種キャンペーンを展開するため、これまでに、使い捨て注射器12000本と使用後の注射器を安全に廃棄するための専用箱150個を被災地に届けました。ユニセフはまた、同様の目的から、大量のビタミンA補給剤も被災地に届けています。また、WHO(世界保健機関)や現地保健省と実施した、被災地の食料事情に関する調査結果が間もなく明らかになり、被災者の微量栄養素欠乏症に関する情報が明らかになる予定です。

現在までのところ、食糧不足に関する報告はまだありません。ユニセフ太平洋地域事務所は、引き続き、被災地で、粉ミルクや人口ミルクの無償配布が行われないように監視を続けながら(これまでに、粉ミルクの船荷1隻分が輸送を停止しました)、パートナー団体とともに、お母さん方に、粉ミルクのリスクについて啓発活動を続けます。

© UNICEF Pacific/Cherelle Jackson
教育

10月3日、ユニセフは、早期幼児開発ケアキット14セットと、教育キット(箱の中の学校)10セットを被災地に送りました。その後、5日には教育専門家を被災地に派遣。現地教育当局や他の人道支援機関とともに、中期的な支援計画を立てています。
現地の学校は、5日に再開していますが、被災地にあった5つの小学校が全壊したため、これらの小学校に通っていた子どもたちが、他の地域の小学校に通えるようにしなくてはなりません。

心のケアと保護

ユニセフの子どもの保護分野の専門家も、10月1日に被災地入りしました。今回の災害で心に傷を負った子どもたちのケアのため、6日、国際NGOとともに、15のNGOから派遣されたスタッフに、7日には、現地の社会福祉専門家に専門的なトレーニングを実施しました。
これまでに、少なくとも25人の子どもが、親や保護者から離れ離れになっているのが確認されています。ユニセフは、こうした子どもたちへのサポートを急いでいます。