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財団法人日本ユニセフ協会



サモア地震津波緊急募金 第4報
子どもたちを学校へ

[2009年10月12日 サモア発]

© UNICEF Samoa/2009/Youngmeyer
帰宅前に開かれた学校集会に参加する、サモア南部の地震の影響を免れたパララウア大学の学生たち。ファレアリリ中学校の子どもたちは、勉強を続けるために、約5キロ離れたこの大学で勉強を続けることになる予定です。

ユニセフは、サモア教育スポーツ文化省と密接に連携を取りながら、津波の影響を受けた子どもたちが一刻も早く学校に戻れるよう支援活動を実施しています。

9月29日に発生した南太平洋サモア沖を震源とする大地震の影響で津波に襲われたサモア南部では、小学校4校と中学校1校が全壊。これらの学校に通っていた約1,100人の子どもたちが影響を受けました。

教室、トイレ、水飲み場がこの災害により破壊されました。倒壊した学校には、ガラスや鉄材などの破片も散らばっており、臨時の教室として使用するには非常に危険な状態でした。

学校同士の助け合い
© UNICEF Samoa/2009/Youngmeyer
パララウア大学の学生たちと話しをするホング・ングヤンユニセフ緊急教育担当官(右から二番目)。

このため、津波の影響を受けた学校に通っていた子どもたちは、今週から、近隣の7つの教育施設に受け入れられる予定になっています。

ユニセフのフォン・ングヤン教育事業担当官は、被災地の子どもたちが近隣の学校に通うことになると、教室は狭くなり、水場やトイレにも負担をかけることになるけれども、子どもたちにとって、勉強をなるべく早く再開することは非常に重要だと話します。

「教育は、子どもたちの生活の中に日常の感覚を作ることを助けます。これは、津波の影響を受けた子どもたちに、今、特に求められているものです。」「また、学校は、子どもたちに安全で守られた環境を提供し、同じ年の子どもたち同士で触れ合うことができる場所でもあります。こうした環境が、子どもたちが受ける心理的な苦しみ、またその他の様々な苦痛を克服する手助けになるのです。」(ングヤン担当官)

必要不可欠な設備
© UNICEF Samoa/2009/Nguyen
校舎は倒壊し、瓦礫が散乱するサモアのファレアリリ中学校の校庭。

ユニセフは、被災した子どもたちを受け入れる教育施設が、学校として機能するために必要な備品を準備しています。

「私たちは、現地の緊急のニーズを調査し、他の人道支援団体や現地政府などと協力して、そのニーズに応えるべく準備を進めています。」(ングヤン担当官)

そうした緊急のニーズのひとつが、これらの教育施設に通うことになる子どもたちの登校手段。こうした子どもたちの多くは、学校まで毎日5キロも歩いて通わなければならなくなります。その他にも、臨時の教室、椅子や机、トイレ、飲料水や救急箱などが緊急に求められています。

物資支援とトレーニング

こうしたニーズに応えるために、ユニセフは、教室用テントや、80人用の基本的な学校用品を備えた「箱の中の学校」、給水タンクなどの支援物資を被災地に送っています。

ユニセフは、また、津波の被害からストレスを受けている子どもたちの社会心理的なケアを先生方が提供できるように、トレーニングも実施しています。この他にも、子どもたちやその家族が、今後の自然災害により良く対処し、災害のリスクを軽減できるようにするための指導も行っています。